【⚽️日本サッカーを愛そう】ルキアン選手を噛みしめていたらあのジョブスと同じだった話。
先日会社でiPhone生みの親、スティーブ・ジョブスのスタンフォード大学でのスピーチの話をしたら意外と知らない若手が多くてびっくらこいた。
「おい、君たち。社会人なら常識だぞ!」
などと言ってしまえば今の社会ではセクハラにもパワハラにもなるのでそっとしておいたけど、あまりにもびっくりしたのでここで言っちゃった。
天下のジョブスと言えどもすでに故人。記憶は薄れてゆくもの。知らなければそれでもいい。仕方のないことだ。
しかしどうだろう。
2021年のルキアン・アラウージョ・デ・アルメイダを指し示す言葉だとしたら、磐田ファンなら知りたくないだろうか。
私の解釈によると、ルキアン成功のロジックはジョブス伝説のスピーチそのものだった。
一緒に振り返ろうじゃないか。
回顧① 点と点をつなげる
Connecting the dots. と言えば、職場のオジサンは喜んで食いついてくるだろう。食いついて欲しくなければ言わない方が良い。それだけ有名な言葉だ。簡単に言うと、
点(出来事)ってのはあとで振り返ると実は繋がってんだぜ。
ってこと。
自分もそうだった。「これってなんの意味があるの?やんなきゃダメ?」「大事な時間を無駄にした!ちくしょう!!」
不安なんだよね。でもジョブスは言います。「それは、後でちゃんと繋がるから安心しろ。」と。
そして今シーズンのルキアンがそれを体現してくれました。
ブラジルからアジア(韓国、タイ)への移籍も、ジュビロに来てすぐの退場騒ぎも、シーズン中の首の手術も、
一つ一つは喜劇ではないけれど、全ては今シーズンの成功のために繋がっていました。無駄な出来事なんて一つもない。
悩んでいる若者がいればきっとルキアンは言うでしょう。「それは、後でちゃんと意味を成すから安心しろ。」と。
回顧② 敗北と愛
ジョブスは30歳で自分の会社を首になります。もう一度言います。ジョブスは自分が一から創り上げ大きくした会社の取締役会で首を宣言されるのです。
絶望でしょうよ。それは。鬼ごっこやるためにようやく10人集めたら「お前あっちいけ」と言われた感じ。家に帰ってむせび泣くしかないってこんなの。
ただ、ジョブスは言います。
敗北したから、本当に好きなものが見えたんだぜ。
ジョブスはこのことにより、もう一度挑戦者の気持ちを思い出し、この仕事が好きだと認識したと言っています。
ルキアンもそうでしょう。2020年シーズンで思うような結果が出なかったチームと自分自身。もう開き直るしかなかった。そうすることで明確に自分の目的が見えた。
このことは試合前の円陣で、ルキアンが「ユウショウ!」「ショウカク!」と発破をかけることからも良く伝わってきます。
ルキアンはこのチームで勝ちたいんですよ。色んな思いがそぎ落とされてシンプルにそれだけが凝縮されている。そのシンプルさが強さになっているんですね。
「あなたの今やっている事は、好きですか?」
この気持ちは忘れちゃいけない。そしてそれは、敗北したときこそ再認識できるのです。
絶望に暮れる若者がいればきっとルキアンは言うでしょう。「本当に好きだから悲しいんだろ。もう一度やればいいじゃないか」と。
回顧③ 死
故人のジョブスですが、一度癌で死にかけています。このことは、今日という一日の価値を示すのに十分だったとジョブスは語っています。
月並みな言葉ですが、本当に死に直面した人は頭をぶん殴られるような衝撃で改めて日常の尊さに気付かされるのです。ジョブスは言います。
時間は限られている。他人に惑わされるな。
不本意に生きるんるんじゃないぞ。
ルキアン選手を取り上げた公式youtubeを拝見して驚きました。シーズン中に首のケガで緊急手術を受けた時、選手生命の終わりを示唆されて泣き崩れたと伝えています。
ルキアンは、サッカー選手としての死に直面したのです。
この経験は確実に彼を強くしました。練習中の集中力や強度については他の選手が伝えてくれています。とにかく鬼気迫っていておっかねぇ・・・と。
ルキアンからすれば、たとえ練習でもその一瞬一瞬がかけがえなかったに違いありません。
張りのない日々を送りながら毎日を憂う若者がいればルキアンは言うでしょう。「集中しろ。自分に正直に生きろ。明日は無いかもしれないから」と。
■最後に、
ルキアン選手の今シーズンの強さは決して偶然では無かった。
偉人が残した言葉の通りの経験を重ね、それを無駄にすることなく糧に変え、その時を迎えたのですね。
いや〜 言葉にするといささか軽くなってしまいますが凄いことだと思うんですよ。
まず、
身に染みて理解している事。
それからそれを行動に移せる事。
そしてそれを継続する事。
なかなかこの域に到達できる人はいません。
最後に、ルキアン選手はこう言うでしょう。
勝つことに飢え、愚直なまでに勝利に尽くす
Stay Hungry. Stay Foolish.
彼と彼のサッカー人生に、永遠の幸あれ。
本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!
そして、
この文章は今シーズン ルキアン選手の影に隠れていた一人の若者へのメッセージでもあることも最後に加えておきます。