
チョコレートはなぜ固まる?親子で楽しむ科学会話
うーちゃん ねぇ、お父さん! チョコレートって、温めるとトロトロになるけど、冷やすとまた固まるよね? どうして?
お父さん いいところに気がついたね! チョコレートには、「カカオバター」という油が含まれていて、このカカオバターが溶けたり、固まったりするんだよ。
カカオバターってなあに?
うーちゃん カカオバター? バターってパンにつけるやつ?
お父さん 名前は似てるけど、ちょっとちがうんだ。カカオバターは、カカオの豆からとれる特別な油なんだよ。カカオバターは、温めると溶けて、冷やすと固まるんだ。だから、チョコレートも、とけたり固まったりするんだね。
うーちゃん どうして冷やすと固まるの?
お父さん カカオバターのなかには、小さな「分子(ぶんし)」がたくさんあって、温めるとバラバラに動きまわるんだ。でも、冷えてくると、分子たちが手をつないで並ぶようになって、固まるんだよ。
うーちゃん へぇ! 分子が手をつなぐと固くなるんだ!
お父さん そうそう! しかも、ただ固まるだけじゃなくて、きれいに並ぶとツヤツヤのチョコになり、バラバラだと白っぽくなったり、ざらざらしたりするんだ。
チョコレートのヒミツのかたち
うーちゃん チョコレートの固まり方って、ふつうの氷とおんなじ?
お父さん いい質問だね! 氷は水が固まったものだね。チョコレートは氷とは少しちがうよ。チョコのなかには、小さな「結晶(けっしょう)」ができるんだよ。
うーちゃん けっしょう? なんかキラキラしてそう!
お父さん そうだね! チョコレートの結晶には6つの種類があって、そのなかでも「Ⅴ型(5がた)」という結晶が、いちばんなめらかでおいしいチョコになるんだ。
おいしいチョコを作るには?
うーちゃん Ⅴ型のチョコを作るには、どうすればいいの?
お父さん 「テンパリング」というやり方で、チョコの温度をじょうずに変えてあげるんだよ。
1. あったかくする(45℃くらい) → チョコの中の結晶をいったんぜんぶなくす
2. ちょっと冷やす(27℃くらい) → いろんな結晶ができる
3. もう一回あたためる(32℃くらい) → Ⅴ型の結晶だけがのこる
うーちゃん なるほど! じゃあ、てきとうに固めると、Ⅴ型にならないの?
お父さん そのとおり! うまく温度を調節しないと、チョコが白っぽくなったり、ざらざらしたりしちゃうんだよ。
チョコ作りで科学者になろう!
うーちゃん チョコ作りって、なんだか実験みたい!
お父さん そうだね! チョコの温度をじょうずにあやつると、パリッとして、ツヤツヤのおいしいチョコが作れるんだよ。
うーちゃん バレンタインに、おいしいチョコ作れるかな?
お父さん もちろん! いっしょに、チョコレートの魔法をためしてみよう!
うーちゃん やったー! 実験スタートだ!