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#374 失敗しない極意

1,500字

 後期の5科目を何とかやり切った。
「よく頑張った!」と自分を褒めてやりたい。

 でも、私はおだてられると、すぐにつけ上がるチンパンジーなので自分のことは厳しく突き放し、学生たちを褒めることにする。

 学生との個人面談(相談、コーチング、カウンセリング)は1年間の延べ数が131件になった。

 学生のためとは言え、自分自身の勉強にもなった。これも長年にわたってお世話になっているカウンセリングとコーチングのプロフェッショナルに助言をもらえたからだと思っている。背景には実に多くの教職員の支援があったのだと改めて感謝したい。

 学生の困り感の傾向をまとめてみた。

(1)失敗を恐れチャレンジしない
(2)目標を掲げても目的に到達できない
(3)何をやっても成果が上がらず諦める。

 自分のことを勘違いしている学生は多い。最終講義でこんな話をした。

 君たちは失敗しないための極意を知っているか? 
私は知っている!
それはね、何もしないこと(^_^;) 
何もしなければ失敗しないんだもん。

 でも、それっておかしくない?
つまりチャレンジしなければ成功もないし、成長もないってことだよね。

 失敗しないことをもって成功したとは言わないだろう? 成功の背景には失敗はつきものなんだよ。
 私自身、長く生きてきた分、君たちの1,000倍くらい失敗している。そして今がある。だから人生、失敗してナンボじゃないかなと思えるようになったんだ。

 もちろん、その時の思いつきや勢いで無計画にチャレンジすれば、する必要のない失敗をしてしまう。

 もし、成功に近付く方法があるとすれば、それはスモールステップで取り組むこと。

 自分が掲げている目標のレベルを思い切り下げて小刻みに設定してごらん。

 「ムリ!できない!!」と思っている人は、きっと目標設定に無理があるはず。

 誰かに言われた目標じゃなく、他人と同じ目標じゃなく、自分の身の丈に合った小さな小さな目標からはじめること。

 小さい目標なんて恥ずかしい?
いや、大きな成功者ほど小さな目標を積み重ねてきているんだよ。

 そして、決めたことは投げ出さないこと。人生の中には想定外や例外的な扱いをしなきゃいけないことはあるけれど、自分基準の例外をつくらないことだね。
 今日はダルい、眠い、めんどくさい、だからやらない。忙しいし気分が乗らないからやらない・・・・とか。

 例えば、1日3分間学習とか読書ならならできるよね? それすらできないとなったらどうするって?
 うーん、そうなったら・・・山ごもりして滝に打たれるとか?(笑)
 比叡山延暦寺の根本中堂こんぽんちゅうどうに行って坐禅と写経の修業をしたことあるんだ。

 高校生のときに修学旅行で行ったことがあってね、そこで友達と私語をしていたらお坊さんに怒られたの。
「話が聞けないなら出ていきなさい!」って。

 友達は出て行ったけど私は「出て行きません」と言い張って出て行かなかった。
 するとお坊さんが「きみは見どころがある。反省しているならちゃんと話を聞きなさい」と。

 そんなことがあって、私は大学生のときにもう一度、延暦寺を尋ねたんだ。御利益があるとか仏に導かれてとか、そういうことじゃないけど、日常から離れて静寂の中で瞑想したり筆を走らせると心が洗われるんだよ。

 気持ちの切り替えは、別に非日常的な体験じゃなくていい。普段の生活でもできるので自分なりにその方法を見つけること。
 ただし、ネットの世界を彷徨うとか、ゲームに没頭するという人もいるけど、それは誘惑と雑念のバブルに包まれてしまう可能性があるので、こころ穏やかでいられる方法を探してほしい。

「継続は疲れなり」
 続けることに意味があると考えて取り組んでいると疲れて効率が悪くなってクオリティが下がることもある。原点の目的(ゴール)はなに?

難しいよね。でも変われるさ。
変わる適齢期は人それぞれ。