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EUがNorthVolt救済へ基金設定するも時間切れは近づく…

欧州委員会は新体制発足に際して域内経済強化に向けて、環境配慮型ビジネスの供給網整備にむけて政策基金を設定しました。
最近時ではNorthVoltがChap11申請するなどで欧州企業が衰退しつつある中、中国勢の更なる浸透を防ぐべく重い腰を上げました。
ただ、NorthVoltは年末までに事業売却を模索するなど、時間切れが迫る中で救済措置とはならなそうです。

https://www.reuters.com/business/northvolt-seeks-sell-electric-industrial-battery-business-by-year-end-2024-12-04/

1;欧州委員会のバッテリー産業補助策

 EU傘下の欧州委員会はクリーン経済実現に向けた46億€の政策パッケージを発表。欧州委員会の新体制発足に伴うもので、[ネットゼロ技術][EVバッテリーセル製造][再生可能水素]にフォーカスを当てる。補助金申請は25/04/24までとし、採択企業はFY26-1Qまでに契約署名が必要。

 特に新興EVバッテリー補助には10億€を当てており、明言はしないがNorthVoltの救済策とされる。ただし、部材/素材の供給元制限なども付随しており、基幹的にNorthVolt救済には間に合わないともされる

 欧州委員会でクリーン経済/移行を担当するTeresa Ribera氏は適用条件を強調している
 -[3つのカテゴリ全てで欧州産業を底上げするために新しい回復力(レジリエンス)基準を含んでいる]
 -[EVバッテリーと水素事業に関しては、単一サプライヤへの依存回避に向けた条件も設定する]

2;欧州のバッテリー産業の状況

 欧州でGreen-Dreamと呼ばれたNorthVoltは24/06以降に資金難に陥っており、レイオフ含むリストラを暫時実施してきたが24/11にChap11申請。
 事業再生策について金融機関/投資家と合意に至らず申請に至り、現時点では口座に1週間分の現金しか残っていないとされる。多額投資による事業拡大を先導した創業者/CEOのPeter Carlsson氏は最近辞任、Chap11申請時点の負債額は58億ドルとのこと

 Reuterによると12月末までの事業売却に動いているが、欧州経済にとっては手痛い失敗に…。同社はEUが実行するGreenLoanの最大受給者であった

 欧州委員会は下記の通りコメントし、地域内の供給網整備に向けたサポートの拡充を強調している
 -[欧州のバッテリ供給網が直目する経済障壁の克服には複数手段が必要で、委員会はアクセス性/期間/規模などで多様なオプションを用意して障壁克服のサポートを行う]

 中国への過度な依存からの脱却を目指した環境配慮型のEVバッテリーの供給網構築に向けて動くが域内企業は総じて厳しい…。Automotive Cells CompanyはStellantisが支援するが独/伊両国での工場建設を中止、VWも欧州/北米のバッテリーセル工場の建設計画を縮小している

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