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米国での太陽光発電は蓄電池との併置型がさらに拡大へ~EnergySage~

米国で太陽光発電導入に係る一括見積サービスを展開するEnergySageがインサイトレポートを発表しました。最近時の状況として導入機材の低価格/品質向上が見られ、ローン金利上昇/手数料低下から各事業者の営業攻勢が高まっている点がみられます。この流れでCA州が先導していたトレンドが他州にも拡大しそうな公算であります。

1;EnergySageのレポート

 住宅用太陽光発電/蓄電池のマーケットプレイスを展開するEnergySageがFY24/上期のインサイトレポートを発表。自社事業基盤からの洞察で、住宅用太陽光発電/蓄電池セクターの最新トレンドを把握することのできる定期レポート

 24/上期は[太陽光発電パネルの価格下落][継続的な高金利][蓄電需要の急増]などが特徴的で、業界が転換期にあるとする。加えて下期には更に太陽光発電/蓄電池の価格低下/品質向上/資金調達の幅が広がって利便性が高まる可能性が高いとも指摘
 今回のレポートは19回目で、24/01~24/06にかけてEnergySage.comでの取引データを分析。ベースは太陽光パネル/インバータ/蓄電池などを購入した住宅所有者からの数百万のトラフィックデータ。
 同社基盤に米国で大規模/全米を範囲に事業展開する施工会社は参加せずで、全米市場を100%反映していないがトレンド把握は可能で示唆に富む

 EnergySageの社長/COOのCharlieHadlow氏は下記のように述べてレポートの意義を強調する
 -[EnergySageは、最大限の透明性を推進して消費者がPF上で高品質のサプライヤーを見つけらべく設立された]
 -[このレポートはパズルの1ピースに過ぎず、業界関係者がシグナルとノイズ、事実と虚構を区別するのに役立つ]

2;レポートでの3つの洞察

(1)太陽光発電パネル/蓄電池価格は過去最低水準
 太陽光発電の買取価格は2半期連続で下落、2.69ドル/Wで2014年以降最低水準に。蓄電装置価格も見積ベースだが、1,133ドル/KWとなる過去最低を更新
 EnergySage の洞察担当ディレクターである Spencer Fields 氏のコメント
 -[太陽光発電の価格設定は極めて重要な時期に来ている。継続的なコスト削減を通じて、より多くの住宅所有者が切り替え可能な水準にになった]
 -[最低水準の価格と消費者優位な資金調達オプションの組合わせで、より広範な採用の新たな機会が生まれている]

2)蓄電装置の購入が急増
 FY24上期に[太陽光パネル][蓄電池]を一緒に購入する住宅所有者の割合は34%に。CA州で顕著な傾向で、24/04に同州がNetBillingTariff(余剰電力買取制度)を導入して以降、蓄電装置接続率は70%にまで上昇
 他州でも災害による蓄電池の必要性/マネタイズ/セットアップの簡易性などから22%に急上昇
 EnergySageのアナリスト;Emily Walker 氏は複合要因により蓄電需要が高まっているとする
 -[政策の進化/リチウム価格低下/エネルギー回復力への需要などにより、蓄電池需要は大幅増加している]
 -[全国的な接続率の高さは、より多くの住宅所有者が経済性/エネルギー自立性を優先していることを示している]

(3)設置業者は、金利が高くコストが低いローン商品を見積り
 FY23/下期~FY24/上期にかけて[金利上昇][ローン手数料下落]となり、設置業者/仲介業者は営業攻勢をかけている。上記期間の平均金利は[5.5%]から[7.49%]に上昇、平均ローン手数料は[47%]から[40%]に低下
 FY24/上期の最多見積りローン商品は[手数料なし/7.99%/20年]であり、金利上昇/手数料低下につながった

3;その他

 EnergySageは太陽光発電システムのオンライン一括見積サービスを展開しており、蓄電池併用を含む太陽光発電導入を検討する顧客に比較サービスを展開
 全米42州+DCで太陽光発電設備を販売/施工する会社を審査し、基準をクリアした500社を超える販売・施工会社と提携。WebサイトはDoE推奨も得ており、利便性の高さも相まって顧客から高い支持を得ている
 
 業界は同社にはSunPower/Titan Solar Powerのような有名企業の倒産や強引な営業への批判が強まっており、透明性が求められる中で重要に。

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