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教員不足
全国で教員不足が話題になっています。教員が確保できなくて自習になってしまっている学校もあるようです。
先日のNHKクローズアップ現代でも取り上げられていました。
教員志望者も少なくなっていて採用試験の倍率はどんどん下がっています。
土日も仕事で家族と一緒に過ごせない。
部活未亡人なんて言葉もあると聞きました。
結婚して、もし子どもを授かったとしたら「自分の子どもの成長を近くにいるのにみられない」
そんな状況が横行している中で教員になろうと思える人がどれだけ減ってしまっているか。教育業界に必要な人材が他に流れていってしまうのは国の損失だと感じてしまいます。
番組中で教員の残業時間も話題になっていました。過重労働というそうです。
番組でインタビューされていた、教員になりたくてなったのに心身ともに異常をきたしてしまい1年で辞めざるを得なくなってしまった23歳の方がとても苦しそうでした。
以前、自分が働いていた自治体では残業時間80時間を超えたら、心身の健康についてのアンケートに答えて、100時間を超えたら産業医と面談。
行政としては対策を講じていることになると思うのですが、現場からすると根本的な対策になっていないし、「その時間仕事をして少しでも早く帰りたい」というのが正直なところでした。いつもアンケートや面談によばれる職員は同じ顔ぶれなんです。
力とお金を注ぐところ、そこじゃない・・・。多くの職員がそう思っていました。
仕事は新しく増えることがあっても減ることがないんですよね。これは一般企業でも言えることかもしれません。「本当にこれって要りますか?」と思ってしまうものがかなり多かったのですが、自分の代で改革をするのに及び腰になる方々が多いのだろうなと思います。
人を増やすか、仕事を減らすか。あるいはどちらも実行してバランスを取るか。
教育の目的が、「生徒が将来幸せになる土台を作る」ことにあるとするならば、「まずは教員が幸せであること」これが大前提になると思うのですが・・・。
教員が幸せじゃないと本当に良い教育はできないと思っています。
世間としては、「教員なんてどうせ楽してるんだから」
「夏休み長くていいよな」
「授業じゃないときは休んでるんだろ」
「教員が楽をしている」時代のイメージのまま時が止まっている人も多いのは事実です。アップデートできる人はその限りではないのでかなり理解してくださるのですが・・・。
教員の中で言われている「古き良き時代」というものがあってその時代のイメージが残っている人もいるんですよね。
教員不足とは話がずれますが、
「どれだけ働いても給料が同じだから」
「どれだけ働いても働かなくても勝手に給料が上がっていく」
頑張って働かなくても結果を残さなくても解雇されることはない状況です。安心して働いてもらうためには大事な制度かもしれませんが・・・。それを利用してぶら下がっている人がいるのも事実です。
生徒のためにも、可能性のある先生たちに教諭になってもらうためにも改善が必要な部分です。
話を戻します。
デンマークの話をすると・・・
テストもありません。テストを作らなくて良いですし、採点もしなくていいのはかなり大きいです。
事務作業も専門の職員がいます。
部活ももちろんありません。
教員は授業にだけ集中できる制度が整っています。
また、先生が有給をとっていつ休んでもいいようにバックアップのsubstitute teacherがいつもスタンバイしています。何度羨ましいと思ったことか・・・。
他にもダブルメジャーで二つ学位を持っている先生が授業を二つ担当していてその分給料が高くなります。自分がお話を聞いた方は数学と経済の授業を持たれていて先生一人で教科横断ができるので学習効果も高まりそうですよね。
隣の芝は青く見えるかもしれませんが、デンマークの先生方は幸せそうでした。
教員が「幸せじゃなさそう」という状況を生徒はすぐに見抜きます。彼らは大人を見るプロです。
自分の家族以外で長く接する大人の筆頭が教員です。
その教員が幸せそうでなければ、生徒さんたちが大人への希望は持てなくなるのは容易に想像ができます。
大人になる将来に希望を持って学びに励むのとそうでないのとでは効果はどう変わってくるのでしょうか。
日本の宝を大切に育てることの大切さは多くの人が理解されていると思います。
教員が日本で一番働きやすくて、割りのいい仕事になれば人は自然と集まってくると思うのですが、教育にかける予算がかなり少なかったり、教員に対してやりがい搾取をしているうちはなかなか志望者は増えてきません。
何年か前から言われていたのに対応できていなかったのが悔やまれます。
本当の意味で良い教育を実現していくためには、教員が授業に集中できる環境の大切さについての一人ひとりの理解、社会全体での理解、国の制度改革が必要になると考えます。
その時が少しでも早く来るように何ができるか。考えていきたいと思います。
読んでいただいてありがとうございました。
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