西洋文明の悪い面
西洋文明には
抽象化し理想化した世界で考える
と言う、強い武器があります。しかしながら、このような発想では、現実の世界の多様性に向かったとき
理論通りにいかない
と言うトラブルが起こります。この問題に関して、一つの解決は
近似の精度を上げる
です。例えば
太陽と地球の関係に月の永久を加える
と言う風に、今まで考えていた理想化に、少しづつ追加していきます。これは、物理学の話ですが、法律の世界なら、民法から商法への展開という感じです。
さて、こうした発想で、総てが旨くいくでしょうか。実は、このような発想で、旨くいく場合もあります。しかしながら
根本的な見落とし
があった場合には、根底から崩れていきます。
例えば、アフリカの地図を見てみましょう。緯度や経度の線に沿った、
私達には分かりやすい国境線があります。これは昔の植民地支配時代に、ヨーロッパの宗主国が、お互いに勢力範囲を分割するとき、地図の上で直線的に境界線を引いた結果です。
これで本当に良いのでしょうか?
現在のアフリカでの紛争一つの原因は、部族間の争いです。これは、先ほど言った
地図の上で線を引いて分けた国
の中には、元々別の部族が一つに収まっている例もあるし、逆に一つの部族が、別の国に分かれている場合もあります。こうした部族の違いや、結びつきを、無視した占領政策が色々な矛盾を起こしました。
この原因は
支配される人間の状況を見ない
均一な人数や領土面積
と言う
現実をみないで客観的な数字だけで考える
発想の見落としです。植民地を支配する人には
部族の違い
部族の結びつきの効果
等は、完全に考慮の外にあったのでしょう。
こうした、考慮の外が起こすトラブル、これが西洋文明の弱さです。