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ただの日記(出産と企画完走と創作の話)
最近自分のことをあまり書いていなかったので、記録がてら書いてみようと思います。ただの日記です。
妊娠・出産と創作意欲
妊娠中はびっくりするくらい創作意欲がわかなくて、キーボードに指を置いても何も打てずに静止してた。詩は頭の中のぐっちゃぐちゃをゆっくり整理して言葉にすればいいのでかろうじて書けたけど、筋立てて物語を作らなきゃいけない小説は本当に無理だった。やる気が起きないとかしんどいとかそういうのを越えてて、「あっこれはわたしのなかの創作というものが枯れたんだな」と思った。もともと自分のなかのどろどろを吐き出すための手段で文章を書いていた節があったから、書けなくなるのは悲しかったけどまあ仕方ないなと思った。本を読むのもあまり気が進まなかったので、出産する直前までスヌーピーライフというアイテム探しのアプリをひたすらやってた。
出産はものの数時間で終わり(病院に着いた二時間後に生まれた。産むのにめちゃ時間かかった友達に散々脅されてたから拍子抜けした)、そこから今に至るまで赤子ライフが続いているわけだけど、産んでむくみが解消し気持ち悪さがなくなり増えに増えた体重も元に戻ったら、本が読めるようになった。でもまだ自分で書こうと思えなかったし、むしろ「こんなにおもしろい話を書く人が世の中にいるんだから自分が書く必要ないよな〜」と思った。
ぷちヘキに参加した話
そんなことを思いつつ、6月ごろになんとなく書きたくなって、久しぶりに140字の散文を書いた。といっても自分の中から何も出てこなすぎて、昔の下書きを発掘し、書き足して投稿した。でもいくつか書いたら不思議と書きたいものがどんどん浮かんできた。行動すると脳がついてくるみたいな話よく聞くけど、それって本当だよね。
そんなときに、ある企画の募集ツイートを見かけた。以前にも一度参加させていただいた企画で、湖上比恋乃さんが主催している「ぷちヘキ」というものだ。同じお題で複数人が書いた小説の中から自分が書いたものを当ててもらう、ゲームみたいで楽しい覆面企画だった。あと数人募集しているというツイートをたまたま見かけ、申し出たらまた参加させていただけることになった。お題は「顔を洗うシーン」。小説を書くのは久しぶりすぎたけど、文字数は文庫本メーカーで1ページ分(540字以内)とすごく短いし、何より「ヘキ」というだけあり手癖で書いてこそなので、すぐに書き上げられた。書き終わったあと、妊娠前に自分が書いてたのとまったく変わらないテイストに自分で笑えた。ヘキが滲み出ていた。書き上げられたうれしさはもちろんあったけど、それよりも「小説書くのってこんなに楽しかったっけ」という驚きがあった。
文披31題に参加した話
ぷちヘキがきっかけで、もっと書きたいという気持ちが強くなっていた。そこで、朧さんが主催している企画「文披31題」に参加することを決めた。これは毎年気になっていたけれど完走する自信がなく参加せずにいた企画「ノベルバー」の後続企画で、このタイミングで開催するならもう参加するしかないじゃんと思った。
文披31題はDay1〜Day31までにお題が設定されていて、毎日いろんな人がお題にあった創作をし投稿する企画だ。7月1日から毎日投稿すると31日に全て投稿し終える計算になる。翌日以降に投稿してもいいよ、毎日じゃなくてもいいよ、お題はあくまでイメージだよという優しいスタンスなので、気負わず参加できるのがありがたかった。(わたしはお題を歪曲する傾向にあるので……)長さにも特に指定がない。完走するなら140字で書くのがよさそうだとは思ったけれど、ぷちヘキで短いお話を書くのが楽しすぎたので同じくらいの長さで書こうと決めた。が、なんか知らんが少しずつ長くなっていった。中には原稿用紙6枚くらいになったやつもあった。
投稿する形式は迷ったけれど(なにせカクヨムやらエブリスタやら星空文庫やら、いろんなところにデータが分散しているので……)、結局ツイッターには画像で投稿し、文字データとしてアルファポリスにも投稿することにした。アルファポリスではちょうど7月に「ドリーム小説大賞」が開催されるらしかったので、それにも参加することにした。
アルファポリスに投稿するには、作品としてのタイトルが必要だった。少し前からあたためていた「七等星」の言葉を使いたいなと思い、一秒考えて「七月の七等星しかないやん」と即決した。
「七月の七等星」の話
小説に出てくるのは少し変な人たちばっかりで、書いていて楽しかった。書くときは、まず物語を説明する一行を考えて(佐久間宣行のANN0「企画書はラブレター」のノリ)、あとは何も考えずに即興で書き進めた。自分では知らなかった話がどんどん文字になっていくから、登場人物に話を聞きながら書いているみたいで新鮮だった。終わり方が一番難しくて、掌編や短編をきちんと終わらせるって技術がいることなんだな……と実感した。もちろん長編もだけどね。
たくさん書いたおかげで、書けるとき・書けないときの傾向にも気付いた。わたしの場合、頭の中でちゃんと映像が動いてないと文章にならないらしい。(あれ? もしかして当たり前すぎること言ってる?)どうしても書けないまま時間だけがすぎていって、いっそ一から書き直そうと思い題材を変えたら数十分で書けちゃった、みたいなことも結構あった。個人的な裏技で、どうしても書けないときは海を出すと筆が進むこともわかった。(なみなみ/群青/しゅわしゅわ あたり)なんか自分の小説やけに海が出てくるなと気付いてはいたけど、そういうことか〜と思った。
何度も読み返すのは大事、という基本すぎることも思い知った。書き終えたら読み返して直す→画像にする→もう一度読んで気になったところを直す→画像にする→もう一度読んで気になったところを……という流れを違和感がなくなるまでやったんだけど、とにかくこれに時間がかかった。下手すると書いている時間よりも長かったかもしれない。本当に不思議なんだけど、もう直すところないぞ〜と思って画像にすると新たに直したいところが見つかる。なんなら8回ぐらい直したあとにびっくりするような単純ミスが見つかる。(誤字脱字とか、近いところで同じ単語何度も使うとか)おいおいきみさっきまでそこにいなかったよね?って何回なったことか。読み返すのって疲れるしめんどうだけど、ちゃんとやらなきゃだめだな……と思った。多分まだまだ直すべきところを見落としていると思うので、もう投稿したやつ読み返せない。
投稿したあとは、いいね・RTの数は気にしないようにした。(人の反応で自分の中の評価が変わっちゃうタイプなんで……でも誰がいいねしてくれた〜とかは見てました)それでも、いくつかいただけた感想は本当にありがたかった。不気味な話だなと思いながら書いていたはずなのに、感想をいただいて読み返してみたらあたたかい話に見えてびっくりしたこともあった。もちろん自分の意図したとおりに話が伝わるのはうれしいけど、違ったふうに届いてもうれしいしおもしろいということに気付いた。
完走の感想
参加を決めた6月23日に書き始めて、投稿を開始する7月1日には1週間分くらいストックがあった。それに、7月に入っても毎日こつこつ書き進めた。なのに、7月の下旬に差しかかった頃にはストックが1話分しかなくなった。アルファポリスは日付が変わった0時に更新するように予約していたから、寝て起きたらもう次の0時に更新される分がない。実質ストック0。子が昼寝した瞬間からパソコンやらスマホやらに向かって書いた。完走したいからがんばったのもあるけど、それ以上に書くのが楽しかった。とにかく楽しかった。小説書くのってこんなに楽しかったっけ?って何回も思った。
7月30日にDay31分の小説を書き終えて、文披31題を全て走りきることができた。なんのビジョンもなかったからどんなふうに終わらせるか迷ったけれど、最後らしい話で締められた気がするし、最終話に31日分のお題を全部組み込めたのも楽しかった。いざ書き終えてしまうと、子が昼寝したときに何をしていいかわからず困った。(それでnoteにこんな文章を書き始めた。普通に自分も昼寝すればいいのに)
結論:書くのってたのしい〜!
始める前は、31日間毎日掌編小説をあげるなんて絶対途中で嫌になるだろうな〜と思っていた。なのに、最後まで楽しく書けたどころかまだまだ書きたいと思っている自分にびっくりする。とはいえこの一ヶ月ほぼアウトプットしかしておらず「出てっちゃった感」があるのも事実なので、またいろんな本を読んだり出かけたりしてインプットしつつ文章を書いていきたいと思う。子が寝た隙にね。
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