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ルックバックを見て感化された私は、

じゃあ折角なら、はじめから思い返してみよう。

今日、ルックバックを見た。
最近話題になったアニメ映画で、夢を追う女の子2人の話だ。

小学生時代から大人になるまで、夢を追い続けた2人を見て感化されまくった私は、このノートを走り書きのように打ち始めた。

私のルーツというと、大層なものになるので大変恥ずかしいが、客観的に見て私の演劇への1歩はどこだったのかを探りたくて、細かく細かく、あたかもアニメ映画化されるんじゃないかくらい描写も鮮明に思い出しながら、これを打つ。


高校生になった私は、どの部活に入部しようか悩んでいた。

中学3年間必死に努力したソフトテニス部か、
お菓子が食べれると噂の茶道部か、
友達と同じ部活にしようか、
写真部にしようか、、、

部活動紹介は、体育館で行われた。
ステージ上で様々な部活動が紹介されていくのを、パイプ椅子に座って見ていた。

みんな若干スベりながらも、必死に覚えてきた紹介文をマイクを通して喋る。
だんだん眠くなってきたなあ、という頃に

「続いては、演劇部の皆さんです。」

今までと明らかに違う空気感になった。
全員が演劇部オリジナルジャージを羽織り、意気揚々と登場、整列した。

「こんにちは!!!!わたしたち!!!」

「「演劇部です!!!!!!!!」」

迫力がとんでもなかったのを覚えている。

もちろん今までの部活との違いように、ほとんどの新入生が引いていたし、クスクス笑っていた。

恐らくあの時の私は、目がキラキラしていたと思う。

「絵を書くのが好きな君!」「物作りが好きな君!」「声を出すのが好きな君!」「アニメが好きな君!」

「たった3年という短い時間を!」


「「「演劇に懸けたって!良いじゃないかあああ!!!!!!!!!!」」」

「以上!演劇部でした!ありがとうございました!」

…………………………


痺れた。

正直、痺れた。

今思えば、驚く程に青臭い勧誘。
共感性羞恥を与える暇もなく、熱量だけで押しきった部活動紹介だった。

でもあれは、あの時しかできない物だったし、あの時の私にしか感じれなかったトキメキだったんだと思う。

「やばかったね、演劇部」

呆気にとられてると、隣に座ってた子(後に仲良くなる)が声をかけてきた。

「そ、そうね、たしかに、なんか、すごかったね、ははは」

あの時の私はなんだか無性にワクワクして、演劇部の事で頭がいっぱいになってた。

それから、部活動見学の期間が始まった。

「どの部活行く〜?一緒に行こー」

「あの先輩カッコイイ〜!」

「楽なとこがいいよね〜」

まだ私は演劇部の衝撃が忘れられず、それを周りには言えず、、、

「じゃあ、私バレー部見に行ってくるわ!鈴本も来る?」

「あ、バレー部はいいかな。また明日ね」

友達と別れを告げ、1人になった。
丁度、体育館の傍。

演劇部って体育館だよな、、、


恐る恐る近づいて見ると「演劇部はコチラです!」と迫力満点の文字の紙が貼られてた。

どうしよう、どうしよう、とモジモジしてたら
ドアが勢いよく開いて大きめのジャージを着た女の人が出てきた。

そして徐に水道をひねり、バケツとハケを洗い出した。

それをぼーっと見てる私に気づき

「え!?キミ1年生?!部活見学?!」

「あ、はい…………」

「え!やったー!!こっちだよ〜!みんな〜!1名様ご来店で〜す!!!!」

もう気づいた頃には、背中をグイグイ押されてドアの中に。

そこは体育館ステージ横の薄暗い空間だった。

ーーーーその2へ続く?

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