八百屋界の旭山動物園を目指して
今では海外からも来園者が来るほど、有名な旭山動物園。
しかし、その旭山動物園にも、苦難の歴史がありました。旭山動物園に閉園のうわさが流れたとき、当時の飼育員の人々は不思議でなりませんでした。
日々自分たちが魅了されている、こんなにも面白い動物たち。ではなぜ動物園のお客さんが少なくなっているのか?
答えは簡単、飼育員たちが感じていた動物の面白さ、すばらしさがお客さんに伝わっていなかったからです。
では、伝えよう、と、飼育員によるワンポイントガイドや、手書きのPOP、親子動物教室などの工夫が生まれ、さらに発展して、理想の動物園を描いた「14枚の夢のスケッチ」へとつながります。
そして、そのスケッチが1枚ずつ形となり、旭山動物園は人々を魅了する、素敵な動物園になっていったのです。
八百屋界にもこれが起こせるはずです。
青果業界で仕事をしてきて、早18年。栽培・流通・小売・中食・外食といろんな現場を見てきました。
野菜はこんなにおもしろいのに、まだまだお客さんには伝わっていない、そういう悔しい思いを何度もしてきました。
良さが伝わらなければ、安いものの勝ちです。
でも、おいしいものにはわけがあります。
こんな品種だから、こんなところで作っているから、こんな栽培をしいているから、こんなに素敵な人々が作っているから。この時期にこうやって食べれば、絶対びっくりしてもらえる。そんな伝えたいことがたくさん詰まっています。
野菜・果物の魅力を少しでも食べる人に伝え、おいしく楽しく食べてもらいたい。
食べる人の笑顔は作る人の笑顔です。そして評価を受ければうれしく、さらにお金の評価があれば、継続しておいしいものを栽培できます。日々食べる“野菜・果物”という食品を通して、喜び・元気をお届けできれば、こんなに幸せな商売もありません。
ならば、物言わぬ野菜・果物の代わりに、ちょいと語るが八百屋の心意気ってものでしょう。
『野菜で笑顔を結ぶ』を合言葉に、すず辰は、古くて新しい“八百屋”の道を模索してまいります。ご一緒に野菜・果物を楽しんでいただける方々との出会いを楽しみにしております。
八百屋すず辰 店主 鈴木 辰徳
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