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映画『あの頃。』で思い出した、自分の「好き」に従う大切さ。

目が少し潤んでいるのは、モーニング娘。の隠れた名曲「恋ING」が流れるエンドロールで、思わず涙ぐんでしまったから。

上映中の映画『あの頃。』は、劔樹人さんの自伝的コミックエッセイを、今泉力哉監督がメガホンを取って映画化。
人生に悲観していた青年が、松浦亜弥の「桃色片想い」のMVを見たことをきっかけにハロー!プロジェクトにのめり込み、知り合ったオタク仲間たちと共に青春を謳歌しながら、人生に豊かさを見出していくストーリー。

作品は既にヒットしていて話題になっていますし、気になる人はググってオフィシャルサイトなんかを見てもらえば良いので、ここでは、アイドルにまったく興味が無かった僕がいかにしてハロー!プロジェクトのファンクラブに入るまでになったのかをお伝えしたいと思います。


「熱中できるものがあってうらやましい」と、これまで何人もの人から言われてきました。

作家になろうと会社員を辞めたときは「会社員を辞めてまでやりたいと思うことがあってうらやましい」とか。
初めて書籍を出版したときは「本に書いて社会に伝えたいと思うような題材があってうらやましい」とか。

映画『あの頃。』のストーリーと同様に、僕にもハロー!プロジェクトを好きになったおかげで知り合ったファン仲間がいて、ハロプロの魅力を語り合ったり、いっしょにコンサートへ行ったりしている中で、ハロプロを好きになる前よりも人生が豊かになったのを感じています。
けれどそんなふうに、誰かと魅力を語り合えるほど熱中できる「なにか」にまだ出会ったことがない人の方が、もしかしたら多いのかもしれない。


僕は1986年生まれで、後藤真希や高橋愛らと同世代。
学生の頃はテレビをつければ当たり前にモーニング娘。がいて、歌番組で観るくらいで特にCDを聴いたことはなかったし、ハロー!プロジェクトの他のグループについても一般常識レベルで知っていた程度。

それから時を経て2016年末、加賀楓と横山玲奈がモーニング娘。13期メンバーとして加入すると発表された映像に出会ったことで、僕の毎日は一変しました。

28:48​~のモーニング娘。'16新メンバーサプライズ映像

ハロプロ研修生として約4年間の活動を経てもデビューのチャンスに恵まれず、アイドル活動を辞めようかと考えていた矢先に、悲願のモーニング娘。加入を叶えて、泣き崩れるかえでぃー。
高校生でハロプロ研修生になり、年下の先輩たちに囲まれ、アイドルとしては遅咲きのスタートに不安を抱えていた中、突然のモーニング娘。加入を告げられ嬉し泣きする横やん。

気づけば、僕もスマホを片手に、ぼろぼろ泣いていました。
ああ、彼女たちみたいに泣いて喜ぶほどなにかに熱中すること、最近あったかな。
なにかに熱中する若者の姿は、なんて美しいんだろう。

彼女たちを応援したい。
僕も彼女たちみたいにがんばりたい。
彼女たちに元気づけられたように、僕も誰かを元気づけられるように仕事をがんばりたい。そう思うようになりました。

そう、僕がハロー!プロジェクトに熱中しているのは、アイドル活動に熱中するハロー!プロジェクトメンバーたちの姿に心を打たれたからに他なりません。


振り返ってみれば、2016年末よりも以前から、実はときどきモーニング娘。のことが気になっていました。
道重さゆみがリーダーになった2012年頃も。
ハイレベルなフォーメーションダンスを取り入れて、ステージパフォーマンスのクオリティが格段に上がった2014年頃も。
鈴木香音がダイエットに成功して、圧倒的な美貌でシングルのセンターを飾った2015年頃も。

しかし、折しも世間はAKB48一色。
その頃は、特にアイドルに興味の無かった自分が、よりによってモーニング娘。に興味を持つことが、どことなく気恥ずかしかったのだと思います。

けれど、「なんでもっと早くファンにならなかったんだろう!」と、今はとても後悔しています。
もっと早く好きになっていれば、卒業してしまったあのメンバーのパフォーマンスも、歴史的に語り継がれている伝説のコンサートも、観ることができたかもしれないのに。
「自分はモーニング娘。が好きなんだ」って、本当はもっと前から気づいていたはずなのに。


「熱中できるものがあってうらやましい」
そんなふうに思うみなさんも、熱中できる「なにか」に実はもう出会っているかもしれない。
本当は「なにか」を好きな自分に気づいているのに、「仕事が忙しいから」「お金がないから」と、いろんな言い訳をつけて、見て見ぬふりをしているだけなのかもしれない。

「熱中する」ということは、“「なにか」を好きな自分を認めてあげて、行動すること”なんじゃないだろうか。
時間もお金も大事だけれど、いちばん大切なのは「なにか」を好きになった自分の気持ちなんじゃないだろうか。

そんなことを、映画『あの頃。』は僕にもう一度思い出させてくれたのです。


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