全女時代を知ってるなら観たほうがいい:ドラマ評「極悪女王」
脚本・鈴木おさむ、監督・白石和彌のNetflixオリジナルドラマ。
「地面師たち」に続いて、日本のNetflixがやってくれたな〜ってとこでしょうか。
全5話、1話1時間って感じですが、一気に見ちゃいました。
物語としては「ダンプ松本」が全女に入門してから引退するまでをカバーしています。
頭から丁寧にフォローしてて、
1話:松本香の入門。55年組(特に長与千種)との出会い。
2話:クラッシュギャルズの誕生
3話:「ダンプ松本」の誕生
4話:レスラーたちの軋轢と混乱
5話:髪切りデスマッチと引退試合
と時系列順に語られています。
まあ、ここら辺は個人的にはもうちょっと「冒険」しても良かったとは思いますけどね。
ダンプの暴れっぷりを描きながら、過去のエピソードをインサートする…とか。
ま、それはそれで「ありがち」かw。
僕自身は熱心に全女を追いかけてた訳でもないんですが、まあまあ流れは知ってましたかねぇ。
あれから40年近く時間が経過して、その背景なんかがそこここで語られてるのを知識として得てきたから、ってのはありますか。
「なんか、クレイジーやなぁ」
とは当時から思ってはいましたけどねw。
改めて見てみても、やっぱ「クレイジー」。
松永兄弟とか、いやもういい加減というか、ぶっ飛んでるというか。
村上淳(松永高司)、黒田大輔(国松)、斎藤工(俊国)
楽しそうですw。
あ、音尾琢真(阿部四郎)もサイコーでした。
作品中、1話から「ブック」という言葉が飛び出します。
この作品、プロレス監修は「長与千種」。
そして展開としては千種がブックを求めるシーンもあります。
…っつうことはやっぱり……
それが「まあ、そうだよね」と受け止められるようになるのに、ある程度の時代の経過は必要だったってのもありますかねぇ。
ダンプ松本:ゆりやんレトリィバァ
長与千種:唐田えりか
ライオネル飛鳥:剛力彩芽
長与千種によると、プロレスシーンの99.9%は俳優自身でやっているとのこと…
最初は、
「こんな痩せてて…」
と若干引いてたのが、展開が進むにつれて迫力に引き込まれるようになったのは、演出の力もあるだろうけど、彼女たち自身の力もあるんだろうね(かなり増量したそうです)…
最後の方はかなり試合見てて力入ったもん。
だからこそ、あのラストにグッとくるんだよな〜。
正直言って、あの頃の全女を知らない人がどう見るのかはよく分からんです。
「ドラマだからねぇ」
とか?
でもチョットだけでもあの頃を知ってると、
「いや、結構まんまやん」
って感じ?
美化(?)されてるのもあるかなぁ。
でもプロレスに対する幻想が剥がれたからこそ見えてくるドラマもあるんだなぁとは思いました。
こういうの新日でも…
いや、そりゃ無理かw。