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「すずこま」の魅力⑤省力栽培
「省力栽培」ってあまり聞き慣れませんよね。決して楽に育てられるわけではありませんが、一般的なトマト栽培に比べて手間が少ないのが「すずこま」です。
どこが?というポイントは、「誘引不要」「芽かき不要」「収穫が簡単」の3つです。
私も栽培はこれからなので、勉強しながら文章をまとめてみます。
ちなみに主に参考にしたのは次の2冊です。
川城英夫編「第2版 新野菜つくりの実際 果菜Ⅰ」農文協 2023.6.5
藤田智著「12ヶ月栽培ナビ トマト」NHK出版 2021.2.20
ポイント1 誘引不要
生食用のトマトは、ほとんどが非芯止まり性品種で茎葉が無限に伸びていきます。そのため生長につれ支柱やワイヤーなどに誘引して紐やテープで固定する必要があります。また、主枝の高さを調節する「摘芯」という作業もあります。
一方「すずこま」は芯止まり性品種で、花房が2段出るとその先の芽は伸びなくなります。そのかわり、1段目の花房下の脇芽が伸びて、それがまた花房2段までの生長をくり返すという面白い性質があります。
生食用トマトは誘引・整枝をしながら「上へ上へ」生長するのに対して、すずこまは「横へ横へ」生長するイメージでしょうか。
もちろん横に広がれば、葉が密集したり、実の重さで地面に垂れ下がったりする心配がありますから対策は必要です。
それでも「すずこま」は、誘引や摘芯の手間が省けるほか、支柱や紐などの資材投入が少なく済みそうです。
ポイント2 芽かき不要
トマト栽培をしたことがある方は、何をそんな基本をと思うかもしれませんが、苗が活着した後は次々と出てくる「脇芽」を小さいうちに摘み取る必要があります。
じゃないと本命の茎葉や実に栄養が十分に行き渡らないからです。
昨年「アイコ」というミニトマトを栽培しましたが、数日放置したら脇芽の勢いが凄すぎて、最終的にジャングルにしてしまいました。
私の中でトマト栽培は「脇芽」との戦いといっても言いすぎではありません。
あ、でも中玉やミニトマトなら脇芽をほとんど放置する「ソバージュ栽培」という方法があるようなので、私にはそちらの方が合っているかもしれません。
「すずこま」は先に記したように、自然に主枝の芯が止まり脇芽を伸ばして生長させるため、脇芽を摘みとる作業がありません。
いい意味で放任して育てるんですね。
栄養と睡眠を十分にとり、田舎で伸び伸びと育てられた自分の子ども時代と重なり、勝手に「すずこま」に親近感が湧いています。勝手すぎますが。
ポイント3 収穫が簡単
これは「ジョイントレス(節なし)」という特徴があるためです。
普通のトマトはヘタの手前の茎にぽこっとした節があります(タイトル画像がそれです)。ハサミなどで切り離し、ヘタつきで収穫することが多いです。
スーパーのトマトもほとんどヘタがついていますよね。あれは鮮度保持と「見栄え」という商品価値の意味もあるのでしょうか。
収穫時、ヘタについた軸は長いと他のトマトの実を傷つけるため、ハサミで短く切り詰めるといいようです。ただし、それもひと手間。
一方、ジョイントレスの「すずこま」は、手で実をひとひねりするとヘタが茎側に残り、実だけ簡単に収穫できます。
ハサミ不要なので、刃物の扱いに不安のある小さい子どもから高齢者まで収穫を楽しむことができます。
また、料理に使う際ヘタは不要ですし1つ1つ外す手間も省けます。つくづく、よくできてるなぁと感心します。
前回までは「すずこま」の味や栄養など消費者側にとっての魅力でしたが、今回は栽培者側の魅力を書いてみました。
おいしい野菜を育てるには、生長具合や病害虫の有無など、日々観察して手間をかけることは大切です。
でも現実的に毎日の限られた時間を全て栽培に捧げることはできませんよね。「誘引」や「芽かき」の手間が省ける「すずこま」は、栽培者にも大きなメリットだと思います。
そして加熱調理に向く「すずこま」のヘタが残らない性質。料理の下準備の手間まで優秀です。
そうそう、前回予行練習で作ったミニトマトのセミドライトマト。
残ったものは、
クラッカー + クリームチーズ + セミドライトマト
でいただきました。
これまた省力的料理と言える一品でしたが、週末だけアルコール解禁の我が家の最高のおつまみになりました♪ 甘みと酸味と食感が楽しく、一瞬でテーブルから無くなりました。
ではでは、次回また違う魅力を。ここまで読んでいただきありがとうございました。