非現実と現実 #呪いの臭み #毎週ショートショートnote
呪物を回収してきた後輩から
荷物を受け取る。
ゲッソリとした表現の後輩達。
相当疲れたのだろう。
回収してきたモノからは
特殊加工を施した箱に入っているにも
関わらず、異臭にも似た臭いを放っていた。
箱から取り出すと小箱からは、
強力な呪いの臭みを感じた。
祭壇に供え、呪いを施していく。
手順通りに処理し、呪物を封印し終えると
すでに帰宅時間を過ぎていた。
後処理を後任へと任せて、家路へと向かう。
玄関を開けるとスグに、可愛い妻と
穢れのない笑顔の愛娘が出迎えてくれる。
俺の癒やしの空間。
さっきまでの非現実から
幸せな現実へと戻ってきた事を実感して
俺まで、笑顔になってくる。
2人に急かされながら、手洗いを済ませ
ダイニングテーブルに付くと、
隣のイスでアイスクリームを頬張る娘。
テーブルには、妻の作った熱々の
ビーフシチューらしきモノが運ばれてきた。
先程処理した小箱以上の異臭を感じたが、
愛娘と愛しい妻の笑顔に見守られながら
俺は完食した。
【毎週ショートショートnote】『ショートショート書いてみませんか?』お題発表!9/17|たらはかに(田原にか)
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