2021.6.11 研究開発第2弾「しっとり感のあるそば粉」
6月11日(金)
今日は、うちの会社の研究開発についてお話しします。
すでにお伝えしていますが、現在は、
慶應義塾大学・県工業技術センターと共同研究しています。
貯蔵中の経年変化を追跡しながら、そば粉の製麺性に関する品質を追求する研究です。
今回さらに、もう一つ別の研究開発を立ち上げたいと考えています。
内容は・・・
石臼挽きのそば粉は、なぜ「しっとり感」が出るのかををつきとめて、
さらには、石臼以外で簡単に「しっとり感」を再現できないかを探る
・・・という研究です。
ところでみなさん、なぜ石臼粉がしっとりするのか考えたことありますか?
水分が一緒で、原料の品種産地も一緒、色も同じ、タンパク質やでんぷん等の成分も同じなのに差が出るのはなぜでしょうか?
で、仮説を立ててみました
・10μm位の微粉が多いから →粒度分布が細かいとしっとりするから
・タンパク質が微粉になっているから →甘皮が挽けるとしっとりするから
・粒度分布がちょうどいい →石垣状態
・断面形状が違う →顕微鏡で見ると違いがある
・大粒に微粉がまぶされている →顕微鏡での違い、ブレンディング効果
この研究で一番問題になるのは、「分級」ができるかどうかです。
「分級」というのは粒度毎に分けるということです。
粒度が大きいと篩で分けられるのですが、
10~20μmの微粉を簡単に分けられるかどうかです。
ターボのような遠心分離が簡単にできるかどうかです。
これが出来れば、現状のそば粉の詳細分析ができるし、微粉部分を足しこむ事が出来ます。
ウエストのミクロパウダーや気流粉砕を使う事も考えています。
今までのそば粉のブレンドは、1番粉2番粉といった取り分けや、製粉機違いのそば粉を取り分けてブレンドしていました。
これからは、粒度違いの、しかも微粉域の粉を足したり引いたりが出来ると、
もしかしたらそば粉の未来が変わるかもしれません。
こういう研究を行いながら、とことんそば粉に向き合う事で、そば業界の未来を切り開いていきたいと考えています。
それでは本日もよろしくお願いいたします。