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【⚽️】2020年度最新版 経営が強かったJクラブはどこだ!?ランキング
さてさて、今回も出揃いました決算報告!!
ということで例によって2020年度における各クラブの経営状況を斬ってみたいと思います。昨年度は言うまでもなく大変厳しい環境下での経営となり、その影響が決算に如実に現れていますね(泣)。
では、
その影響を最も受けたクラブはどこか!
① スポンサー収入の増加率(減少率)
② 入場料収入の増加率(減少率)
③ 人件費の増加率(減少率)
の3カテゴリーをランキング形式で見ていきたいと思います。
■インパクト重視
金額差でランク付けしようと思いましたが・・・それだともともと経営規模の大きなクラブが必然的に大きな数字となり各クラブ毎の影響の大きさみたいなものが見えにくいと思いました。
ですので今回は、前年に対する増加、減少を「率」で比較してみたいと思います。
調査対象は、2019年、2020年にJ1にいたチーム。てことで2019年降格した磐田、山雅。2019年に昇格した柏、横浜FCが入ります。
逆に2020年に昇格した徳島、福岡は含んでおりません。
では早速行ってみましょう!
■ランキング①
コロナ禍で最もスポンサー収入を増やした/減らしたチームはどこだ!?
まず、
このような状況下で約8億もの収入増を果たしたのが清水。やはり山室社長効果なのでしょうか。このような状況下で4割増しとは凄いことです!
オフの動きも活発でしたからね。外国籍選手を多数獲得し、新監督にクラモフスキー氏を招へい。開幕ダッシュにつまずくとすぐさまロティーナさんを連れてきて、さらには鳥栖のバンディエラ候補・松岡選手の引き抜きに成功しました。
これらの裏側には資金の影響があったことは間違いないでしょう。特に松岡選手の場合は両クラブの台所事情を鑑みると、「大人の事情」が絡んだ移籍という憶測は避けては通れません。
また、
昇格を果たした柏、選手がサラリー返還を申し出た札幌が増額しているのも興味深いですね。
減額の方に目を向けてみると、億単位で減ったのが7クラブ。16位の仙台、17位の松本は共に約1.5億の減額でしたが、クラブ経営の規模を鑑みるとインパクトの度合いは鹿島より大きくなっていますね。
鳥栖は(2020時点では)未だ減収。神戸はコロナより、三木谷さんの考え方の影響の方が大きそうです。。。
そして、
実に7クラブが増額を果たしているというのは意外でした。減額5,000万円以下のクラブを合わせると全部で12クラブ。今回取り上げたクラブの半分以上になります。
私にはなんの権限もございませんが、このような状況下にも拘らず変わらずご支援いただいたスポンサー様には頭が上がりません!心より御礼申し上げます。
■ランキング②
コロナ禍で最も入場料収入を減らさずに済んだチームはどこだ!?
やはり人数制限の中では入場料収入を増やせたチームはありませんでした。増加率は全てマイナス。つまり全クラブで収入減でした。これは企業努力の範疇を超えていましたから。。。どうしようもありません。
そんな中、
最もインパクトを押さえられたのが横浜FC。久しぶりの昇格ということもあり、唯一 億単位の減収を避けることが出来ました。しかし、「本来だったらもっと増えたのに・・・」というのが本音ですよね。
その他は、大体50~60%と半減したチームが大半をしめます。平均も67%ですから、コロナのせいでJリーグの入場料収入は半分に減ったというのが一般的に言えると思います。
しかし!
それどころではないのが浦和。前年比の減収率はなんと80%超。これは厳しい。。。裏を返せばそれだけ浦和は、スタジアムに足を運ぶサポーターが支えているクラブだということですね。入場者数もさることながら運営効率の良いクラブほどダメージを受けたというのは本当に不運としか言いようがありません。
また、ここでも下位に位置する仙台は経営的に苦しいシーズンとなりました。降格してしまうと増収の可能性はより減ってしまいますから。クラブとしても本当の正念場にいるのかもしれません。
ちなみに、
コロナ禍以前で試合運営の利益率が25%(断トツの最下位!)しかなかった磐田。実は入場料収益に関してはそれほど影響を受けていないのではないかと期待したのですが減少率64%。
コロナに加えてJ2降格による来場者減の影響も受けてしっかり平均値でした。
■上記2つを可視化してみた。
てことでスポンサー収入の増減率と、入場料収入の増減率(実質は減のみ)をマッピングしてみました。
エンブレムを重ねないようにマッピングしたため、グラフのメモリは大まかに捉えていただければと思います。自分の推すクラブがどんな状況だったが視覚的に把握できると思います!
縦軸にスポンサー収入、横軸に入場料収入をとっています。エンブレムが右上にあればあるほど、経営として「良好」と言えます。
スポンサー収入を大きく減らした神戸。逆に飛びぬけて増やした清水。入場料収入を大きく減らした浦和。少ない減少率で済んだ横浜FC。
スポンサー収入に関してはライン上(プラマイゼロ近辺)のクラブが多いことが分かると思います。
来年は右上に行くクラブが増えると良いですね!!
■ランキング③
コロナ禍で最も人件費を増やした/減らしたチームはどこだ!?
さて、最後に出金(でがね)の方も見ておきましょう。
人件費です。こちらも意外だったのですが、8クラブが人件費を増額しているんですね!
特筆すべきはFC東京でしょうか。スポンサー収入が1.3億減って、人件費を約3億増やしています。決算の詳細を見てみると、トップおよびアカデミーの運営費や販売費など管理可能費でかなりの改善をしているようですね。
企業努力で人件費を確保したと言えるでしょう。
鳥栖が約11億もの人件費を削減していることも触れておきます。
アカデミーや大学生を積極的に入団させていますが来年度も人件費の圧縮はある程度期待できそうですね。大卒初年度の年俸はわずか460万円ですから。
(サポーターは寂しいかもしれませんが)林選手の海外移籍はかなり経営を助けたのではないでしょうか。
そして、
その鳥栖を除くとワースト(節約した)が降格組の松本と磐田。磐田は30%も減ってるんですね。ヤットさんのレンタル代を支払っての30%減ですから、なかなか大きいと思います。
また、
見逃してはいけないのが鹿島。チームのサイクル的には荒木選手、上田選手らの”育成期間”ということでしょうか。派手な投資は抑制(約3.8億節約)しつつ着々とACL圏内を狙います。
時期が来たらドカーンとお金を使ってタイトルを取って賞金を稼ぐのでしょう。コロナ禍でも着々と仕込んでいますね。さすがです。
■最後に
今回は、わかりやすい3つの数字を特出しして前年と比較し並び替えてみましたが、本来の経営数字はもう少し複雑です。
興味のある方はぜひ決算報告まで目を通されることをお勧めします。細かい数字が並んでますが項目自体はとってもシンプルでわかりやすいです。
Jリーグはビジネスなので、クラブの方針や実態を正しく把握するためには決算に目を通すことはとても大切だと思います。
「何で補強しねぇんだよ!」とか、「グッズ作れよ!」とかは、経営数字を見て自分が社長だったら本当に投資できるか、という目で見ると実にスリリングです。
・・・などと言いながら、
まぁ雰囲気で良いと思います(笑)。
今回の3つの数字が、皆さんのチームの見方に少しでも新しい気付きを与えられましたら幸いです。
本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!