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【映画】カラオケ行こ!を観てきた

カラオケ行こ! 2024年1月12日公開


あらすじ
合唱部部長の岡聡実(おかさとみ)はヤクザの成田狂児(なりたきょうじ)に突然カラオケに誘われ、歌のレッスンを頼まれる。組のカラオケ大会で最下位になった者に待ち受ける“恐怖”を回避するため、何が何でも上達しなければならないというのだ。狂児の勝負曲はX JAPANの「紅」。聡実は、狂児に嫌々ながらも歌唱指導を行うのだが、いつしかふたりの関係には変化が・・・。聡実の運命や如何に?そして狂児は最下位を免れることができるのか?

映画カラオケに行こ!あらすじより

原作漫画
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原作はこの漫画がスゴイ!オンナ編で2021年女の園の星で一位を取った和山やま先生の作品。この漫画がスゴイの受賞作家の作品ということと題材も興味もあるという事でずっと気になってはいたのだけど読まないまま月日は過ぎ、映画がはじまり、どうせ観るならカラオケが題材なら映像がいいでしょと思って映画から視聴。なので映画の感想は原作未読の物が主な感想になります(原作は映画観終わった後読んだ、今Amazonでポイント大幅還元やって〼)

内容的にはコメディ色の強い作品なのでネタバレ無しに書くのは難しいので最初からネタバレ前提です。漫画からの実写化だから映画どうしようと思ってる方向けに書くと、原作のコメディさは少し違った形のコメディになるのだけど、聡美の葛藤していた部分への深堀や狂児のヤクザという設定の重さの雰囲気を語らずとも演技や映像でより表現してくれてると思うので観て損のない作品だと思います。漫画原作の映像化の問題はあまりなく、より楽しめる映像化だと思います(当社比)

ヤクザが中学生にカラオケを教えてもらう話ということで、ヤクザの狂児(綾野剛)は歌下手な設定なのかと思ってたら実際微妙に上手くないからのスタート(これは原作でもそうだった)で最後は本当に激ウマになっていくのだけどそれでもダメだしがでるのでヤクザのカラオケの世界はとても怖いなぁと思いました(冗談です)この作品では歌の上手い下手はカラオケ採点の点数ではなく個人の主観によるものです。だからこそ歌が上手いって実際は何だろうという事を考えさせてくれます。

各役者さんが下手な歌の演技をするのですが本当の音痴は居ないです。でもカラオケ好きの人ってこういう癖があるよなってバリエーションのある演技が観れるのでカラオケ好きはここでほっこりできるかも。

原作と違って、合唱部のシーンと歌うって事についての話が少し増えていて、コンクールで一位になれなかった部分を技術面は完璧だったけど足りなかったのは愛かなと先生が誤魔化すのですが、その愛って部分は何だろうというシーンがちょこちょこと追加されており、そのおかげか最後の聡美の歌唱シーンの感動がより増幅されるのは凄く良いなと。聡美の役者さんは16歳だそうで、原作でいう聡美のコンプレックス、声変わりで声をだすというのが辛くなるという演技と、ここで逃げてはダメだという歌う舞台に立つ覚悟を見せて堂々と歌う場面が上手く両方再現されてるなと思います。私は声変わりがわかる訳ではないのでここらへんの高音を地声のままに歌う少年の葛藤がどれほどの再現度か正確に判断する事はできないのだけど、素人目から見れば凄く良いシーンに見えました。それにそこが技術面は完璧だったけど足りなかったのは愛かな?の話にも重なると思うのでより良く感じたのかもですが。

いつも暗い作品ばっかり観てる人間なので、ヤクザと部活大好き中学生という違う世界観の二人が交じり合う事はあるかな?的な所も考えてしまうのですが流石にそこはコメディなので二人の関係に違和感を感じる部分や凄く暗くなる部分がそこまである訳ではないかと、あと暴力的な物が苦手な人も安心して観れるかと。でも少ない暴力シーンや、理不尽なキレ方とかの演技はしっかりしてるので深く語られなくても狂児の普段居る世界をうっすらと感じられるかと。あと学校のシーンが深堀されているので聡美は思った以上に子供で子供には子供の世界があるなと感じさせてくれると思います。原作を大きく離れる訳ではなく、深堀されて新情報が凄く増えるという訳でも無く、でも想像の幅は広がる、個人的に良い実写化だなと思いました(世界には色々な感想があるのであくまで個人的な感想です)

同じ言語は知っていても、言葉は通じない、そういう事が多々あります。人を肩書で差別しちゃいけないというのは大前提にしても、人は生きる為に守らないといけないルール的なものがどうしても人それぞれあって、それが微妙にズレてしまうと通じない何かができてしまうのだと思います。
この世界だけ見てると狂児は本当は凄く良いやつでヤクザをやってるのにも理由があるのかなと感じさせるけど、でも多分実際はそうじゃない。でも狂児には狂児なりのヤクザとしてではない人として大人としてのルールがあるし、そういう不思議と魅了される部分が聡美にとって関わりたくはない世界ではあるが一時的でもかけがえのない人になってたのでは思う。そういう異質で奇跡的な二人のドラマだから素敵に見えるのかもなと(干からびた脳で考えるBL要素考察)
狂児の不思議さは漫画版の若い頃のエピソードを読むとより感じられるのかなと。映画だけを観たという人がいたらかなり短い短編だけど漫画のほうがわかりやすくてオススメです。

とりあえず原作好きな人なら観たら良いと思うし、カラオケというか歌う事が好きな人なら原作未読でも胸にくるものがあると思います。キャラクターが良いので二人の会話に癒されると思います。

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