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くねる。くねれば。くねる時。

樹海の方位磁石は、北を指し示すという約束を反故にして、くるくる回りだす。
なんということだ。どちらに進んだら正解なのか、わからなくなるではないか。

辿り着きたい場所があって
歩き始めたけれど、
すぐに道はくねくねと曲がりだし
分かれ道ができ
行き止まる。


情報の樹海で、方角を見失う。
いろいろな説を読むにつけ
共感できる箇所があり、
正反対の主張にさえ
納得する箇所があり
頭は混乱する。

忘れないで。
迷わないで。
最初に決心した私。

自分に合った靴を履いて
自分の道を進む。
それは簡単なようでいて
むずかしい
情報の世界。
子供の頃、
父親の革靴を履いて
ばたばた歩いてみたことがある。
大きすぎる靴では歩きづらくて
すぐに前のめりに転んでしまった。

今一度
胸に手を当て深呼吸する。

立派な主張も
ドラマチックな過去も
なんのノウハウも持たないけれど。
まっすぐ最短距離を行く
効率の良さとは無縁だけれど。

道草は好きなほう。
ひとは、ひと。
私は、私。
焦らずいこう。


『とりあえずやってみることが大切だ。
何もしないでただ椅子に座っていても
前へは進めない。』

その通りだ。
何もしなければ
何も始まらない。


ところで
とりあえずやってみる。
の「とりあえず」は、
いつまで使えるのだろう。
いつまで使っても
許されるのだろうか。





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鈴懸ねいろ
文章を書いて生きていきたい。 ✳︎ 紙媒体の本を創りたい。という目標があります。