僕はWBSが作れない
「このタスクを、いつまでに、誰が担当して…」という例のアレだが、僕はこのWBSを作れない。そもそも作る気がしないと書くと元も子もないが、仮に作ったら「みんなが爆速で、何のトラブルもなく進行したら理想はこうだよ」というものができる。
腕の立つディレクターは、そんな理想通りに物事が進まないことを知っているので、ある程度バッファを持たせて作るという。
バッファ…僕が一番理解できない言葉だ。余裕を持たせて、ゆとりのある進行を心がける、バッファを持たせた工程表。
バッファについて思うこと
僕は、ここで不思議になる。
理解ができないので混乱する。
例えば、プロジェクトをまとめるディレクターの配下に、UXデザイナーやらIAやらエンジニアなど、大規模開発になると関係者だけで数十名の部隊になることだってある。
その時、デザイナーAさんとBさんでは、持ち合わせているスキルも、タスクというかプロジェクトに対する熱量も全く違う。その異質のもの同士を「丸めて、勝手に平均化した」状態で取り扱って、一律なバッファを設ける(はず)。
それは、Aさん、Bさんの作業に向かうギアを無視したバッファであって意味がないし、仮に僕がバッファを与えられたら「この作業10日もかけていいの?じゃあ、後回しで別のことやろう。」となって、Youtubeで井上尚弥選手の動画を見ながら、ファイトIQの研究を始めてしまう。
だから、仮に、僕がWBSを作ったとしたら。
みんな自分と同じだけの熱量で、ギアも3段変速以上持っていて、言語よりも絵で物事を考えられるタイプに通じた工程表を作ってしまう。
その人の本当のところは誰にもわからないので、あくまで自分基準で作ることになって、前述した「理想はこうだけど、そんなのありゃしないよね」というWBSができるわけだ。
ビジュアルシンカー
僕は物事に取り掛かる時、一番最初に絵が思い浮かぶ。
一般的には、言語で考えをまとめていくのが普通らしい。それを知ったのは昨年のことで、僕にとっては衝撃だったから、下記のnoteにまとめておいた。
僕がWBSを作れない理由は、この思考タイプも影響していると考える。というか、絶対そうな気がしてきた。
上記のNoteでも書いた通り、僕は文字を使って階層的にまとるスケジュール管理を、これまでやってきたことがない。頭の中を言語化するのが難しいが、もちろん脳内に工程表なんてないし、今やるべきことが輪郭の縁に向かって膨れているイメージしかない(※詳しくは上記のnoteを参照)。
だから、ディレクターが作るWBSを見たら、ここから何を読み解けば良いのかわからない。中には、進捗率80%とか、残工程3とか、ますます混乱するキーワードを見つけると吐き気がする。
そのアウトプットが、完全で完璧な純度100%になることってあるんだろうか。特にIA的な構造化と導線設計をしている時、それを成立させるパターンは無数に存在する。「一旦、これでいきたい!」と導いた解も、あとで気がついてやっぱりここはこうしたい…と変更したくなる。時間の経過とともに、新しい情報がやってきて、その前提ならこう組み替えようという作業を行ったりする。
そう考えると、その誰かが書いている「進捗率80%」の意味する、とても曖昧でまやかしのような言葉にどんな意味があるんだろうと考える。
みんな安心したいだけなんじゃないだろうか。
「今、ここまで進行していますからね。それは80%終わってます。あと残り僅かです。」という言葉に含まれたいい加減さを忘れて、独り歩きした「80%」を盲信したい。
そんな気がしてくる。
と、ここまで書いて次のミーティングがあるので移動しよう。