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#293 こころ と からだ

#265の続きを。

呼吸を整えると自律神経が整うとか、キノコやタケノコを食べるのは自律神経によいけど、きのこの山、たけのこの里の食べ過ぎはよくないとか、そういう話だったかな・・・・

■心と体はつながっている

つまり、結論は

ポジティブな感情は体と共鳴する

ネガティブな感情は体と共鳴する

というお話。

NK(ナチュラルキラー)細胞の活性化が免疫力をアップさせることについては、すでに医学的に証明され、ガン治療の現場でも応用されている。

笑い」がNK細胞を活性化させるという話もよく目にし耳にするようになった。

大阪国際がんセンターでは、がん患者の免疫機能向上と笑いとの因果関係について実験と研究が重ねられている。


以前、ホスピタル・クラウン協会の講演会に参加したことがある。

講師がピエロの格好で登壇し彼のパフォーマンスによって聴衆3,000名の会場が笑顔に包まれた。

Hospital Clownは文字どおり病院の道化師

ピエロが小児病棟にいる子たちに明るい笑顔をプレゼントしている。

これもまた心と体の話。

元気に退院する子もいれば、尊い命が失われてしまう子もいる。

わずかな期間の小さな命であったとしても、病棟には確かに、笑いがあり、そこから喜び、夢、希望が生まれ、愛に包まれ、「生きることは楽しいこと」という思いを抱いて旅立っていく子たちもいる。

クラウンの尊い活動が家族や医療関係者の心を癒やし、旅だった子の分まで生きること、医療に従事し続けることにつながっているのだと感じた。

■健康を願うこころ

心身の健康に関することは、医学的・科学的に正しい根拠が必要だ。

そのうえで、願う、祈るという心が自分を救い、他者を救うことにつながっていくのではないだろうか。

そのとき、心の中に見えない神や仏が宿ることについて、私は何の違和感もない。


医療現場では認知行動療法やカウンセリング、緩和ケアが役立っている。

ピエロも重要な役割を担っているわけだ。

一方、日常では心身の向上と疾病予防、リハビリのために、身体技法を用いるヨガ、ピラティス、瞑想、ウォーキング、エアロビクス、太極拳、ダンス、器楽演奏、カラオケ、手工芸等々が好影響をもたらすということで多くの人が実践している。

教育の現場でも身体技法が再注目されている。

他人との競争や自分との戦いという悲壮感もなく、気軽に楽しくできるのが一番いい。

苦行のように精神的に追い込むような形はよくない。
良かれと思ってやっていることがストレスになっては本末転倒だ。

ヨガとピラティスのインストラクターをしている教え子の話が面白かった。

「センセー、わたし思うんですけど、別にお金がかかる“ナントカ教室”じゃなくてもいいんですよ。
浜辺をブラブラ歩いたり、打ち寄せる波の音に耳を傾けたり、穏やかな海面をボンヤリ眺めるだけでもいいんです。
それで心と体がなぎの状態になるんです。
私たちの祖先は元々、海に棲んでいたって言うじゃないですか。
胎児は母親の心音を聞き、羊水の中でリラックスしていますよね。
胎盤とおへその繋がりは心気の繋がりでもあり、穏やかな心身のお母さんの胎内にいた子は穏やかに育つんですって」

胎内回帰か。
偉大なる母よ、私を包み込みたまえ。

世知辛い日常は穏やかでいることが難しい。
心が癒やされる体験で心を和らげることが必要なのだろう。

少年時代、何か嫌なことや辛いことがあったとき、悔しいことがあったとき、不良少年になりかけたとき、化学のテストが29点だったとき、彼女にフラれたとき・・・・
学校帰りに友達と潮騒に耳を傾け日本海に沈む夕陽をただじっと眺めていたなあ。
本能的行動だったのだろうか。

故郷の海(友人のインスタより)

先日、病院の待合ロビーに置かれていた書籍を手に取ってみた。
気になるワードがちりばめられている。

こころって、なんだろう?「こころ」という言葉には実体がない。
自分のこころ、人のこころ
「からだ」と「こころ」の関係とは。


「こころ」は広がったり狭くなったりする。
「こころ」はどこにある?

バックボーンは東洋医学。
中国四千年のアレ?
西洋医学の病院に来て東洋医学の本を読むとは思わなかった。

五臓の重要性が書かれていた。

肝臓、心臓、脾臓、肺臓、腎臓

五臓六腑《ごぞうろっぷ》は、中国医学において人間の内臓全体を言い表すときに用いられている。

肝臓は忍耐強さや怒りをコントロールする。
「怒り」や「正義感」をエネルギー源にしているが、過不足があると肝臓が痛み心も病む。

心臓は喜びや気合い、勢いを司り「前へ前へ」という積極的な行動を取る力になる。
危険な中に飛び込む勢いがあるが、それが過剰になると自律神経に悪影響を与える。

脾臓はリンパ節の元締めで脳とつながっていて情や意、智を司っている。自律神経が乱れると、憂いを引き起こす危うさがある。

肺臓は呼吸だから酸素を取り込んで二酸化炭素を排出し、「気」と密接に関係しているので、負担が増えると悲しみにつながる。

腎臓は隠れた働き者で体内の水分循環、体の冷却、ホルモンの正常な分泌を支えている。
情に流されず強い意志を司っているが、弱ってくると「恐れ」の感情につながる。

内臓そのものに意思があるわけではないが、陰で日向でいろんな働きをしてくれていると同時に、脳とつながり、心に影響を与えている、という考え方だ。

心と体(内臓)の特質を理解し、うまく付き合っていきましょうということらしい。

西洋医学は、身体のパーツごとに専門性が分化し、なおかつ心に関することは精神科・心療内科で扱っている。

東洋医学では「こころとからだ」「内臓と気」を密接に結びけトータルで捉えている。

私自身、60年以上にわたって酷使してきた内臓を大切にしなければいけない年齢に達している。

医師から言われていることは、
食生活を改善せよ
早食いするな(よく噛め)
ストレスのない生活を送れ
適度な運動をせよ

心身が共鳴するということは、病は気から、気は病からということだろう。