ここから先がどうなるか:ドラマ評「沈黙の艦隊シーズン1東京湾大海戦」
先に映画公開されたのに、後日譚を足して、全8話で amazonプライムでドラマ配信されたもの。
映画の方はなんとなく気が進まなくてスルーしちゃったんですが、こちらの方は2日間で全話完走しました。
原作は好きでしたからね。
エピソード1 やまなみ圧潰
エピソード2 シーバット浮上
エピソード3 海江田VS深町
エピソード4 戦闘開始
エピソード5 日米首脳会談
エピソード6 シーバット、東京湾へ入港
エピソード7 やまとVS日本、同盟交渉
エピソード8 たつなみ航行不能
映画は6話くらいまでフォローしてるんですかね?
その後、日本とやまとの同盟が締結され、東京湾で浮きドック「サザンクロス」で補給を受けているやまとを第7艦隊が攻撃。
サザンクロスが撃沈する間にやまとが脱出をし、そのやまとを護衛していたたつなみが…
と言う流れ。
大筋は原作通りかしらん。(もう30年も前なんで、細かいところは忘れちゃってる)
こういう作品の場合、外国人の役者の演技が大根というか、ピンとハズレというか、軽すぎるというか…で白けるケースが少なからずありますが、本作についてはギリギリ合格ラインをクリアしてるんじゃないでしょうか。
日本人役者陣は気合い入りまくりw。
主人公格の大沢たかお・玉木宏は相当に力入ってますし、個人的には笹野高史の竹上総理が割とツボ。
まあジャーナリスト役の上戸彩については、「今後の描き方」がどうか次第じゃないですかねぇ。
30年前とマスコミの環境は随分と変わってますから。
「シーズン1」については<合格点>でいいと思います。
問題は「これから」でしょうね。
NYでの国連総会に出るために北極海での戦いを乗り越えて…というのが大きなアウトラインですが、それだけをやるんだったら、原作の一番面白いところがスルーされることになります。
・やまとを巡っての日本国内での総選挙
・米国だけでなく、世界の強国の政治的な思惑とせめぎ合い
・各国原子力潜水艦の動向
…ここら辺が描かれないと面白くないでしょう。
そういう意味では「シーズン1」で米国以外の大国の姿が見えなかったのは懸念です。
ストーリーのドライブ感を考えて…ならいいんですけど、全体をシンプルにまとめるためにスキップするつもりだとしたら…。
まあ、現在の世界情勢を踏まえて、ここに中国とか絡めると複雑怪奇になっちゃう…ってのは分からんでもないですけどね〜。
(原作自体、連載中にソ連崩壊があって、かなりドタバタしてます)
でもそこをやってこその「沈黙の艦隊」でしょう。
今の目線で見ると、「海江田四郎」は<テロリスト>と考えるしかないでしょうね。
そうではあるけれど、彼と<やまと>という存在をキーとして、「日本の平和主義を現実的なものにするにはどうすべきか」「世界平和の可能性はどこにあるのか」を物語上で議論させることに原作の意義があると僕は思っています。
そこまでこのドラマが踏み込めるのかどうか。
期待と不安…正直なところです。
やってほしいけどな〜。
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