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利便性追求のレンタカー新興;Kyteが事業縮小/レイオフで事業再構築へ

車両の配車/引取をスタッフが代替して利便性の高いことで有名なレンタカーサービス;Kyteが事業再構築に動いています。
今回の再編では事業縮小/レイオフで構成され、事業規模は半分以下になりますが同時時に資金調達には成功したとのこと。
利便性の高さには定評があるため、今後の事業再構築の行方に注目が集まります。

1;Kyteによる事業再構築

 [Hertzの代替]を自称するレンタカー新興;Kyteは人員削減/事業縮小を行い、今後18か月で収益計上を目指す。今回はエンジニアリング/CS/プロダクト部門を中心に全従業員の40%-50%を削減、さらに事業展開はSF市/NY市に限定、11/8にLA市から撤退する(既にアトランタ/シカゴ/ボストン/ワシントンDC/フィラデルフィア/シアトルから撤退済み)
 Kyte;CEOのNikolausVolk氏は今回の事業再構築について以下のコメント
 -[今後18か月で収益性向上に向けてSF市/NY市のみに事業縮小、LAの事業は11/7以降には停止する]
 -[資本アクセスが厳しく制限された環境下では、最も強い市場に事業を絞る必要がある]
 -[事業維持には困難な決断だったがNY市/SF市は収益の70%を占める最大市場だった]

2;Kyteの事業失敗…

 Kyteはレンタカー事業から[シェアリング/電動化/自動運転フリートマネジメント]に拡大すべく動いてきたが、完全に頓挫…。Equityは22年までに6900万ドルを調達、Debtは[22年にGolemanSachs/Allenから2億ドル][24年にBarcleys/WaterFallから2.5億ドル]を調達してきた
 事業拡大にあたって急激に車両購入/市場展開を進めてきたが、24年夏までにKyteのユニットエコノミクスが十分に機能していないと明らかに。事業売却も検討したが収益性向上を優先して再編することに決めたとのことでVolk氏は下記コメント
 -[広げ切った兵站を縮小/撤退してのみ実現可能と考え、再編に至った]
 -[最近、再編事業に資本を投入するための新たな資金調達を完了したが、金額はまだ明らかにできない]

3;レンタカー業態のEVへの対応

 レンタカー/カーシェア業界はEV普及の中で厳しい状況。Hertzは21年にレンタカー車両をEV化すべくTeslaを10万台購入すると発表。結局3.5万台の購入に留まり、その大半を24年夏までに売却処分した。AutonomyはレンタカーでEV2.3万台体制を構築する目標を掲げたが、遠く及ばず。24年初めにSWサービス/データ販売へ事業転換を実行
 Kyteも2022年ごろにはEVシフトを謳いつつも実行はせず今に至ったが、Volk氏はシフト頓挫が今回の再編に良い影響を齎したとする
 -[振り返ると、EVの残存価値低下で多額の資本を失わなかったのは非常に良かった]

3;Kyteとは

 Kyteは2019年にSF市で設立されたレンタカー配車サービスで、ユーザーが指定した場所までレンタカーを届ける点を特徴とする。都市生活者にレンタカーを取りに行く手間を省く利便性の高さが差別化ポイント
 ユーザーがレンタカー予約するとKyteスタッフが指定場所まで配車、利用後もスタッフが指定場所に車をピックアップしに来るため、返却の手間も省ける。最大の利点は[時間の節約][移動のストレス軽減]で、従来サービスでの移動手間/手続きをスキップ出来ている点が支持を集める

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