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NorthVoltが米国でChap11申請、事業再編へ

欧州LiB業界を牽引してきたNorthVoltが米国でChap11を申請して財務状況の整理を行う方針です。
同社は24/06のBMWとの契約破棄以降に空中分解、レイオフ/設備売却/減産を続けてきましたが、月に1億ドルといわれる資金流出の止血に目途がつかず今回申請に。
ただ、大株主のVWによる救済や欧州での供給網意地に向けて政府も動く可能性があり、今後の動きには注視が必要です。

https://www.reuters.com/technology/northvolt-files-chapter-11-bankruptcy-us-2024-11-21/

1;NorthVoltがChap11申請へ

 11/21に欧州バッテリー新興のNorthVoltが米国でChap11申請を行うと発表し、欧州EV業界に衝撃が。報道では1億ドルが毎月流出する財務状況の整理、事業継続を行うために必要な措置とされる
 先だって11/20に取締役会は主要施設監督責任者(兼製造子会社;Northvolt Ett会長)に再編専門家であるPaul O'Donnell氏を任命。社内文書によると社内生産目標の未達/工場生産の削減が実行されているとも報じられていた

 同社広報部門はODonell氏の任命についてコメントをしたがChap11についてはコメントせず
 [困難な時期を乗り切るために、取締役会に再編経験の豊富な人物を加えるのは理にかなっている]
 [同氏はBlackStoneでのキャリアと複数回車での社外取締役の経験から、豊富な経験を持つ]

2;苦境のNorthVolt

 これまでEU/欧州加国国支援を受けて資金調達/製造強化を行って欧州バッテリー業界を牽引したが、24/06のBMW契約の違約で事業が逆回転。
 24/06にBMWは契約通りバッテリー納入が為されず20億ドルに及ぶ契約を破棄。その後は24/09に従業員1600名のレイオフを実施し、24/11には北米製造拠点をLiS電池新興のLytenに売却していた

 NorthVoltは直近23年には12億ドルを調達し、これまでの総調達額は142.6億ドルに及ぶ…
 2010年代に米国ではA123Systemsが同じような動きで破綻、LiB製造には化学/製造/設備/品質等に関する深い知識/知見が求められ高コストになるのは定番。既存企業でも10億ドルに及ぶコストに悩まされており、NorthVoltの今回の破綻劇もLiB製造への実行力/コミットメントの少なさに起因するともみられる

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