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<オテアワセ>②「バレンタインデー」
バレンタインデーが近づくと、ワクワクする。それは大人になって、結婚した現在でも変わらない。なぜなら年に一度、色々なチョコレートとの出会いがあるからだ。
私は大の甘党で、特にチョコレートが大好きだ。新たなチョコレートとの出会いを求め、デパートに足を運ぶ。そこには国内外問わず、たくさんの店が並んでいる。
人ごみにもまれながら売り場を歩いていると、「ご試食いかがですか?」と店員さんが声をかけてくれる。定番のシンプルな板チョコもあれば、お酒が練りこまれている生チョコ、かわいらしくて食べるのがもったいないくらいのデザインのもの、フリーズドライのイチゴにホワイトチョコがかかったものなど、個性豊かなものばかりで胸がときめく。けれど、たくさん試食しておきながら、最後に選ぶのはいつも同じもの。夫用に「ロイズのチョコ掛けのポテトチップス」と自分用に「ルタオの紅茶味の生チョコ」と幼いころから大好きな「メリーチョコレート」を飽きずに買い続けている。
私はなぜこんなにもチョコレートに惹かれるんだろう。それはチョコレートが持つ「儚さ」にあると思う。チョコレートは儚い。口に入れたとたんにフワッと甘さが広がり幸せな気持ちになるが、一瞬にしてスッと溶けて消えてしまう。もっと長く味わっていたくて、つい2つ目に手を伸ばしてしまうけど結果は同じで切なくなる。多分、このつかみどころのないところが好きなんだろうな・・・
子どもの頃からそうだった。板チョコを食べていたら止まらなくなり、いつの間にか1枚食べきってしまって、親に怒られる・・・なんてことがよくあった。
けど、大人になった今は、どれだけ食べようが自由だ。この儚さを味わう「一瞬の幸せ」を求めて私は、今年もチョコレート売り場へ出かけるのだろう。