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メディアのお詫びを業界用語から考える

9月27日に出た毎日新聞のお詫び記事

ようやく地元紙にも、一月後ですが…

比較してみましょう。
まずは当時の記事について

「毎日新聞は7月4日夕刊で有力な容疑者として袴田さんのイニシャルを使い「従業員『H』浮かぶ」とする記事を掲載。逮捕を伝える8月19日朝刊では、袴田さんが容疑を否認していることを掲載する一方で「刑事たちの執念と苦しさに耐えたねばりが功を奏して(中略)逮捕にまでたどりついた」と表現した。」

地元紙は
「本紙はどう伝えたか。共同通言社の配信記事を使い、逮捕前から「住み込み工員A(30)」と袴田さんを有力容疑者として報道。逮捕時は「性格に暗い影」の見出しで、夜の外出が多いことなどを報じた。袴田さんが自供を強いられた際は「事件は解決した」と断じた。」

つまり地元紙は共同通信からのコピペであったので、離れた地域出し検証なんかせずに掲載したということを言外に含めておられるわけですね。

また検証と今後としては
毎日新聞は
「人権侵害、おわびします」として
「逮捕された容疑者の人権に配慮する意識が希薄でした。名前も呼び捨てにしていました。更に捜査当局への社会的信頼が厚く、捜査に問題があるかどうかを疑う視点が欠けていました。

 袴田さんが逮捕された際に犯人視するような報道を続けた結果、袴田さんとご家族、関係者の名誉を傷つけ、人権を侵害しました。また、読者に誤った印象を与え、新聞に対する信頼を裏切ることにもなりました。真摯(しんし)に反省するとともに、袴田さんとご家族、関係者、読者におわびします。」

なるほど。地元紙は
「メディアの責任かみしめねば」として、まあ当たり前でしょうが自分たちが調べた事件ではないので、一般論に話を転換して、多くを自紙の言葉でなく学者等の他者のコメントを引用しているだけというお粗末なもの。
いやいや、普段からそういう姿勢で司法や行政に向き合ってますか?記者クラブへの垂れ流しをそのままあげてないのかな?広島の事件でも今まで同じような扱いしてたような記憶がありますが。

さて、そういえば昼めしを食いながらラジオを聞いていたら

このニュースを聞いてピンと来なかったのが「体感治安」という言葉。ググると

「体感治安(たいかんちあん)とは、人々が感覚的・主観的に感じている治安の情勢をいう。定量的に統計上の客観的な数字(犯罪認知件数や検挙率など)で表される治安である「指数治安」とは異なる。「体感治安」「指数治安」は共に、警察用語である。」

いわば業界用語だから、定例記者会見で使うのはいかがなものか。まあそれをそのまま報じる方もどうかしてるが。お上の言われる言葉だからありがたく下々の皆さんは拝聴するようにという意図が、垣間見えます。警視庁記者クラブで警視長官のありがたい会見を聞くことのできるメディア側に含みがあるのかもしれません。いずれも電子版からですが

産経 露木氏は「国民の体感治安に大きく影響」
TBS 警察庁長官「国民の体感治安に大きく影響」

メディアの反省の底の浅さを垣間見た気がします。そういえば先日来アップしている「笠井千晶」さん。この人の爪の垢を煎じて飲まれたらどうでしょうか。


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