山形期待の新品種「山形BW5号」をご紹介します!
今回は、山形県の新品種「山形BW5号」を取り上げます。
山形県期待の新品種がやっと販売できるようになりました。
まだまだ知られていないこの品種について、その特徴や想いをまとめてみました。
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〇どんな品種なの?
山形県農業総合研究センターにて、山形で人気の「でわかおり」を母方に、全国的に人気の「常陸秋そば」を父方に交配しました。その中から、多収で倒伏しにくいものを選んで育てたものです。
粒の大きさは、大粒の「でわかおり」よりもやや小粒になりました。甘皮の緑色もでわかおりより強く出ます。
育種中は「山形そば5号」という名前でし、品種登録の際「そば」という名前が使えないので「buckwheat」という英語に置き換えて「山形BW5号」としました。
ちなみに「でわかおり」は「山形そば4号」として育種されたので、その後継という意味合いが込められています。
なぜ「でわかおり」のような、分かりやすい名前がつかなかったの?
最近のそばの新品種は、九州沖縄農研センターの「NARO-FE1」や長野県の「長野S8号」のように育種にちなんだ名前で登録して、愛称名で販売しようという動きがあります。栽培地毎のアピールとしてそれぞれ愛称名をつけたいという想いを尊重しているようです。
例えば、長野S8号は「ひすいそば」という愛称名があります。お米の世界では「山形95号」を村山市では「村山日和」、尾花沢市では「雪きらり」、全農山形では「ひだまり」等々、それぞれ愛称名をつけて販売しています。
弊社としてもこの品種に愛称名をつけようか迷いました。山形芸術工科大学の先生に相談までしたのですが、県内で愛称名が乱立して混乱するのをさけるため、登録名の「山形BW5号」のまま販売させていただくことにしました。
ちなみに、鶴岡市宝谷地区では独自に「でわ宝」という愛称名をつけています。
〇どこで栽培してるの?
「でわ宝」の鶴岡市宝谷地区は、育種中からこの品種の種を増産してきました。今回はこの地区の「山形BW5号(でわ宝)」を限定販売いたします。
鶴岡の市街地から離れた山里で、伝承野菜等の栽培も行われているそばの里でも有名です。2020年に撮影した、ドローン映像をお楽しみ下さい。
なお、当地区は「令和2年度大32回全国そば優良生産表彰(主催:日本蕎麦協会)」で「全国蕎麦製粉協同組合理事長賞」を受賞しました。
私は「全国蕎麦製粉協同組合」の理事を務めているのでとても嬉しく思います。
それ以外の地区でも、天童、高畠、酒田等で栽培しているようです。今後はいろいろな産地をご紹介できればと思っています。
〇美味しいの?
美味しいかどうかは、ぜひ食べてみてください!
2020年は9月に業務用販売させていただき、大変ご好評をいただきました。
このポスターが目印です。
また鶴岡のお蕎麦屋さんでは、鶴岡市の試みとして「新そば」と「年越し」の時期に販売させていただきました。とてもご好評いただいたので、鶴岡市では長い期間続けて提供したいと考えていらっしゃいます。弊社では、他の産地や工場のラインの関係で対応できるか検討中です。
2020年産は打ってみたところ、やや加水が入るようですが、製麺後に切れるという訳ではありませんでした。しっかりとした食感と蕎麦独特の香りがほのかに感じられ、私好みの美味しさでした。
参考までに、山形県で行われた食味試験の結果は以下の通りです。
そば打ちをされる方は、この機会に山形県期待の新品種「山形BW5号」を、ぜひお試し下さい!
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