見出し画像

NIOのCEOがEVの政治利用に対して警告

NIOのCEOがアムステルダムでのNIOハウス(展示/販売拠点)開業に合わせて会見を行い、EVを取り巻く各国の関税合戦に警告を発しました。
中国国内景気の停滞/需要飽和でデフレ輸出ともされる中国初のEV輸出、欧州でも関税策強化の検討が進んでおり、欧州を主戦場としたいNIOにとっては死活線です。
中国締め出しは米国/欧州と進んでいますが、他国でも進んでいるともいわれ、注視が必要です。

https://www.autonews.com/china/nio-ceo-william-li-ready-adjust-eu-plan-if-tariffs-imposed

1;NIOのCEOによる関税けん制

 5/22にNIOのCEO;William-Li氏はアムステルダムの新しいショールーム開業式典で欧州戦略について述べ、その中でEVの政治利用をけん制。
 -[EVは政治的標的として利用されるべきではない。NIOは欧州での拡大を継続するが、それはそもそも各国の環境目標達成に貢献しうるものと考えている]

 この発言はEUが中国製EVに対する関税を検討、"EU=中国のEV補助金を巡る調査実施"/"中国=輸入品への25%の報復関税を課すと威嚇"という鍔迫り合いが背景に

2;NIOの欧州展開

 会見でLi氏は地域パートナーとEU向け製造拠点を検討するが、条件としてEU域内での販売台数が10万台を予測できる段階でと条件を付けた。調査会社によると23年のNIO販売台数(欧州)は2,404台。 
 今回オープンしたNIOハウス(8階建て…通常は2階建て)はオランダでは2店目で、欧州全域では7店目。当該施設はNIOのEVラインナップを展示/販売する施設
 オランダのEV販売台数は昨急激に伸びており、4年で3倍に達した。(2019年;4.3万台→2023年;12.8万台で、新車販売台数に占める割合は約30%に相当)

3;NIOの新型量販SUV

 NIOは5/23に新型/量販市場向けブランド[Onvo]のEVを発売
 -価格…Onvo-L60(EV-SUV)=30,500ドル、Tesla-ModelY(中国)=34,500ドル
 -CLTC航続距離…Onvo-L60=555Km、ModelY=554Km…
 -スペック…Onvo-L60=[長さ4,828mm/幅1,930mm/高さ1,616mm]、ModelY=[長さ4,750mm/幅1,921mm/高さ1,624mm]

 欧州では恐らく別の話になると考えられ、NIOは25年に大型SUV(EV)を発売する予定で、NIOブランドの4車種(ET9セダン/ET6セダン/ES8-SUV/ES7-SUV)市場投入される予定
 Li氏は[Tesla/BYDが証明したように、製品が正しく作られていれば単一モデルで十分に売れる可能性がある]としている

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?