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Rivianの決算は引き続きの損失拡大…VWとの提携への助走か

米EV新興のRivianがFY24-2Q決算を発表、純損失で14.6億ドルを計上して今年度入り以降で29億ドルの損失が積みあがりました。
本年末までにVWとの合弁会社設立&投資実行が予定される中で、今のうちに事業再編を行って少しでも事業をきれいにしておこうという事情もありそうです。

1;Rivianの決算(24-2Q)

 8/6にRivianはFY24-2Q決算を発表、純損失が14.6億ドルに達した。今回の純損失は1Qに比較すると0.1億ドル拡大し、YoY比較では3億ドルの悪化…。伴って、現金/現金同等物の残高は57.6億ドルになったが、これにはVWからの提携手付金が含まれている
 Rivianは製品ラインナップ見直し中で、第1世代R1トラック/SUVを廃止して、よりコスト効率高い新型モデルに資源を集中投下。経営判断としては正しいが、財務状況は悪化…VWとの提携得られるキャッシュの活用が肝となる
 今後の注力モデルは[改良版R1]で製造工程のシンプルさ/製造コストの安さが特徴で、CEOのRJ Scaringe氏は[この車両を大量出荷して、24年末までに粗利益を黒字化できるはず]とする

 本年に23年と同数のEVを製造/販売する予定だが、事業継続/持続可能性観点から266年発売予定の[R2-SUV]に注目が集まる
 事業継続性観点ではEV以外の事業での収益も注目点で、下記2つが現在は走っている
(規制クレジット)
 2Qで1700万ドル相当の規制クレジットを他社に販売、Scaringe氏によると[他社がEVへの投資を減らしたことで販売機会が増えている]とのこと
(EV充電NW)
 RivianのEVをサポートするEV充電NWを構築しており、今年後半から他EVからもアクセス可能となる

2;RivianとVWの提携

 RivianはVWとの合意に基づいてFY24-4Qまでに合弁会社を設立してEV/SW開発を行い、対価として40億ドルを受け取る予定。JVではRivianがこれまで培ってきた高度な電気アーキテクチャとSWを活用し、R2やVWグループの多様なEVでまず適用され、他社にも拡大する方針
 Scaringe氏はテレカンにてVWとの提携情報については慎重さを示しつつ、CSOが下記のように述べた
 -[Rivianは自社の電子部品/SWスタックを搭載した走行可能な試作車をすでに保有している]
 -[電気アーキテクチャの統合分析の進捗に向けたVWとの連携は順調で、我らの技術がVWの車両ラインナップにどう影響するかがわかってきた]

 発表に先立ってRivianは[保有する電気アーキテクチャ/SWスタックとVWの車両との互換性について重要な作業を完了した]としていた

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