Withコロナ時代の採用・組織論 ~今経営に求められるHR戦略と処方箋とは~
こんにちは。MyRefer代表の鈴木(@takafumi_szk) です。
弊社MyReferでは、2015年よりリファラル採用を活性化させるクラウドサービスを中心に企業様のおすすめしたい組織づくりをサポートさせていただいており、現在はその先の世界観にあるファンベース採用を実現する仕組みに注力しております。
今回はそんなおすすめしたい組織づくりをサポートしている弊社だからこそ、またHRTech市場に身を置くいちスタートアップ起業家として、これからのHR市場に何が起こり、何が必要になるかを考えます。
現在や未来を考えるうえで、過去に目を向けることが重要です。
本ブログでは、リーマンショックの状況を踏まえ、経営に資するHR戦略のあるべき姿の全体像を考え、最後にコロナショックにおけるコストカットや企業生産性向上の処方箋をご紹介します。
マクロトレンド:不況に対する、コストカットと企業生産性向上の必要性
まずは不況下にある企業のHR戦略について、過去リーマンショック時に各社が取った採用・組織戦略のファクトをもとにマクロな観点から考えます。
下記スライドがリーマンショック時の日経平均の推移(左側)と有効求人倍率・完全失業率の推移(右側)になっています。
これらの推移によると、左側・日経平均株価が二番目の底を記録した2009年3月以降も、有効求人倍率は半年間下がり続け、完全失業率は上がり続けていることが見て取れます。つまり、採用市場においては基本的に株価が最底辺をついてから最低でも半年間は落ち込み続ける傾向にあることが分かります。
株価が上がる兆しが見れたとしても、その変化が一過性のものなのか、長期的なものなのか経営者でも読めないため、様子を見る期間でもあるのでしょう。
そう考えると、仮に新型コロナウイルスの感染拡大が終息してからも最低でも半年間(今回で言うと2020年11月くらいまで)は採用市場が落ち込み続け、各社が採用に本気で踏まずに一部自粛することが予想されます。
リーマンショック時は、多くの金融機関が債務超過に陥り、大手企業でさえ資金がひっ迫しました。株価下落によりバランスシートが痛み、多くの企業で求人を凍結・無期限停止し、リストラを発表する企業も見受けられました。しかもこの現象は2年後の2010年まで続きました。
人材業界もそれに引っ張られるように業績にインパクトし、多くの総合人材会社の業績が、前年同月比の50%というカオスな状態でした。当時のIR資料を拝見すると、大手人材会社のJAC社はコストカットと生産性向上にシフト、マーケット選別とハイクラス人材へのアプローチ強化により、筋肉質な戦略を実施。エン・ジャパン社はウエディング事業や、教育関連事業などの事業領域を拡大することでポートフォリオを分散させる取り組みが見受けられました。
これらの過去の歴史を参考にすると、コロナショックに対する各社のHR戦略として、コストカットと企業生産性の向上が大きなテーマになると考えられます。
コストカットのために採用人数をシュリンクするとしても、企業活動を行ううえで業績を維持しなければならない。
そのためには企業生産性、HR戦略で言うと社員の一人当たり生産性を高めることが求められるでしょう。
では、企業生産性とはそもそもどのように高めていけばいいか?
過去リーマンショック時、大手企業各社でとられた採用・組織戦略のファクトをもとに整理してみます。
企業生産性の向上としてのHR戦略は、基本的に外部施策と内部施策に分かれます。
- 外部施策としては、そもそも足元の低生産性人材はとらない。若い人材のポテンシャル採用を凍結させる企業も出てきます。そして高生産性人材をとる。高生産性人材とは、専門性の高い人材や、入社直後から業績を上げてくれるような即戦力人材。またはカルチャーマッチ率が極めて高く一緒に走ってコミットメントしていける人材です。
- 内部施策としては、高生産性人材を留めること、
低生産性人材を配置転換や育成研修により生産性を高めさせることが重要になります。低生産性人材は自然と辞めていく傾向にありますが、業界によっては一時的な休業やイグジットを進めるケースも出てくるでしょう。
これらが不況下において企業生産性の向上を考える際に、過去取られてきたHR戦略です。一方で、今回のコロナショックはリーマンショックと大きな違いがあります。もちろんはたらく個人の志向性も変化していますが、それ以上に大きな違いは、未知のウィルスとの戦いにより
『ヒトとモノの移動がスタックする』
その結果、外出自粛、営業活動自粛によりテレワークや休業が余儀なくされ、ソーシャルディスタンス、さらにはマインドディスタンスが大きく離れてしまうということです。
ここからはミクロトレンドにはなりますが、HR観点でいうと非常に大きなテーマです。
ミクロトレンド:テレワーク下での社員の帰属意識低下を防止する
直近のミクロの話でいうと、新型コロナウイルスの外出自粛によって東京都で33%の企業がテレワークを推進しています。
テレワークの推進による課題として「孤独を感じる」、「同僚とのコミュニケーションが減る」などが言われており、会社に対する帰属意識が低下していくと考えられます。
さらにはテレワークだけでなく、世の中全体の自粛により社会との距離感が広がり、中長期的な退職リスクや生産性低下のリスクもあります。
この状況下では、帰属意識が薄れていくなかでいかに社員のエンゲージメントを高めていくかが重要になるでしょう。
エンゲージメントの構成要素はハード面とソフト面に分かれます。
ハード面の働き方改革の残業規制や給与水準などだけでは、エンゲージメントを下げない要因にしかなりません。エンゲージメントを高めるためには特にバリュー浸透や当事者意識の醸成、成長機会の提供などのソフト面が重要です。(※エンゲージメント=企業と社員がお互いに貢献しあう概念)
まとめ:企業の生産性を高める経営とHR戦略
景況感の見通しが悪くなると、各社採用を縮小して“守りの採用”のみを実施することが往々にしてあります。しかし、経営を加速させるためには、経営とHR戦略を連動して生産性向上・エンゲージメント向上の両方にアクセルをふむことが大事です。
不況のなかで生産性の高い人材の採用や既存社員の育成・配置転換などを通じて企業生産性を向上させ、社員の帰属意識が薄れるなかでもビジョン浸透や当事者意識の醸成を通じてエンゲージメント向上へ取り組むべきです。
我々はリファラル採用3.0(ファンベース採用)において、社員が自発的におすすめしたくなる、社員がファンになるためのメソッドをお伝えしておりますが、リファラル採用はまさに当事者意識を醸成し、採用上も生産性の高い手段の一つと言えます。
withコロナ時代を乗り越える採用戦略の処方箋のひとつである“ファンベース採用”
当社ではおすすめしたい組織づくりから考えるリファラル採用(ファンベース採用)を推進しておりますが、これらはコストカットと生産性向上の双方を実現可能です。
◆コストカットについて
社員のつながり経由で採用した人は双方にミスマッチが少ないため離職率が1/3以下になり、転職市場に出てこない優秀な潜在層を採用することができます。コストカットは言わずもがなですが、外部採用チャネルに比べてコストが大きくおさえられ経営にとってかなり大きいインパクトになると思います。
※実際に弊社MyReferでも、FY20の採用戦略はほぼすべてリファラル採用に振っており、それだけで2000万円以上のコスト削減を見込んでいます。
◆生産性向上について
生産性の向上については、マッチ率の高い人材の確保という観点もありますが、何より皆で仲間集めをすることで全員のエンゲージメント向上に寄与します。前提としておすすめしたい組織でないとリファラル採用が起こらないと考えられますが、一方でリファラル採用を本質的に推進するほど社員が自社を語る機会が増え、結果エンゲージメントを高めていくこともできます。
自分自身が「なぜここで働いているのか?」「この会社のビジョンは何か」といったことを内省して話すことで当事者意識が芽生えるためです。
ですので、HR戦略としては、社員がいかに知人友人に自社を語る機会や場を提供してあげるかが重要になります。
今はオンライン飲み会などでも社外の人と話す機会も増えていますが、このタイミングで自分のキャリアを見直している人も少なくありません。弊社とお客様企業ではリファラル採用のオンライン飲み会について会食費を支給する制度も始め、リファラルの場の提供とコミュニケーション機会の創出を同時に回しています。
こうやっておすすめしたファン社員の声を集めて社内で共有することで、おすすめしたい組織づくりへと還元されていき、エンゲージメント向上とリファラル採用のサイクルをまわしていくことができます。
最初に申しましたとおり、MyReferは2015年にリファラル採用を日本に先駆けて提唱し、600社以上のユーザー様のご支援をしてまいりました。さらに現状は、会社とつながる全員をファンにする「#ファンベース採用」として、リファラル採用を入り口に社員のエンゲージメントを高める、本質的なおすすめしたい組織づくりを支援しております。
未曾有のパンデミックの中でも、HRテックサービスとコンサルティングを通じて経営を前進させる支援をすることで、日本のはたらくをアップデートしていきます。もし経営に資するHR戦略全体のコンサルティングやリファラル採用の導入強化検討したい方がいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡ください。
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