2021.6.7 「初心忘るべからず」の意味が深い

6月7日(月)
今週、私も誕生日を迎えて55歳になります。
人生半ばをとっくに過ぎた訳ですが、
今日の話題は、最近とっても大事にしたいと感じるようになった言葉の話です。

実は2年前の朝礼でも取り上げた言葉なんですが、その言葉というのは・・・
「初心忘るべからず」

これは、室町時代の能の大家だった世阿弥の言葉です。

ところでみなさん、この言葉どういう意味で使っていますか?

「始めた頃の志を忘れないでずっと持ち続けましょう」・・・という感じですかねぇ?
でも、本当はもっと深くて、繊細な意味を持っている言葉なんです。


「初心」≠「最初の志」で、「初心」=「未熟さ」なんです。
つまり、始めた頃や若い頃を思い出せと言う話だけではなく、人生においてさまざまな年齢や経歴で、今持っている「未熟さ」を自覚しなさい
・・・という意味になります。


もう少し深堀りすると・・・
この「初心」には「3つの初心」があるそうです。

①若い時の「初心」
若いだけで、まわりからちやほやされます。容姿、体力も優れています。
でもそれって真の実力ですか?
そこでうぬぼれないでしっかりと精進しないと、進歩が止まるということを言っています。

例えば・・・
プロ野球で剛速球ピッチャーが、若いうちから大活躍したりしますよね。
でも速球だけに頼って2、3年で勝てなくなる人って結構多くないですか?
逆に、その間コントロール、変化球、投球技術を身につけた人は、ベテランになっても、故障がちになっても活躍できる・・・こんなイメージかと思います。

②道半ばの「初心」
体力的にもピークを過ぎたときの初心です。
年齢に応じてその都度訪れる壁(=未熟さ)があることを意味しています。

③老後の「初心」
年を取ったからと言って、「もういい」ということではなく、
老いてからも初心(未熟さ)を自覚することが大切と説いています。

つまり、
人生の折あるごとに古い自分を打ち破って、新しい自分に生まれ変わりましょう。
初志貫徹ではなく、日々バージョンアップしましょう。

という言葉なんです。

人は、年齢や経験で求められる能力が変わってきます。
それに応じた「初心」があり、乗り越えていく事が、人間に求められているのだと思います。


それでは今週もよろしくお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?