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「二度と転職活動はしたくない」と思っていた私が転職活動を終えて書きたいこと。

2022年1月末。約6カ月に渡る転職活動に区切りがつきました。

前職を退職してからは9ヶ月が経っていました。

自分の軸や条件に合う企業から内定をいただけたため、結果的には満足いく転職活動ができました。しかしこの結果にたどり着くまでは、決して順調に進んだわけではなく、うまくいかないことのほうがはるかに多かったです。

それでもなんとか、もがきながらも一歩ずつ進んでいった転職活動の備忘録を書く予定でしたが、まずは転職活動を終えて今、いちばん書きたいと思うことを書くことにしました。


私は「二度と転職活動をしたくない」と思うほど、面接が苦手です。面接を好きな人がいるかわかりませんが、もちろん私は大嫌いです。そんな私がちょっとだけ面接との向き合い方がわかった話を書きたいと思います。

ノウハウなどではなく考え方の話なので、面接を克服したい!という方の参考にならないと思います、ごめんなさい!それでももし、同じようにどうしようもなく面接に苦手意識を持ってる人に読んでもらえたら、その人の心が少しでも軽くなったらいいなと思います。

人と話すことは好きだけど面接は苦手

社会人になって3回目、3年ぶりの転職活動でしたが、それはもう何度経験しても、面接の前は緊張で食べ物が喉を通らなくなるし、お腹も必ずと言っていいほど痛くなります。たとえオンラインでも「面接」という時間や空間そのものが私にとって恐怖でした。

少し私について紹介すると、自分から前へ出るほうではないけれど人と関わることや話すことが昔から好きでした。新卒では旅行会社のカウンタースタッフとして、たくさんのお客様と接してきました。前職では営業事務として社内では毎日ミーティングが行われ、クライアントとも日々やりとりをするなかで、関係性を築いていけることにやりがいを感じていました。

人と話すことや仕事でのコミュニケーションは好きだけど、面接は苦手……と私と同じように感じている人って意外といるんじゃないかなと思っています(実は私も…!というかたはこっそり教えてくれたら嬉しいです)。

「仕事で話すのと面接で話すことは全然違う」と思う人はきっと多いはず。私もそのひとりです。相手に寄り添った提案をしたり、自社のサービスについてはうまく伝えることができるのに、自分のことになるとまったくアピールできなくなります。それでも「仕事ではコミュニケーションや会話をうまく使ってきたわけだから、きっと面接でもできるはず!」そう信じて、なんとか克服できないか、克服しなくてはいけないと、私は苦しんでいました。

 『面接』の正体を暴いてみた

6ヶ月に渡り転職活動をしただけあって「私の面接に対するマイナス感情はどこからきているのか」をひと通り言語化することができました。一部書き出します。

  • この面接に人生がかかっていると思ってしまう

  • どう答えるのが正解か?と正解を探そうとしてしまい言葉につまる

  • どこまで本音で話していいかわからない

  • うまく答えられなくて涙ぐんでしまうときがある

  • 簡潔に答えようとしても伝わっているかわからない

  • 伝わらないのが嫌で話が長くなり、結局何を言いたいかわからなくなる

  • そもそも論理的が苦手

  • 面接は会話というけれど、そんな雰囲気出してくれる企業が少ない

  • こちらも選ぶ側というけれど、やっぱりそんなふうには思えない

  • 面接官の反応や相槌に寄って、気持ちが左右される

  • 面接官と合わないなと感じたら志望度が底辺に落ちる

  • 自分ではアピールできる話だと思っているけど伝わっているか不安

  • 的外れな回答をしているのではないかと思い不安

  • 変なやつって思われていないか不安

  • 結局どう伝わっているのかわからなくて不安

……愚痴というか文句みたいになっているところもありますね、すみません。あげたらきりがないのでひとまずこれぐらいにします。笑

話し方など技術面の部分もあるとは思いますが、私はとにかく「面接官にどう見られているのか」が気になってしまい、これが不安につながり、マイナスの感情が生まれるのだと、ここまで書き出してみてわかりました。

書き出してみると、まだ何も解決したわけではないけど安心する気持ちが湧いてきたので、ちょっと不思議な感覚がありました。でも、正体がわからないけど自分を不安にさせる何かって恐怖でしかないですよね。かたちが見えない、そんな「苦手」「恐怖」の感情を言葉にして正体が見えてきたことで、少しほっとしたんだと思いました。

模擬面接をお願いしてみた

面接が終わったあとなかなかフィードバックをもらえる機会は少ないですよね。自分がイメージした通りに果たして伝わったのか、あの答えはよくなかったのではないか、と面接が終わったあとはいつも落ち込みます。

私はこの「相手にどう見られているのか」の不安を解消するために、プロとして面接支援をしている方や面接官として実績のある方から、有料で模擬面接を受けられるサービスを利用しました。転職活動をはじめてから4ヶ月経った頃でした。

オンラインで実際に模擬面接を受けてみて、「うわー、全然うまく話せなかった…なんて言われるのかな…」と、私はドキドキしながらPCの前で構えていました。

すると、面接をお願いした方からは「とてもよく受け答えできてましたよ」そう言ってもらえたのです。最終的に2人に模擬面接をお願いしましたが、2人とも最初に同じ感想をくれました。

「そうか。私のやり方は間違っていなかったんだ」

そう思うことができました。プロの方から丁寧かつ説得力のあるフィードバックをもらたことで、4ヶ月間正解がわからないまま解き続けていた問題の答え合わせを、ようやくすることができました。長い間ごちゃごちゃに絡まっていた糸が、少しずつほどけていくような感覚でした。

模擬面接は私にとって「安心材料」でした。しかし、面接への不安は以前よりずっと解消したものの、それでも「面接が苦手」という意識はやはり変わることはありませんでした。

旦那さんとの会話をきっかけに

「模擬面接はできてるって言われるんだよね。でもなんでこんなに自信がないんだろう。ずっと苦手なままなんだよね」と、私は旦那さんに話したときがあります。

「今まで面接してきて、うまくできたって思えた面接ってあるの?」

そう旦那さんに質問されて、私は考えました。

「うまくできた面接?——そんなのないや」

私はそう口にすると「あ、だからか」と、気づきました。過去転職をしてきたので、内定はもらえてるわけですが、自分のなかで「うまくできた」と思えた面接がありませんでした。

私にとって面接とはそういうものなんだ。

面接に対する苦手意識が私はあまりにも強すぎることに気づきました。「どんなに周りの人からできていると言われようが面接が通過しようが、『面接をうまくできた』と思えることは、今の私にはないのだろうな。だからもうずっと苦手のままなんだ」そう思えたことがなんだか私のなかですごく腑に落ちました。

このとき私は「面接が苦手な自分をそのままでいい」と受け入れることができました。克服しようと思うことをやめました。「生まれ変わらないと無理」と思うぐらい私とって面接は苦手なもの。面接を克服しようと思えば思うほど苦しくて、「苦手なままでいい」と思えることが今の私にとっていちばんよい状態であるという結論にたどり着きました。

「克服しなくては」と思っていたときは、どんなに面接の準備をしても苦手意識がなくならなくて「ダメな自分」と、自己肯定感もどんどん下がっていました。「面接が苦手な自分でもいい」そう思えるようになってからは、心がずっと楽になりました。面接のために努力してきた自分を「がんばったよね」と認めてあげられるようになったのです。

諦めたわけではないということ

面接を克服することをやめたわけですが、これは面接を諦めたわけではありません。「正社員として働く」も転職で叶えたいことのひとつでだったので、そうなると面接は避けられせんでした。

「面接官にどう見られているのか」が不安につながりマイナスの感情を生み出すいちばんの原因であることはわかりました。なので、この不安を少しでもやわらげるために、定期的に模擬面接を受けることにしました。

料金はかかるため毎回受けることは難しいですが、志望度の高い企業のときに私は利用しました。事前の模擬面接で「面接官はどう思うか」をアドバイスもらえたので、不安でぎゅうぎゅうだった気持ちに少し余白が生まれて、本番前の恐怖は薄れた感覚がありました。

わかりやすい変化だと思ったできごとは、以前までは面接前日の夕飯から喉を通らなかった私が、夕飯は普通に食べられるようになりました。そして当日の朝もヨーグルトや消化に良さそうなものは食べられるようになったんです!これは私にとって気持ちに少し余裕ができたと実感できる、とてつもなく大きな進歩でした。

また転職活動をしてみたいか?

面接との向き合い方を見つけ結果的に満足のいく転職活動ができた私ですが「ではまた転職活動をしてみたいか?」と聞かれたら、それは——

やっぱり「NO」だし、きっぱり「NO」です。笑

3回目の転職活動は、人生でいちばん自分と向き合ったと本気で言える期間でした。自分を知ることができたとても価値ある経験だったと思いますし、転職活動をしてよかったと心から思ってもいます。

なにより、「面接を苦手な自分」を受け入れ心が楽になる感覚を味わえたことは、私にとって本当に奇跡と言えるできごとです。面接とは、決してわかり合うことができない、私を苦しめ続ける存在だと思っていたのに「無理に関わりにいくことはやめて付き合い方を変えてみたら、思ったより気にならなくなった」と思える存在になりました。でも、苦手なやつに変わりないので、もし叶うのであれば一生関わりたくないです。笑

しかし、転職は二度としたくないと言いつつも、ずっと同じ会社に居続けるイメージが私にはできません。転職が当たり前の時代になってきているし、ライフスタイルの変化によってもまた転職という選択をするときがくるかもしれません。そしてまたそのときがきたとしても「面接が苦手な自分」のままでいいと思っています。

でも、もし「面接が苦手」という意識が薄れるときがあるならば「それはいったいどんな自分なんだろう。ちょっと会ってみたいな」と思うときがあります。こんな考えが出てきたことにも驚きです。

最後に

ここまで読んでいただき本当にありがとうございます。

転職活動は人生において必要な時間であり、いい部分も悪い部分も含めて自分を知ることができました。が、私は転職活動を終えてみて「やっぱり転職活動はもうしたくない」ということを改めて実感したわけです。

でもこのことをいちばんに書きたいと思ったのは、苦手である面接と向き合って、成長できたと思う学びが大きかったからです。

苦手なことやネガティブな気持ちになることがあれば、克服しようと考えるだけではなく、マイナスの感情がどこからくるのか言葉にしてみること。正体が見えてくればそれだけでも安心します。

私はこの転職活動で「苦手なことは、ちょっと距離を置いたほうがうまく付き合えるものである」を実践することができました。努力し続けても、うまくいかないと心が疲れてしまいます。「やりたくなったらまた挑戦してみよう」ぐらいの気持ちでいると、新しい向き合い方が見えてきて、それは私を前向きにさせてくれるものでした。

新しい会社でも、今後の人生においても、私はこの苦手なことへの向き合い方を忘れずに、生きていきたいと思います。


本当にこれで

書こう書こうと思いつつ今日は2月28日。

明日が出勤初日です。内定をもらってからこの1ヶ月は本当に一瞬でした。

気づけば5000字にも渡りnoteを書いてしまいました……。読みやすいものとはまったく思えないし、文章を書くことにまだまだ苦手意識があります。でも「書きたい」と思えたことはこれからも書いていきたいです。面接との向き合い方がわかったように、私と「書くこと」へのちょうどいい距離感を見つけていきたいと思います。

それでは明日より久しぶりの社会復帰。がんばってまいります!





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