急成長する会社にどんな問題が起きるのか?(LINE Fukuokaのケース)
こんにちは。LINE FukuokaでCOOをやっている鈴木です。
LINE Fukuoka株式会社は、福岡に本社があるLINE株式会社の100%子会社です。設立から7年目で社員が1,000名を超えました(もっと詳細を知りたい方はこちらを)。
このnoteでは、そんな風に急成長した会社にどんな問題が起こるのか?そして、その問題をどのように特定していったらいいのか、をケーススタディ形式で書いてみます。
ちなみに私は会社がどんなことに困っていたかをオープンにするのはいいことだと思っているタイプです。困っていることを公開すると、誰かに助けてもらえやすいというメリットがあります。例えば我こそその課題を解決したいと入社してくれる方がいたり、一緒に解決しましょうと言ってくれる社内の仲間が出てきたり。ですので会社が設立して2~3年の頃の急拡大期を振り返りつつ、その頃の課題を赤裸々に公開してみます。
課題の見つけ方ですが、大きく分けるとマクロとミクロの両視点で見ることが大事かなと思います。例えばマクロ視点だと資金がショートするとか人が足りないとか、特にリーダーやマネージャーとかですね、そういうことはわりと気づきやすい課題です。一方、ミクロ視点で現地現物で確認をして業務の最小単位で何が起こっているかを把握するのもすごく大事だと思っています。それで今回はミクロ視点にフォーカスして書いてみています。
現地現物で現場をミクロ視点で見て気づいたことを図にまとめてみましたが、もう少し詳細を書くと以下のようになります。
「急拡大期は待っていても次から次へと仕事が増えていくので、どの仕事が大事なのかがわからなくなる →だから何を仕組化すればよいか判断できず、業務が属人化・ブラックボックス化していく →色んな部署で同じことをやっているムダが発生しているが、自分たちでは気づけなくなる →お互いの部署で何をやっているかわからず、各部署で方向性がバラバラになる。とにかく目の前にある仕事をまずは捌くことに集中する(→最初に戻るループ)」
そうなんです。急拡大期の会社は大小、種類も様々な課題が同時多発的に起こるんです。ここに書いたのも一例です。外から見て急成長している会社も中を見ると実際は「急成長」ではなく「急拡大」という言葉の方がしっくりくる、それが実態なのではないでしょうか。
ではそれをどうやって解決していくのがいいのでしょうか。現場にいる社員は目の前にある課題を一生懸命解決しようと動いてくれています。ただそれでも次から次へと課題が増え続けるので追いつきません。ではマネージャーや幹部陣は何をすればいいのでしょうか。
「ループを探すこと」です。
たいていの課題は連鎖しているんですね。一つずつゲリラ的に発生しているように見えても、実は点と点が繋がって線になっていたりします。そのループを探して、そのループの起点となっている課題を特定します。
上の図はすでにループとして整理してあります。「この会社でどんな仕事を大事にしていけばいいのかが分からない」がループの起点です。つまり解決策としては「この会社でどんな仕事を大事にしていくのか」を決めればよいということになります。このようにループの起点の課題を解決すれば、ループ内のその他の課題もするすると理論的には解決できるようになります。
こうやってケースを紐解いてみると、ループを探すこと、そしてその起点の課題設定がもっとも大事だということが見えてきます。でもそのループを探すのが難しいんですよね。いまここで紹介している話は、よく言われている「イシューからはじめよ」とか「クリティカルシンキング」とかの実践版なんだ、と考えると分かりやすいかもしれません。
ちなみに実際に私たちがどうしたのかですが、ループの起点の解決策である「この会社でどんな仕事を大切にするのか」を決めるために「LINE Fukuokaの価値基準をつくっていく」という手法ををとりました。
というわけで、今回の記事はかんたんなケーススタディ形式で、急成長する会社に起きがちな課題、その課題の特定の仕方を紹介してみました。ではその解決策としてつくった価値基準はどんなものなのか?というのは次のnoteで紹介してみようと思っています。ご興味ありましたらそちらもご覧ください。ありがとうございました。