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大人になって出した、人生初のファンレター


前回からの記事の続きである ↓

https://note.com/suzukimiyuki/n/n08e08f5bb5d2

私が人生の一冊に選ぶ
昨年映画がヒットした原作本の「日日是好日」。

本や作者の森下先生への熱い思いを
語っていたら、友人がこう一言解き放った。

「そんなに好きなら
 作者の方に手紙を出してみたらいいじゃない」


ファンレターなんて
人生で一度も出したことない・・
そもそもそんな発想すらない・・


そう持ち掛けられて、
思いっきり戸惑うと同時に、
なぜか私の頬につーーっと涙が伝った。

何度も何度もこの本を手にしては、
描かれている茶道からの学び、
茶道を通して見えてくる人生のことに、
幾度も自分の姿を重ねていた私。

何度もこの本に助けられたし、
私自身10年続けてきた茶道への思いを
この本の中ですべて代弁してくださっている、
そんな思いすらあった。

それらを、作者の森下先生に
手紙を通して伝えることができるんだ、
そう思ったら本当に嬉しくて・・

不思議なことに手紙を書くことを
想像しただけで涙がとまらなかった。

今思うと、私の中に10年間眠っていた
熱い思いが喜んでいたんだと思う。

その後・・

10年分の森下先生への思い、
作品がどれだけ私の人生の中で息づいているのかを
手紙にしたためて、HPに載っていた宛先に投函した。

手紙を書けた、
手紙を出せた、
もうそれだけで十分だった。
それだけで私の中に熱いものが何度も走った。

お忙しい森下先生が手紙を読まれるかどうかは、
もう私にとってはどうでもよかった。
ましてや、お返事が来ることなんて想像すらしてなかった。

本当にそれだけで満足だった。

見返りを求めることなしに、
私の中にこんなに熱いものが
存在していることを、
初めて知った出来事でもあった。

そうやって、
人生はじめてのファンレターを
投函したのが昨年の秋のこと。

私はいつものように日常を過ごし、
茶道の稽古にも月3回通い・・
2018年が明けた。

2019年・・年初めの年賀状。
束になったそれを家族で仕分けをしていて、
ある一枚の年賀状に目が留まった。手が震えた。

**なんと森下先生から

年賀状が届いたのである。

**

年賀状には達筆な字でこうつづってあった。
「鈴木様からいただいたお言葉を励みに
 これからも頑張って参ります。幸多き一年を!」と。

もう、この年賀状を受け取った時点で
2019年は幸多き一年に決定です・・(号泣)

ちょうどこの頃、私は迷っていた。
起業して2年、仕事もそこそこ
順調に回り始めてはいた。

その一方で、ちょっと気を抜くと
仕事や家族の予定や・・私の毎日が
自分ではない誰かの予定に埋め尽くされていく
焦りのようなものを感じていた。

大げさに言うと、
自分の人生がアンコントロールな状態に
押しやられていくとでもいうのだろうか・・

私の中には、まだうまく言葉にならないけれど、
自分の心の情熱のままに、何かを残したい
という願望があった。

それは、仕事をしながら出来るものかもしれないし、
遠い将来、今の仕事に代わるものかもしれない。

その情熱は、一切見返りを求めずに
森下先生に涙を流しながら手紙を書いた、
そんな衝動にどこか似ている気がした。

そんな時、森下先生からお返事が届いたのだ。

私の願望に対して「やってみたら」という
YESのサインのようにも思えた。





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