Walk it off or Walk on
ガーディアン紙に掲載されていたので、元ネタのヴァニティ誌のサイトを見て驚きました。
純愛ともいえるし、波乱万丈ともいえるのですが、彼女(Augusta Britt)がマッカーシーの作品に与えた影響はとても大きいようです。
よくインタビューに応じたなとは思いますし、マッカーシーとの関係だけでなくオーガスタ自身の壮絶な幼少期からの体験も話していますが、事実は小説より奇なり、すさまじい。
それでも彼女は私とほとんど年が変わりませんが、カッコいい事。
https://www.vanityfair.com/style/story/cormac-mccarthy-secret-muse-exclusaruite
また、インタビューの中で印象的だった部分がこちら
“Walk it off,” or “Walk on,” was one of McCarthy’s private catchphrases:“The world’s a dark place, and there’s a cold wind blowing. So you’ve got to turn up your collar and walk on.”
「歩いて忘れなさい」「歩き続けなさい」はマッカーシーの個人的なきめ台詞の一つだった。「世界は暗い場所で、冷たい風が吹きすさぶ。だから襟を立てて歩き続けなければいけない」
「歩いていけば忘れるもんさ、だからとにかく歩こう」という意味だと理解します。マッカーシーの小説で最も有名(ピューリッツ賞)な「The Road」というのがありますが、これは世界の終末期に父と子がアメリカ南部を歩いて逃避する話です。道中の風景や人は本当に悲惨なものですが、親子は過去の思い出を少しずつ置いていきながら歩いてきます。
まさにこれは父と息子ではなく、マッカーシーとオーガスタの姿かもしれません。マッカーシーとオーガスタは二回り以上(26歳)年が離れていましたので、いずれオーガスタを置いて自分はこの世から去るということも自覚していたでしょうから。
しかし、なんか小説と同じことを実生活でも言っていたのだな、いやこの実体験があったからこそそれを小説に昇華できたのかもしれません。
さてタイトル写真は9月の30キロウォークで大会本部にアップされていた写真です。この時は熱中症寸前で両足が攣り大変でした。この瞬間はWalk it off ですね。ここで参加者の親子に頂いた塩飴とドリンクでようやく立ち上がりました。
その後 Walk onで完歩できました。