クリスティの映画化より、こういうのを作って欲しいなぁ:映画評「ベルファスト」
ケネス・ブラナーの自伝的映画。
妻の希望で映画館で観ました。
僕も「観たいな」とは思ってたんですが、一人だったら、多分「配信待ち」
だったでしょうねw。
非常に良くできた、良い映画です。
映画ではあるものの、計算され尽くされた画面やシーン、キャラクターを重視し、深めた物語には、「演劇的」な気配が強くあって、緊張感が最初から最後まで持続します。
ユーモアや笑いの要素もかなりあって、堅苦しい映画…ってわけでもないんですけどね。
楽しみながら見ながらも、その上質な世界観に浸れる1時間半強。
まあ、ラストはガッツリ「ジュディ・リンチ」がサラって行くんですがw。
そして音楽は「ヴァン・モリソン」!
これは事前には知らなかったので、なんだか嬉しくなっちゃいました。
バッチリ、映画にあってるんですよ。これがまた。
「アイルランド紛争」を背景にしていながら、詳しい説明はなく、いきなりその渦中に放り込まれるんですが、これは主人公の少年が置かれた状況でもあります。
「なんでこんなことに…」
という想いこそが、この作品の「核」なのかもしれません。
それは今も世界のどこかで…。
<現代のベルファストは言い尽くせないほどの成功を収めた思う。和平合意からほぼ25年がたった。僕の世代、約3600人が命を失うような30年を見てきた世代にとって、自分の生きている間にベルファストに平和が戻ったのは驚きなんだ。この偉業を本当に驚きかつ誇りに感じている。同時に現在の平和のもろさに大きな不安も感じている。今ある平和を築くために関与した人々を深く尊敬している。政治的な詐欺、詐取がなかったわけではないが、それでも奇跡だと思うんだ>ケネス・ブラナー(パンフレットより)
あれほどの不条理も、乗り越える力が人々にはある。
そう思いたいです。
#ベルファスト
#ケネスブラナー
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