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プラトン的発想の落し穴
科学の進歩を考えるときに
プラトンの影響
を、よく知っておく必要があります。特に、物理学の成立を考えるとき、一度プラトンの宇宙観に戻ることが大事だと思います。
残念なことに、私たちはプラトンの宇宙観を学ぶ機会は、少ないです。学校教育でも、これは時代遅れと言うことで、流すか触れないことが多いようです。
しかし、プラトンの自然哲学を知ることは
学問知識の暴走
への予防にもなる貴重な体験だと思います。
詳細は、「ティマイオス/クリティアス」を読んでほしいですが、少し乱暴ですが、私の解釈を以下に述べます。
プラトンの宇宙論は
先に理想がありその実現としての宇宙
です。もう少し具体的に言うと
円と言う完全な物
それに従う太陽や月の運動
と言う発想です。なお、プラトンは当時の主流である「天動説」をとっています。
また、太陽、月と惑星の軌道には、当時の数学の考え得る
比例関係
が成立するとしています。つまり、プラトンの発想は
自然界の出来事も数学に従う
です。
これを、ニュートンの物理学的な天文学と比較してみましょう。ニュートンは
物体の運動は慣性の法則に従う
物体の間には万有引力が存在する
等の、物理学的な意味づけの上で、太陽系の惑星の動きを解明します。ここでプラトンとの違いは
現実社会の物体運動を見て
それを説明できる数学的手段
と言う現実との緊張感です。
この現実と理論の関係を知らずに
理論だけを知って
無理矢理現実に当てはめる失敗
をしてはいけません。例えば、リーマンショックをもたらしたのは、数学的成果に株価が従うと思い込んだ、トレーダーの失敗もあります。
また私も高校時代に、クレッチマーの類型論で、人の性格を見抜いたような、思い上がりをしていました。
パーソナリティの類型論 : 心理学用語集
確かに、プラトン的な理想論は、見通しを善くする可能性はあります。しかし現実とは異なる危険性を忘れてはいけません。