「すずこま」の課題③国産トマトはまだまだ生食中心
農林水産省「加工・業務用野菜をめぐる情勢」の資料によると、日本の野菜産出額の品目別割合(令和3年)はネギやイチゴを上回りトマトが第1位です。
スーパーの売り場を見ても、大玉から中玉、ミニトマトまで一年中多品目が並んでいます。
一方で、同じ資料の野菜需給構造データ(令和2年)を見ると、野菜輸入量のうち加工品2,308千トンの内訳はトマトが982千トン(43%)とダントツ1位です。
これはつまり、国産トマトは年中供給できるくらいたくさん生産されているのに、トマトソースやケチャップなどの加工品は輸入品(輸入原料)が占めているということ。
先日スーパーで見たイタリア産トマトのホール缶は税込150円でした。時々他の商品でも思うのですが、輸送費のかかる海外産の方が国産よりはるかに安いのは謎です。賞味期限は記されていますが、いつ収穫してどういう製造過程や輸送ルートなのかまでは分かりません。
その謎は深くなりそうなので置いといて...料理を職業にする方や料理好きな方は、新鮮なトマトから時間をかけて自家製トマトソースやケチャップを作るかも知れません。でも、安くて時短もできるなら私を含め市販加工品を買う人は多いと思います。
多くの日本人にとって、トマトは季節問わず手に入り、生やサラダで簡単に摂れるお手軽野菜です。甘い品種はフルーツ感覚でも食べられます。また、加熱したトマト料理が食べたくなる日でも、何かと忙しい現代、市販加工品を使いたくなるのは当然です。
「トマトは生で、調理するなら市販加工品を」というのは日本人の好みやライフスタイルに合った自然の流れなのかもしれません。
でも今の私は「すずこま」の魅力を知ってしまいました。
トマトに対する日本の流れを「すずこま」の普及により変えたい。輸入品の安さには太刀打ちできませんが、味や品質、安全性、健康・美容面での価値は国内産の方が上回ると信じています(個人の見解)。
というより、私がそういう「すずこま」を作る1人になりたいのです。
何も輸入品に勝ちたいわけではありません。手軽にトマト料理を作れる市販加工品も日常使いしつつ、たまに国産トマト「すずこま」を使った料理で心身が満たされるって悪くないと思います。うん、全然ありです。
生食以外で国産のトマト消費を増やすには
日本のトマト産出額は野菜の中でトップですが、以前の記事「すずこまの魅力④料理の幅が無限大」で書いたとおり、年間1人当りのトマト消費は、世界平均17kgに比べ、日本は7kgとずいぶん少ないです。
世界ではどのようにトマトが消費されているのでしょうか。
サラダやハンバーガーの具材というように生でも食べられていますが、「ミートソース」や「ボロネーゼ」といった馴染みのある物から、「ラタトゥイユ」や「チリコンカン」といった聞いたことあるあるの物、「クヤーシュ」や「スッペ・フラ・クラクスビーク」というどちら様で?という物まで、とにかく種類が多くトマトは世界中で愛されていることが分かります。
日本でいう味噌・醤油のように、トマトベースの味付けは、肉や魚介類、他の野菜との相性も良く、日常的な家庭料理から特別な日のごちそうまで幅広く使用されています。
そしてそれらの料理は、トマトの旬の時期だけではなく上手に加工・保存して活用されているというのがポイントです。
少し前に手に入れた本「決定版 農家が教える 野菜の収穫・保存・料理」(西東社発行、2023.3)によると、トマトの保存には次のような方法があります。( )は保存期間目安。
①セミドライトマトのオリーブオイル漬け(約1年)
②青トマトのピクルス(約1週間)
③トマトソース(約1ヶ月~1年)
④トマトケチャップ(約1ヶ月)
⑤ハーブマリネ(約1週間)
⑥青トマトのジャム(約1年)
トマト大好きだったら全部に挑戦したいところですが、これなら私でも大丈夫(好みと腕前的に)という点で、①③④あたりを今年作ってみたいです。
なにぶん栽培が成功したらの話ですが、収穫したらどう料理しようかという想像も楽しんでいるこの頃です。今日も読んでいただき、ありがとうございます。
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