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#379 地球の自転と同調した生活を

 1,700字

 前回の続きみたいな内容。
 新年度に向けて「こころ」に関する学習をしている最中だが、やはり身体の話が出てくる。

 私は好き嫌いを言わず出されたものを口に入れ、一方では欲求にまかせて好きなものばかりを食べたりもしてきた。
 40 代あたりから健診でいろんな項目の数値がボーダーライン上に並んでいたが、特別な処置もなく過ごしてきた。
 それが4年前、還暦を迎えた途端に尿酸値や血中脂質(中性脂肪や各種コレステロール)、腎臓のeGFRの数値で精密検査を命じられるようになった。

 医師は「加齢ですからこんなもんでしょう」と言う。
 大病もせず今日に至っているので悔いはないが、今は自覚症状がないだけで明日にはポックリ逝く可能性だってあるだろう。悔いのない人生を送りたいものだ。

 「食」に関することで早稲田大学の柴田重信しばたしげのぶ名誉教授(薬学博士、先進理工学研究情報生命)の存在を知り、いろいろな文献を調べてみた。

 「食べる時間を変えれば健康になる」「体内時計健康法」「時間栄養学」「時間運動学」「時間睡眠学」など、時間がキーワードだ。
 特に論文や著作物、講演などで述べている「地球の自転に同調していたかつての人類は健やかだった」という言葉が印象的である。


 健康の語源「健体康心けんたいこうしん」は、すこやかな体とやすらかな心を意味している。
 心と体の連動については、これまでにも取り上げてきたが、独自の解釈を修正し、正しい理解をしなければいけない部分もある。

 柴田氏によると、現代人は24時間周期の地球の自転サイクルと実際の生活サイクルが著しくズレていて、肥満や疾病、免疫力低下をはじめ生活習慣病(高血圧、糖尿病、高脂血症)のリスクは高まる一方だという。
 24時間営業とか、深夜~朝まで営業なんてものはやめた方がいい。夜更かしは御法度だ。徹夜勉強、徹夜麻雀、徹夜ゲーム・・・・

 本来的に生物は体内時計が備わっていて一日のリズムを刻んでいる。
 柴田氏はそのメカニズムを「時計遺伝子」と呼び、それが全身の細胞に存在し、中枢となる時計は脳にあるという。

 体内の各時計は徐々に時間の刻みがバラバラなるので24時間ごとにリセットされなければいけないそうだ。しっかり睡眠を取り、朝一番の陽光を浴びてセロトニンの分泌で脳の時計がリセットされ、その他の全身にある末梢時計は朝食が刺激となってリセットされるとのこと。

 もはや原始時代のような暮らしに戻れない私たちは、あらゆる誘惑やストレスと戦わなければならない。戦時中の「欲しがりません勝つまでは」か?

 好きなものを好きなときに食べてストレスを解消するという考え方もあるが、その代償は必ずあるという。それが日常の行動や思考において些細なトラブルに繋がっているとしたら食の見直しも考えなければいけない。

 「早寝、早起き、朝ごはん」は分子化学によって正しいことが明らかになっているそうだ。
 結局、食べるものは量の加減を考えるより、本来の遺伝子時計を整えるための「時間(タイミング)」と「質」が大切だということがわかった。

(1)朝食は蛋白質と食物繊維を摂る
(2)昼食は食べたいものを自由に食べてよい
(3)夕食は糖質、蛋白質を摂りすぎない

早食いしてはいけない、誘惑食いしてはいけない、ダラダラ食いしてはいけないは重要だそうだ。
 スナック菓子食うな、糖質を取り過ぎるな、酒を飲み過ぎるな、脂っこいものは避けろ、などがあげられるが、もう好きなようにさせてくれと言いたくなる。

 私は類い希な早食いで、家族からは毎食ごとに「はや!」と言われ続けてきた。大食い選手権では勝てないが、早食い選手権でチャンピオンになるポテンシャルはある。

 家族以外の人と食事をする時は意識的にゆっくり食べるようにしている。  
 高等学校PTA全国大会でのこと。P役員と食事を共にしたとき、私はみんなに驚かれた。
 PTA会長のお母さんに、こっぴどく叱られた。

「コーチョーセンセー!ちゃんと噛んで食べてますか!早食いは寿命を縮めるんですよ!!ゆくっり噛んで、そう、口に入れたものは50回咀嚼するんですよ!! わかりました? そー、わかったのね、偉いわねぇ」

子どもか!