ベルベル

フランス郷土菓子から得た地産地消文化の知識を日本で実践すべく、大学卒業後に北海道移住。パティシエール3年、お菓子教室4開催。埼玉県出身。現在フランスパリ在住(学生)。フランス地方菓子と生活文化の関わりに深く興味を持ち、フランス菓子の起源ともいえる「ウーブリ」の研究を行う。

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フランス郷土菓子から得た地産地消文化の知識を日本で実践すべく、大学卒業後に北海道移住。パティシエール3年、お菓子教室4開催。埼玉県出身。現在フランスパリ在住(学生)。フランス地方菓子と生活文化の関わりに深く興味を持ち、フランス菓子の起源ともいえる「ウーブリ」の研究を行う。

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  • お菓子と生活

    中世ヨーロッパよりその昔からの伝統あるフランス菓子...その文化から学べることは何だろうか。フランス文化をお菓子を通して見る。そんなお菓子の物語を綴ります。

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お菓子から学ぶ生活文化を未来へ

多様性社会の現在、わたしを導いてきたものはいつも『お菓子』であった。  幼い頃から、洋裁教室を営む祖母、または母の作る素朴なおやつの影響か、手作りのものが好きだった。「手作り」は人としての生きる力をそのままに体現するものである。  そんなわたしは幼い頃からお菓子、本、歴史が好きだった。そして転機が訪れたのは中学3年生の受験期。図書館で目にした大森由紀子先生の『フランス菓子図鑑』であった。この書籍には、フランス菓子それぞれの由来、歴史、物語が写真と共に記載されていた。とても

    • ~1月お菓子教室より~ヨーロッパ新年のお菓子とLa galette des rois ガレットデロワ

      La galette des rois ガレットデロワ明けましておめでとうございます。 最近は日本でも知名度が上がってきました。1月のフランスの定番の伝統菓子。キリスト教の祝日である、Epiphanie(エピファニー) 公現節=jour des Roisの際に食べられるお菓子ですが、1月中はいつでも買うことができます。1月6日がエピファニーの日とされますが、フランスでは6日前後の日曜日に祝う。今年(2023年)は1月8日(日)。 日本で紹介が進むガレットデロワですが、そのお

      • ~フランス地方菓子マカロン講座より~地方菓子文化を彩るマカロンの歴史

        ご無沙汰しております。ベルベルです😊昨年夏頃からフリーとなり、現在北海道美瑛町、旭川中心にお菓子教室を主宰させて頂いております。 まず、わたしの教室で大切にしていること。皆さんに聞きたいこと。それは、自分の口に運ぶものに普段どれだけ興味を持っていますか。ということです。 お菓子は嗜好品です。自分の欲のままに食べることはもちろんです。 しかし、考えてみて下さい。大量生産されたお菓子の原料はどこから来ているのでしょう。また、自分でお菓子を作ろうと思ったとき、はたまたその材料は

        • Oublieーウーブリーフランス菓子の起源を求めて②

          中世修道院派生のお菓子。ウーブリとその歩み前回の投稿で、ウーブリがミサの際に拝領された聖体パン(ホスチア)から派生したものであり、神聖なるパンから世俗的な意味の食べ物=フランスの『おやつの起源』であることを説明しました。また、ワッフルの起源である。などということもお話しました。 日曜日、祝祭日に売られるようになり、庶民に普及していったウーブリですが、それを始めに、ニュール、エショデといったお菓子(パン)も普及していくのです。後者に並べたお菓子の紹介は後程。。 ウーブリにス

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          『しあわせの牛乳』から学ぶ、人間のしあわせとは・・

          「なかほら牧場」岩手県岩泉町にある、日本でも珍しい「山地酪農」を実践している牧場です。一年を通し、牛が山で放牧されています。『しあわせの牛乳』は、牧場主、中洞さんの牛飼いとしての思い。中洞牧場ができるまで。それから、未来の酪農感を考えさせてくれた一冊です。著者は佐藤慧さん、写真は安田菜津紀さんのものが使われています。酪農家は勿論、料理人など、食に関わる人に是非読んでもらいたい本です。 ”しあわせ”のヒント「しあわせの牛乳」という言葉を受けて、皆さんはどのように受け取りました

          『しあわせの牛乳』から学ぶ、人間のしあわせとは・・

          アニマルウェルフェアとパティシエ

          アニマルウェルフェアとは...感受性を持つ動物を、ストレスがないように、健康的な飼育方法を目指す畜産のあり方。 日本語では動物福祉とも呼ばれ、家畜を単なる産物ではなく、一つの命として考える。つまり、家畜をより自然に近い環境で飼育をすることを指す。 有名な話でいえば、フォアグラの反対運動などは皆さんご周知のはず。 ヨーロッパでは早い段階からこの考えが広まっており、英国では、ケージの中で飼育された工業的農産物が普及し出したのは1950年代ごろからだが、無理な飼育に反対する人

          アニマルウェルフェアとパティシエ

          Oublie ―ウーブリーフランス菓子の起源を求めて①

          はじめに。ーフランス菓子とわたし。フランス菓子といえば、マカロンパリジャンやエクレア、パリの華やかなパティスリーをイメージすることが多いのではないでしょうか。 そのイメージは勿論です。しかし、わたしが興味を引いたお菓子は、マドレーヌやフラン、シンプルな地方ごとのアーモンド菓子といった、素朴なお菓子たちです。 なぜ、素朴な地方菓子を追うのか例えばの話ですが、皆さんは和菓子を食べる時、おばあちゃんの作るお団子や大学イモと、老舗の高級和菓子屋できれいな練り切りを買って食べる時、

          Oublie ―ウーブリーフランス菓子の起源を求めて①

          Mardi gras ~贅沢とは~

           普段わたしたちはどんなときに贅沢をするだろうか。 ーボーナスが出たら、海外旅行に行く。仕事が一段落したら自分のご褒美に欲しかったけど高くて買えずにいたものを買ってみる。...などと、何かしら特別な意味を持った日に贅沢をすることが今日の日常ではないか。  今回取り上げるのはMardi grasーマフディ グラ (肥沃な火曜日)である。この日は謝肉祭(カーニバル)の最終日のことを指す。今年は2月16日がその日だった。  そもそも、謝肉祭(カーニバル)とは...元々、四旬節【

          Mardi gras ~贅沢とは~