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【最近読んだ本】お笑いとゴミ清掃員、ふたつの顔を持つ芸人によるエッセイ
本との出会い
みなさんは、「エンタの神様」というテレビ番組を知っていますか?
2003年から2010年まで、日本テレビ系列でレギュラー放送されていたお笑い番組で、今でも不定期で特番が組まれるほど人気のある番組です。多くの芸人さんの漫才やコントを見ることができました。
土曜日の夜に見ていた方も多いのではないでしょうか?
私も毎週欠かさずに見ていたひとりです。その番組で知った「マシンガンズ」というお笑いコンビがあります。
少し前に、その「マシンガンズ」のツッコミ担当の滝沢さんが、NHKの番組に取り上げられているのを見かけました。
現在、彼はお笑い芸人と並行してゴミ清掃員の仕事をしており、そこでの出来事をTwitterで発信し続けたところ、大人気に。
ついに書籍化したというのです。
テレビは、仕事の話を真面目に、ユーモア交えて書かれていることを伝えていました。
全部読みたくなり、手に取ってみました。
内容
筆者・滝沢さんは36才頃、奥様の妊娠が発覚。そのため、アルバイトを探すのですが、「35才まで」の条件にことごとくひっかかってしまい、なかなかの決まりません。
そこで、知り合いに紹介してもらったのが、ゴミを収集車に乗って集積所を回る、清掃員の仕事でした。
清掃員の仕事を初め、週5回、都内至るところの集積所を回るうち、滝沢さんは様々な発見や気付きを得ます。
それら仕事を初めてからの発見や、自分自身の変化、個性豊かな仕事仲間のこと、そして、ゴミが増え続けることの危機について、明るいタッチで書かれています。
感想
読み終えて感じたのが「その仕事を経験した人にしか語れないこと」があり、「経験からの言葉は深い」ということでした。
前半は滝沢さんの経験から、「えのきバターばかりの謎めいたゴミ」や、「“ずっと友だち”と書かれた友だち同士のプリクラ」など、なかなかシュールな話が展開されます。
また、清掃員となってからの一日のこと、ユニークな仕事仲間の話も出てきます。
外仕事ならではの苦労(特に夏場)や、体力勝負の現場のことがリアリティーを持って伝わってきました。
そして、仕事仲間が個性豊か。どんな人なのか一度お目にかかりたいと思いました。
最後の「このまま日本のゴミが増え続けると、どうなるか」は、心に響くものがありました。
明るくテンポのよい語り口なので、すっと頭に入ってきて心に刺さります。
滝沢さんが、「ゴミ清掃員」の視点から「自分たちにもできること」を書いています。
「ゴミ問題」、よく聞く言葉だったものの、その危機について「自分事」にしないと、と考えさせられました。
読みやすさの中に、仕事の現場からの声がストレートに伝わってきた本でした。
今日の本
『このゴミは収集できません!』
マシンガンズ 滝沢秀一
白夜書房