【エッセイ】足湯カフェでのコーヒー時間
私はコーヒーが好きだ。仕事の合間、noteを書き終わった後といったタイミングで飲んでいる。気持ちを切り替えたり、一仕事終えた後の疲れを癒したりと、コーヒー習慣は、なくてはならないものだ。
カフェで飲むコーヒーも良い。日常から切り離された空間でいただくコーヒーは、いつもと違う美味しさを感じる。
今までで一番贅沢だと思ったのが、日光に旅行したときに行った「足湯カフェ」でのコーヒー時間だ。
そこでは、足湯に浸かりながら、コーヒーを飲むことができる。
私が行ったのは、一昨年の9月。
旅行前のリサーチで、宿泊先の近くにあると聞き、ぜひ行ってみたいと思っていた。
店は、温泉街のホテルにある。入る時はホテルのロビーからだ。一見普通の喫茶コーナ―に見える。カウンターで注文した飲み物を受取り、外につながるドアを開けると…
パッと目の前に緑が広がる。新緑の時期や紅葉の時期に見たら、きっとさらに美しいのだろう。
テラスには2~3台のテーブルがある。テーブルの下には、足湯がある。
イメージとしては、温泉街にある足湯の中心にテーブルがある感じ。
目の前の緑を眺めて、足湯に浸かり、大好きなコーヒーを飲む。コーヒーも温泉も自然も好きな私にとっては、至福のひととき…のはずだった…
折しもその日は、明け方に台風が去ったばかりだった。私が行ったのは10時頃。やや風が強くて空は曇っていた。
コーヒーを飲んでいると、ストローが入っていた袋が風に飛ばされそうになり、慌ててカバンに入れた。
空気はムシムシしていて、足湯で足下からも熱くなったので、「アイスコーヒーにして良かった」と思った。注文の時に迷ったのだ。思った以上に足湯は温まることを体感した。
そして気がつけば、周りのお客さんは建物内の席で飲んでいて、横にいたはずの夫も早々とホテルの売店に行き、テラスにいるのは私一人になっていた…。
…と、少し寂しい最後だったが、足湯に浸かり、自然を体感しながらコーヒーを飲むという贅沢な時間を過ごせた。天気はいいとは言えなかったが、旅先での話のネタにもなったので良しとする。
また、足湯カフェに行ってみたい。
今はコロナで行けないので、セブンイレブンのコーヒーを手に、近場の温泉の足湯に浸かり「足湯カフェ」気分を味わっている。