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映画「Most Likely to Succeed」の批評を書く「私の教育論」 木曜2限・期末

課題1 映画「Most Likely to Succeed」の映画批評を書いて、教育のこれからの在り方を提示してください。
 7月11日の最後の授業で、映画「Most Likely to Succeed」を上映しました。映画作品の批評を書いて提出しください。そこに自らの教育についての考え方を盛り込んでください。
https://www.futureedu.tokyo/most-likely-to-succeed (DVDは図書館にあります)
 この映画をネタにして、あなたが考えるこれからの教育のありかたを示す取り組みです。この映画の内容を否定しても肯定しても構いません、さらに多様な意見を盛り込むなどしても構いませんので、自分の考え方が伝えられるように工夫してください。
 特に字数制限はありませんが、800字程度を目安にしてください。

◆この映画で出てきた自由な高校について、私は賛成である。SATの攻略方法が丸暗記といわれるように、日本の教育も暗記の側面が多いように感じることから勉強以外の大切なことも学ばせることが大切なのではないかと思う。これからはAIが台頭してくる時代になってくることで現在の単調な仕事は奪われていく。つまり選べる仕事の幅が狭くなることに対して何かしらの対策はするべきである。映画内では暗記ではなくコミュニケーション能力を育てる。チームで何かを作ることで協調性や連帯を学ばせていた。さらには自由に使える3Dプリンターや設計図を描くパソコン、演劇に使う小道具や照明など人の使い方で用途が変わる設備を置いているところなどとても良いと思った。今の日本では使えるパソコンなどせいぜい半期の技術の時間でofficeをいじる程度である。設備があるのだからそれを有効活用して豊かな発想を育てるべきである。このような現状ではすでに自主性や主体性を持っている生徒はさらに伸びるが、その他の大勢の生徒は伸び悩んでしまうというデメリットがある。そこで私が提案するのは映画に出てきたような高校とまではいかないが、高校に様々なスキルを持った人を1年回しで3、4人ほど配置することである。その人たちはクラスを受け持つことはないが、授業で自由な発想を育てる。形は様々であろうがその人たちにとって大切であると感じていることを生徒に学ばせる。高校という狭いコミュニティーで生きている学生にとって外の世界を考えさせるいい機会なのではあろうか。
一週間に一回でもいいのでその授業をカリキュラムに組み込むことで生徒の自主性や協調性を学ばせるいい機会なるのではないかと考える。
作品を通して生徒の成長が描かれているが、暗記の方法だけでなく人との関わり合いや協調性を学ばせることができる場であったからこそ素晴らしい成長は遂げるものであると考える。(3年)

◆ この映画は、学歴重視の価値観に疑問を投げかけていると思います。ジェームズのように高学歴であっても、必ずしも社会的な成功につながるわけではない。一方、グレッグのように学業成績が良くなくても、起業家精神やクリエイティビティを発揮できれば、大きな成功を収められるからです。
 この映画の中心テーマは、現代の教育システムが本当に子供たちの可能性を最大限引き出しているのかという疑問です。丸暗記や標準テストに重点を置く従来の教育は、知識の習得は促しますが、問題解決力やコミュニケーション能力、創造性といった21世紀に必要とされるスキルの育成には十分ではありません。
 この映画は、学歴偏重の価値観に疑問を投げかけるだけでなく、教育の在り方そのものを問い直すきっかけを提供してくれています。
 もちろん、知識の習得は教育の基礎でありますが、それ以外のスキルの育成にも十分に目を向ける必要があるということを示唆しています。現代社会では、問題解決力、創造性、コミュニケーション能力など、いわゆる「ソフトスキル」が非常に重要視されています。しかし、現行の教育システムは依然としてこれらのスキル育成に十分に取り組めていないのが実情です。学生たちが受験戦争に明け暮れ、知識の暗記に追われる中で、本当に必要とされる能力は育成されないままなのです。映画の中で、ジェームズは就職活動で苦労しますが、それはこうした教育の偏りが原因だと言えるでしょう。一方、グレッグはそういった従来の価値観にとらわれず、自身の強みを活かすことができた結果、大成功を収めたのだと考えられます。
 この映画は、教育の在り方を根本から見直すきっかけを与えてくれます。知識の習得だけでなく、問題解決力やクリエイティビティ、コミュニケーション能力といった21世紀型スキルの育成に、教育現場がより注力すべきことを提案しているのです。また、学歴以外の指標で「成功」を評価することの大切さも示唆しています。ジェームズのように優秀な学生でも、必ずしも社会で活躍できるとは限りません。一方、グレッグのように学業成績は良くなくても、起業家精神やイノベーション力を発揮できれば、大きな成功を収められるのです。
 このように、「Most Likely to Succeed」は、従来の教育システムの問題点を鋭く描き出し、新しい教育の在り方を提案する作品だと言えるでしょう。21世紀を生きる私たちにとって、この映画が示唆するメッセージは非常に重要であり、ぜひ多くの人に観てもらいたい作品だと思います。(3年)

◆AIの発展に対し、教育も変わらなくてはいけない。そのような問題提起から始まった「Most Likely to Succeed」であったが、この映画が作られた2015年よりも遥かにAIが進歩し身近になった今、この映画の意義はさらに高まっていると感じた。
まず「AIがあるため詰め込み教育は必要ではなくなる」という指摘は重要だ。講義内でも触れたように、現代にはChatGPTがあり、尋ねれば容易に多くの知識を入手することができる。それならば暗記にこだわる必要はない。むしろ、どのように知識を引き出すかというAIの使い方や、得た情報を元にどのようなアイデアを実現していくかという、『活用』の技術が必要になってきたように思える。映画で出てきたHigh Tech Highの教師たちは、その活用の方法を身につけることこそが、これからの時代を生き抜く力になると言っていた。
次に、映画では『創造性』の話が展開されていたが、この指摘もとても重要である。創造性とは、判断力の話であり、やる気の話でもあるが、ここで重要なのは創造性だけはAIが簡単に真似できるものではないということである。現在の教育は、将来のために知識を提供する場という側面が強いが、それが学生本人の幸せな人生に直結するかは、生徒の取り組み次第という部分にかなり丸投げされてしまっているように思える。しかし、そもそもの「自分の道を選択できる」という能力自体には、あまり触れられていないのが実情だ。High Tech Highの教師たちは、その創造性が、自分の道を自分で選ぶ能力が、教育で最も教えなければいけないことだと言っていた。
最後に、この映画内で提案された教育は、これら『活用』『創造性』に加え、何より『プロジェクト』に注目していたことが重要であると感じた。どうやって自分のアイデアを実現するか、どうやって共同作業をするか、どうやって自分のしていることに自覚的になり本気になれるか、これら全てが『プロジェクト』ということであり、社会に出ていくこれからの人々に求められることである。そのように考えると、現在の教育は、この映画から時間が経っているにもかかわらず、実際の社会に即してないとしか言いようがない。映画でも触れられていたように、それは現代の試験システムに最適した結果であるが、それが学んでいく生徒たち自身のためになっていないというのが大きな矛盾だ。
以上から、私はHigh Tech Highの教育方針に賛同し、教育はこれからこうなるべきだと考える。今までの慣習に合わせ、時代の実情を無視した教育をすれば、生徒たちの将来ばかりか、魂にまで悪い影響を与えてしまう。様々な事情はあるだろうが、何よりも生徒たちのことを考え、教育現場は変わっていかなければいけない。 (4年)

◆続く

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