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【ジュビロ磐田⚽】【実録】エレベータークラブになって思うこと。

使命感。
と言えばなるほど確かにこれは使命感かもしれない。


Jリーグが発足して32年。
昇降格という制度が織りなす悲喜こもごも。毎年生まれる、上がる者と落ちる者。これもまたリーグを彩る歴史において必須ではないものの重要な要素ではなかろうか。
・・・とはそれと無関係の人がお茶でもすすりながら言うものであって、当事者としては腹痛のまま迎えるテスト当日に似た無念でしかない。


我らがジュビロ磐田。
2022からの4年で経験した昇降格は実に4回。Jの長い歴史においてわずか数年の間でここまで激しく乱高下を繰り返したクラブも他になかろう。

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とは人類の叡智にしてまごうこと無き事実なのだが、のど元過ぎる前に熱いのと冷たいのが交互にやってくれば果たしてそれは人類に何を教えてくれるのか。


そんなリアルを圧倒的な解像度で以って語れるのは、
激しすぎる乱高下に耐えに耐え、グロッキー状態がデフォルトと化してなおスタジアムでは笑顔を絶やさず「ごきげんよう」などと振る舞いつつ今なおこの乗り物から降りようとしない変態、あいや失礼ジュビロ磐田サポーター以外には無いのでは、との自負すらある。



J2で出来たことがJ1ではできない。
J1で顕著に表れた苦渋がJ2では全く姿を現さない。

筆舌に尽くしがたいこれらを敢えて筆にしたため歴史の1ページとしてひっそりと残すこと。
そして100年後あたりに歴史研究家がこの文章に辿り着いた暁には2020年代の人類はサッカーという催しに非常に苦しんでいたとのやや歪曲した歴史的事実が残ってしまえばいい。

そう。これは我らエレベータークラブの執念であり、使命なのである。


大仰な出だしに対して内容は薄いかもしれないが、優しい心でついてきて欲しい。ヒウィゴ。




■差分① 間合い

まずはこれだろう。圧倒的に。
「間合い」とはボール保持者に対するディフェンダーとの距離感。

ずっとJ2にいると気付かないかもしれないが、J1とJ2では感覚的に半歩ほどこの間合いに差分がある。


間合いが近いと何が異なるのか。
(サッカーはもちろんフットサルやバスケなど)コートを分けないスポーツの競技経験者であれば何となくわかると思うのだが、間合いが近いとそれに応じてより早い判断スピードを求められる。

相手が飛び込んでくるリスクが一気に高まるためボールを離すのか、逃げるのか、仕掛けるのか。この判断だ。

加えてパスコースが限定されるのも特筆に値する(下図参照)。間合いとはつまり、相手の処理能力の不安定さを炙り出す概念

こうして間合いを詰められた相手は個人としてはもちろん、チームとしてこれを打開する能力を求められるのである。

J2
J1


2022年のアキラ磐田はビルドを志向してまんまとやられたのだが、
この間合いに関する感覚がJ1に順応していなかったのが大きな原因であった。

攻でも守でも。

当時活発に意見が交わされた「戦略戦術の前にそもそもベースが備わっていない」の”ベース”とはこの間合いにまつわるエトセトラを指しており、同じく降格した2024年も同様のジレンマを根本的に払しょくできていなかった。


プライベートにおける多感な娘との間合いはさっぱりわからないが、チームの強さはこの間合いへの対応能力でわかる。
こうして私は間合いフェチになった。




J2生活が長いサポーターはまずチームの間合いを見て欲しい。

ディフェンスが奪う、追い込むというよりは、そこにいるだけじゃね!?と感じるならばそれは圧倒的にJ2だ。すまないがこれは真実である。




■差分② 初速

続いてはこれ。
この「初速」と言うやつも圧倒的な差を感じた。

具体的に言うと、
ボールを受ける。ちょっとトラップが大きくなる。これにて事なきを得るのがJ2。しっかりと奪われるのがJ1。そんな感じ。

この差はマジで顕著であった。


磐田のプレスはスッカスカに見えるのだが、神戸や広島のプレスはマジで空間的余裕が無い。私は今でもコートの大きさが可変していたのではないかとJFAを疑っているのだが、それほどにレベルが違った。いや冗談抜きで。


これは単に選手の運動能力に依存するのか。
もちろんそれもあると思うけど、個人的には加えて判断の速さ、そして何よりボールが無い場所での選手のムーブが決め手だったと思う。

背後が怖くていつも漠然と後ろに重かったのが磐田。ある程度秩序を持って前にも後ろにも有機的に動いていたのが神戸。そんな感じ。

だからいつだって数的優位。だからいつだってチャレンジできる。だからいつだって判断が速い。だからいつだってボールが奪える。

これが王者神戸の完成度だった。



この初速の違いはしっかりと数字にも表れていて、優勝を争った神戸・広島が圧倒的にイエローカードが少ないとのファクトがあるが、つまりそういうことだ。

2024イエローカード上位10チーム
2024イエローカード下位10チーム


初速が速ければファウルする必要が無い。逆に初速が遅ければイーブンなボールだと思っても足に行ってしまう



J2生活が長いサポーターは初速を見て欲しい。
チームとしてイエローが多いなら昇格は難しいだろう。

じゃぁ町田はどう説明するのかって!?
むむむ・・・何事にも例外はある。それもまた真実である!!




■差分③ シュート精度

最後はやはりこれを挙げないわけにはいかないだろう。

「おい!なんて奪われ方を!!」からの「あぶねー助かったー」は、はっきり言ってJ2にしかない現象だ。
ぬるま湯につかって平和ボケし、痛い目を見るとすればこれが圧倒的かつ現実的である。


財布を落としても交番にいけば誰かが届けてくれている日本がJ2であるとするならば、J1は南米かスペインあたりの裏路地だと思った方が良い。
出来ることならばボールを小さくたたんでパンツの中に入れてフィールドを駆け巡りたいぐらいだ。


J1とは圧倒的に一撃必殺である。
それを改めて痛感したのが2024シーズン第4節のガンバ戦であった。

この日は開始早々に悲しきPKで失点したものの川崎戦ゴールラッシュの記憶もあり同点の雰囲気満々。Aサードで躍動する宇佐美が左に流れたときに対峙するルーキー植村の補佐として松本がダブルチームに加担した。

この時。

植村の集中力が一瞬切れたのをあざ笑うかのように宇佐美は右足でボールを少しだけずらし、二人の間からクロスを供給。
遅攻であったためエリア内に磐田のディフェンダーはたくさんいたのだがそのボールはダワンにドンピシャダワン!となって痛恨の一撃を喰らった。


あのシーンは何度思い返しても理不尽すぎる。そして間違いなくJ2では経験できない失点。

これを阻むのがJ1のスタンダードであるならば、失点に直結するパスミスなどあっていいはずがない。「あぶねー助かったー」どころではないのである。


正直なところ、
この時の宇佐美が怖かったというよりもこの環境と言うか、この強度・精度を忘れてしまうことがとても怖い

「J2でまずは経験を積んで・・」なんてのが幻想でしかないと強く思ったひと夏の経験。だから一刻も早く昇格しなくちゃいけない。



J2生活が長いサポーターこそシュート精度に拘って欲しい。

試合前のシュー連で「あれれ枠行かないや」じゃないのよ。そこから始まってるから。
これ真実だからマジで!!




■エレベーター点検のお知らせ

マンションなんかに暮らしてるとですね。たまにエレベーターって点検して止まってる時があるんです。

その時下の階にいてですね、エレベーター1個しかない。エスカレーターも当然ない。階段で行くにはしんどい。でもどうしてもすぐに上に行きたい。なぜなら今すぐにトイレに行きたいから。

そんな時に点検してたら不運なんてもんじゃないわけです。

聞いたところによるとJリーグのエレベーターって2026年に点検で止まるらしいですね。


その時に上の階にいるか、下の階にいるか。これは思った以上にクラブの近い未来を変えるはず。

なぜか今は間違えて下行きのエレベーターに乗っていますが、早く上に戻らないといろんなものを失う可能性が高いよね、と。


決めました。
今シーズンは基準を変えろおじさんで行きます。


「間合い」「初速」「シュート精度」。
まずはこれらをJ1基準に。そして相手に合わせるような優しさは捨てて、LAの路地裏ぐらいのマッドさで不用意な相手は容赦なく追い込んで欲しい。

そして満を持してシーズン移行前のボーナスステージをJ1で。
もう待てない。もうエレベーターはこりごりだ。つまりは基準をチェケラで、J1へヒウィゴで、ジュビロ磐田をチェンジザワールドなんですよ!!


今シーズン果たしてどんなチームが見られるのか。楽しみな開幕がやって来ます!!




本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!

横浜FCサポさん以外の異論は認めません!笑






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