『R-1グランプリ2023復活ステージ』で復活することはできず、準決勝敗退に終わりました。決勝直前の生配信でまずは5位から2位までが一斉に発表されましたが、これは呼ばれないかも、と思いました。跨いだと思った線の遥か向こうにほんとうの国境はありました。国境線は地図上にのみ引かれていて、現場の地面には描かれていないのです。地図を持っていなかったので、国境線の位置を把握できていませんでした。来年越境させてください。 準決勝から復活ステージにかけて、言いたいことが星のようにありま
2023年を振り返ります。 1月 「R-1グランプリ2023」準々決勝進出 2月 「R-1グランプリ2023」準決勝進出・敗退 「第5回笹井宏之賞」最終選考 3月 「R-1グランプリ2023」復活ステージ TBS「ラヴィット!」出演 4月 銃口ってこんな冷たいんすね 5月 テレビ東京「ぴったり にちようチャップリン」出演 スキマスイッチさんのYouTube出演 6月 日本テレビ「ニノさん」出演 YouTube「水道水の味を説明する」公開 7月 フジ
新橋駅の改札を抜けて汐留方面に歩きました。黄色い看板で案内される出口をいくつか視界に入れながら通り過ぎて、ここだと思う広い階段のどちらかと言えば右の方を地上に向かって登りました。晴天の中に日本テレビが見えました。黒々と光るその社屋は豪雨が地面を掘るように上から下に聳えていました。 通用口に向かいました。受付の警備員さんに名前を伝えました。ウチのガヤがすみませんの収録で来ました、プロダクション人力舎の、鈴木ジェロニモです。「はい。すみません、もう一度お願いします」。おそらく
新橋駅を汐留方面に出て日本テレビに向かいました。曇りでした。オーディションに落ちに行って実際落ちて帰ってくる道としか認識できていなかった長い横断歩道は赤信号で、そこで安全のために立ち止まりました。緊張よりは不思議という気持ちでした。その気持ちを落ち着かせるように、視野に対して垂直に通過する現実の車を目と耳で認識しながら待ちました。信号が青になって渡りました。右の方に大きなビルが見えてきました。そのビルは地面の上に立てたというより地下から膨大なエネルギーを吸い上げた大樹のよう
夢が現実に姿を変えるにはいくつかの仕様変更を経る必要があって、その手続きは公的な書類のようにいくつかのひずみを伴う。ずっと「夢」として営業していた店が改装を経て「現実」として再オープンする、その初日のように不慣れで眩しい一日だった。 一般的には遅い朝を早い、と思いながら起きて、同居人のバローズ徳永と一緒にテレビ東京天王洲スタジオに向かう。オーディションで一回行ったことがあるくらいのちょうど最適ルート像が浮かばない行き先だったので、念入りに電車を調べた上で駅まで早足で歩く。
朝5時前に家を出てまだ暗い道を駅まで歩きました。外はだいたい暗くなるけれど今日はこれから明るくなるんだという嬉しさが眠さを上回りました。太陽と時間と足がそれぞれ前に動いて、踏んでいる暗い道のアスファルトが塗りたてのように新しく感じられました。建物が眠ったように静かな駅前通りに進むとなおさら、今日が特別な一日になることは強い確信に変わっていきました。 改札を抜けて乗った電車には思ったより多くの乗客がいらっしゃいました。これから仕事に向かう装いの方々が程よく着席した車両は、僕
途中のコンビニに行きたい 早朝の集合に遅れたい 畳んだ座席を跨ぎたい リュックを膝の上で抱えたい 同行者の都合に嫌々降りたい 外を意外と寒がりたい 飲み物の重さで買い物かごを傾けたい プライベートブランドの安さに迷いたい ひとつしかないトイレに同行者と並びたい あとで食べる用のおにぎりを買いたい ガムの並びを眺めたい 野菜スティックの容器をドリンクホルダーに置きたい 開封したミックスサンドに順番を見出したい まだ入っているビニール袋に間違えて捨てたい
こちらはデータ版です。 以下はテキスト版です。 木製のサラダボウルが回されて四人目までが取りすぎている 海老天がはみ
『R-1グランプリ2023』の準決勝に進出しました。 ありがとうございます! 今すごくうれしいです。去年こういうことを書いていました 去年と同じルミネtheよしもとで、楽屋から舞台袖までは去年よりも少し視野に余裕を持っていられました。誰がいらっしゃる、とかが分かりました。R-1の予選恒例の「荷物を全部持って移動してください」にいつも通り手こずりました。 舞台袖まで進むと、舞台の様子が見えてきます。去年舞台に立ったときは広さにびっくりして「海」と思ってしまったので、今年は
ダウンの上にダウンを着て家の近くを歩いていると公園があって、小学生くらいの子どもたちが半袖で走り回っていた。公園の木の枝に2羽のカラスが止まる。 「カラスだ!」 「カラスが来た!」 「一緒に遊ぼー!」 カラスはカー、ではなくグゥゥ……と決まりが悪そうな声を出す。そうだよな、と思って、急いで帰って、ジャージに着替えてランニングに出た。カネコアヤノの新しいアルバムが聴けるようになっていたのでそれを頭から再生する。手が凍るように冷たくて、信号待ちのたびにポケットに手を突っ込んだ。肌
僕の短歌5首連作「イメージ」が『第一回粘菌歌会賞』を受賞しました。ありがとうございます! 他に応募していた「イルカショー」と「ぶん」も最終選考に残していただきました。選考の様子が文字起こしされていて、その記事の公開をライブの合間に知りました。うれしい気持ちで引用リツイートしたのですが、しばらくいいねもリツイートもされず、いいねじゃないのかよとしょんぼりしました。どうやらその時間に金曜ロードショーで『ハウルの動く城』が放送されていたようで、放送が終わったであろう23:30ごろか
2022年を振り返ります。特筆すべきことがない月には好きな食べ物を記入します。 1月 「R-1グランプリ2022」準々決勝進出 2月 「R-1グランプリ2022」準々決勝敗退、「第4回笹井宏之賞」最終選考 3月 焼きなす 4月 コガラシガーナ解散 5月 寿司 6月 「第65回短歌研究新人賞」最終選考 7月 「キングオブコント2022」1回戦敗退、TikTokバズる 8月 「M-1グランプリ2022」2回戦進出 9月 「M-1グランプリ2022」2回戦敗退、『ナナロク社 第2
始発が動く時間になったので店を出る。新宿歌舞伎町のビルの2階の居酒屋を降りて、新宿歌舞伎町を歩く。早朝の新宿歌舞伎町は人よりも鳥が多く、店の看板がぎりぎり外より明るい。通りは灰色の空洞のようになっていて、そこに人が溢れて初めて完成する街であると思わせる。新宿歌舞伎町のカラオケ店から宣伝用の音が聞こえる。みんなでカラオケに行って楽しもう、という旨だったと思う。曲も流れてきた。MONGOL800の『小さな恋のうた』だ。新宿歌舞伎町の向こうから、20代前半っぽい5人組が肩を組んで歩
先日、小松海佑さん単独公演 「蔑ろにされる魂の種類」を観させていただきました。終演後に春とヒコーキ土岡さん、マタンゴ高橋鉄太郎さん、町ルダさんとサイゼリヤに集まって「さっきのは一体……」と壮大な心霊体験を振り返るように話し合いました。 できるだけ多くの人が乗り込めるように、出発するときには出発しますと言って、座席や手すりや吊革に重心を預けることを誘導する場合が多いのですが、小松さんはそれを(おそらく、あえて)全くしない。いきなりトップスピードで、もうすでに走り始まっている
早稲田松竹で『映画大好きポンポさん』と『ハケンアニメ!』を観た。ほんとうに良かった。『映画大好きポンポさん』の「切る」の表現、『ハケンアニメ!』の高野麻里佳さんの落ち着いた話し声、素晴らしかった。おれの映画じゃん……と思った。 外に出ると、ホッピーの幟が出ていた。大学生のとき、まだあまり話したことのない後輩が「わたしもブルーハーツの『街』が好きで、」と話しかけてくれた日のことを思い出した。もう戻れないと思っていた時間に、たまにこうして、戻ることができる。 油そば屋が整理券
10月15日夜。人力舎の先輩である大仰天・木場さんから「8月23日のお昼にライブやりたい人いますか?」とグループLINEに連絡があった。すぐに挙手はしなかったものの、もしやるとしたらどんなライブをやろうかな、と何となく考える。 10月16日夜。木場さんから「上記の件、誰もいませんか?」と再びグループLINEに連絡が。誰もいないのだったらやってみようかな、でもどうしようかな、と迷う。日課にしている(!)夜のジョギングをする。走りながら不意に「あ、新作コント10本ライブやろう」