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Musk氏も発想のベースとする第一原理(First Principles)とは
トランプ次期政権で政府業務の効率化に向けて提言を行う[DOGE(Department of Government Efficiency;政府効率化省)]を率いるMusk、様々なビジネス/取組に注力しておりますが、彼の発送の源流にあるといわれるのが[第一原理]と呼ばれる物事の本質見極め/常識に捉われないゼロベース発想であります。
考え方自体はアリストテレスが提言したものですが、複雑化した環境/人為的に複雑になった組織などで先読みしがたくなっている現在だからこそ真価を発揮するものなのかもしれません。
今回は原理の概要とケースを纏めてみました。
1;第一原理(first principle)と
古代ギリシャの哲学者;アリストテレスが提唱した考え方で、いわゆる形而上学で物事の根本真理/数学公理。物事の本質を考えて、その本質(=第一原理)から類推して達成方法を考えるやり方。
対概念として[伝統的思考(conventional thinking)]があり、通常の方法/習慣をもとに類推/模倣/転用して対応法を考える、前例踏襲/他社模倣が代表例。
敢えて一言でいうと、物事/イシューをその根本部分まで分解して最も基本的な原理/真理を見つけ出すことで新たなアイディア/解決策を生み出すアプローチと。強みは従来の前提や固定概念に囚われずに新しい視点で考えられる点にある。
2;第一原理の応用
原理原則に基づいてゼロベースで考えることは様々な場面で応用することが可能で、事業モデルの革新/個人の生産性向上/エネルギー問題への対処など多岐にわたって解決策を生む素地になりえる。
重要なのは、常に好奇心を持って常識/既存のやり方に疑問を投げかける姿勢を持つことで、[なぜなぜ]を通じて本質に迫ることで革新的な解決策を見出す可能性が高まる
3;第一原理思考の3ステップ
1;仮定特定と定義(Identify and define current assumptions.)
取り組むべきイシューを特定、構成要素を分解して複雑な問題の全体像を把握。構成要素を明確にし、要素の基本原理を理解することで従来の常識に捉われないアプローチが可能になる
2;問題の基本原理への分解(Breakdown the problem into fundamental principles.)
分解した要素の根本的な性質/法則を特定、問題の本質理解のベースとする。既存解決策や常識に含まれる前提を洗い出し、夫々を[なぜ??][本当に??]と厳しく吟味。前提を疑うことで革新的なアイデアが生まれる素地を作る
3;ゼロから新しい解決策を導き出す(Create new solutions from scratch.)
[特定した基本要素][問い直した前提]をベースに、ゼロから解決策を構築。既存の制約に捉われずに大胆な考えを生み出すことが重要。
+α;実践と検証
最後に構築した解決策を実行/検証。理論だけでなく実践を通じて解決策の有効性を確認して必要に応じて改善を加えてより良くする。
4;Space-Xに置き換えると
1;仮定特定と定義
[宇宙旅行のコスト削減]を下記のように分解して個別アプローチの素地に
-ロケット製造コスト/燃料コスト/打上運用コスト/人件費/規制対応
2;問題の基本原理への分解
[ロケットの製造コスト]を考えると下記の基本要素が出てきて、従来のロケット開発の常識を覆す解決策に。
-材料の物理的特性/製造工程の効率/スケールメリット/技術革新の可能性
また使い捨てロケットが常識だったロケット業界に疑問を投げかけ
-なぜロケットは使い捨てなのか?
-再利用可能なロケットは技術的に不可能なのか?
-再利用によってコスト削減が可能ではないか?
3;ゼロから新しい解決策を導き出す
そこから[再利用可能なロケット]を提案し、下記のような新しい解決策を提示
-着陸可能なブースターの開発
-再利用のための効率的な整備プロセス
-耐久性の高い材料と設計の採用
+α;実践と検証
SpaceXでは再利用可能ロケット開発には多くの失敗/挑戦が伴ったが、継続的な実験/改良を重ねて最終的に成功。仮に失敗しても得られた知見をベースにプロセスを繰り返すことが重要