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【東北グルメ】温かなご飯にのせると美味しい!「北限のしらす」
こんにちは。東北暮らしの週末ライター、すずき・ちえです。今日は知る人ぞ知る「東北グルメ」をご紹介します。
みなさんは、普段の食事で「しらす」を食べることはありますか?しらすは、カタクチイワシの稚魚で、魚体が透明なことからそのように呼ばれています.
(名取市観光物産協会HPより)
食事の主役というよりかは、ご飯にのせたり大根おろしに入れたりと、副菜として何気なく口にしているとことが多いのではないでしょうか。
私もその一人です。
最近、しらす漁が行われている日本最北端の地が、私の住む宮城県にあることを知りました。「北限のしらす」というブランド名で販売されており、地域の飲食店では、ご飯にしらすを乗せた「しらす丼」を提供する店もあり評判の様子。
せっかく近くに産地があるのだから、ここでしか食べられない美味しいしらすを味わってみたいと思い、産地に行ってきました。
「北限のしらす」を求めて、漁師町・閖上(ゆりあげ)へ
訪れたのは、しらす漁が盛んな地域、名取市閖上(ゆりあげ)地区。仙台市の南隣にあります。太平洋に面しており、古くから漁師町として栄えてきました。
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10年前の東日本大震災の大津波では甚大な被害を被り、一時期は、ほとんどの建物が無くなっていました。
徐々に漁業や水産加工業といった地域の基盤となる産業も復興し、街には家や学校、大型店舗や、観光施設などが建ち、伝統を残しながらも新たな街づくりが進んでいます。
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観光客も戻りつつあり、特に2019年にオープンした商業施設
「かわまちてらす閖上」は、休日には多くの人で賑わっています。
創業125年の老舗 「漁匠 鈴榮(すずえい)」
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訪れたのは、「かわまちてらす閖上」の中にある、「漁匠・鈴榮(すずえい)」。しらすを始めとする稚魚を、塩ゆでし天日干しした「ちりめん」、を製造・販売しています。
扱う魚はしらすだけにとどまらず、春にはメロウドの稚魚である「小女子(こうなご)」、夏から秋にかけては「しらす」、冬は「白魚」と移り変わるそう。
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上の図を見てもわかるように、「しらす」には、ちりめん以外にも塩ゆでした状態の釜揚げでも食べられます。
私が行った時は冬に近い11月の月末でしたが、しらすのちりめん(「しらす干し」という名前で販売)の他、釜揚げしらすも売っていました。
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ちりめんに惹かれながらも、買ったのは釜揚げしらす!
商品の前に貼られたポップの「しらす丼にするならこれ!!」という一言が決め手でした。
ホカホカのご飯に、柔らかいしらすを乗せて食べる映像がムクムクと浮かんできたのです!
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釜揚げしらすは、冷凍した状態で売られています。冷蔵では2~3日と保存期間が短いのですが、冷凍では90日保存可能です。
お店によると、「小分けの袋に入れて保存するのがおすすめ」なのだそうです。
冷凍庫に常備しておけば、ご飯のお供が欲しい時にもすぐ使えるのが良いですね!
「北限のしらす」、今までのしらす観が変わった!
念願の「北限のしらす」。まずはご飯にのせてみました。
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ご飯の上にたっぷりのしらすと、卵黄をのせてネギを振りかけました。醤油をかけて食べてみました。
食べてみたところ、温かいご飯に乗ったしらすは柔らかくて、ふわふわした食感。今まで食べていたしらすと比較すると、新鮮さが違う!見た目に透明感があり、口にすると、しっかりとしたしらすの味がしました。
そして、卵黄にしらすの塩気が絡むのがたまらない…ご飯がいつも以上に美味しかったです。
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「北限のしらす」は、単品で食べても良いし、主張しすぎない味なので、どんな食材にでも合わせられると思いました。
ご飯の他に、ほうれん草のおひたしにものせてみました。
しらすを乗せただけで、ご飯やほうれん草のもつ風味──ご飯のふっくら感だったり、ほうれん草の自然な甘みがより引き出されているのを感じました。
ちなみに、お店の人におすすめの食べ方を聞いてみたところ、「大根おろしと合わせると美味しい」とのこと。みずみずしい大根に、フレッシュなしらすに醤油をかけて食べる…さっぱりとして美味しそう!。
いつも食べ慣れている食材の美味しさを、さらに引き立たせてくれる「北限のしらす」、みなさんもぜひ、食べてみてはいかがでしょうか!
【参考HP】
・漁匠 鈴榮
※2021年11月末の情報です。