店長になりたく"ない"のはなぜか?
最近、耳にします。
お給料が増えるとしても、責任のあるポストにつきたくないのだとか。
働く人達の価値観が変わってきていますね。
世代の特徴とも言えますが、「最近の子は・・・」なんて言ってないで、会社にも変革が必要なのではないでしょうか?
今回は、
「役職」
と
「役割」
という目線から店長という存在にアプローチしてみようと思います。
「役職」としての店長
名刺に書いてありますよね。「店長」って。
これは、何を意味しているのでしょう?
一般企業であれば社長・部長・課長・係長・主任、ってところでしょうか。
「役職」とか「階級」とか「肩書」っていいますね。
肩書から読み取れることは、「主任より課長の方がエライ」とか「部長より社長の方がエライ」ということだったり、おそらく肩書に応じて年齢やお給料も階層になっているであろうこと。
ところで、主任と係長ってどっちのほうが「仕事ができる」んでしょうか?
日本の企業には「年功序列」が根付いています。
『仕事のできない上司』が実在する社会、ですよね。
そもそも「役職名」は、あくまで社内の規則(組織図)に当てはめて付けられたポジションの名前。
「部長」って、何ができる人?って聞かれて、答えられますか?
社内では通じるかもしれないけれど、他の会社に行って
「私は”部長”ができます!!」
と言っても、みんな「?」ですよね。
なにも伝わらない。
飲食店の「店長」も、本来そういうもの。
ポジションにあてがわれた名称にすぎないのです。
理想は、店長であれば能力が皆同じであること
例えば、店長に必要な要件がA~Eまで5個あるとしましょう。
A~E、5個とも◎がついた人だけが店長であることが理想ですが、実際はそうもいかないんです。
サッカーのポジションで考えて、例えば右のサイドバックに必要な要件がやはり5つあるとしましょう。
もしチーム内に要件を5つとも満たす選手がいなかったら、どうしますか?
右サイドバックのポジションに誰も置かずに、試合に臨みますか?
そうじゃないですよね。
きっと、要件を4つ満たしている選手を右サイドバックにあてがうでしょう。
4つの人がいなかったら、3つの人。
しょうがない。
だって、ポジションを空けるわけにはいかないんだから。
いないよりはいた方がマシ。
これ、飲食店の店長も同じじゃないですか?
「新店舗を出しました」
「店長が退職しました」
店長のポジションがひとつ空くんです。
5つの要件を満たす人がいれば話はシンプルなのですが、いなかったら”消去法”で選ぶしかないでしょう。
「あいつよりは、あいつのほうがマシかな・・・」
そんなふうにして「店長」という肩書を与えてきたのが現実です。
「役割」で考えたほうが生産的
このように消去法で店長を増やしていくと、歪みが生じてくるのがわかりますか?
店長は「役職名」として与えられただけなのに、求められるのは店長としての「役割」。
こなす能力がまだなくても、周囲からは
「店長なんだから、できて当たり前。知ってて当たり前。やるのが当然」
こんなふうに思われる、ってことです。
ちょっと、つらくないですか?
「立場が人を育てる」という言葉を盾にされることもありますが、いやいや、消去法で選んでおいて何を都合の良いことを・・・。って私は思います。
育てるつもりで、他の人をどけてまでアサインしているのならいいですよ。
新店舗を出した・・・からポジションが空いた
店長が辞めた・・・からポジションが空いた
って、完全に会社の都合じゃないですか。
生産性を高めるには、役職と役割をわけて捉えることが必要になると思います。
最終的には仕組みとして評価制度と報酬制度をわけることが理想でしょう。
店長の役割とは、先程の例でいえば「5つの要件」のことですね。
店長という「役職」に当てはめてから
「5つ全部できるように成長してね〜」
と投げるのではなく、
「店長の役割5つのうち、君はAとBとCはできるから、ここはお願い。Dは〇〇さんに、Eは〇〇くんにお願いするよ」
という考え方。
後者のほうが、チームはすぐに成果が出せるでしょう。
負荷も店長ひとりに集中せずに、力のあるメンバーにそれぞれ分散されますから、労働環境だって良くなる。
チームも個人も、サステナブルな成長が見込めると思います。
まとめ
「店長になるのは嫌だ」
「店長になったけど、成果も出ないし楽しくない」
それは、あなたのせいではなくて、組織のたてつけのせいかも知れません。
個人のキャリアプランニングを考えても、
「店長になること」
を目的にするよりも、
「店長に求められる役割をひとつずつこなせるようにスキルや知識を積み上げていこう」
と考えることをおすすめします。
役職よりも、役割。
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