USG2020 LIVE (on the)SEAT 10/3新潟テルサ
※ネタバレ含みます
※今回は演出選曲の情報無しに観た方が絶対に良いと確信しているのでもう一度確認します。この先ネタバレ有ります。
私の故郷新潟でロックバンドを目撃してきました。
結論、UNISON SQUARE GARDENはちゃんと生きていた。耳が痛くなるくらいでかい音を楽しそうに真剣に鳴らしていた。
その当たり前の光景さえも本当に現実のことかと疑ってしまうほど、この8ヶ月の影響は大きいのだと改めて実感した。
それでは具体的なライブレポを…
(※毎回のことですが私はライブ中の記憶が無いことに定評があるので内容の確実性は保証しません。)
開場のアナウンスが流れ、照明が落ちると会場からは鳴り止まない拍手。本当にしばらく鳴り止まない。待ってたよ、おかえりという新潟の皆さんの気持ちが溢れ出して止まらないようだった。
拍手が収まるのをしばらく待って、最初に聞こえたのは「12時 時計塔の下」という斎藤さんの歌。そのままギターなしのアカペラで1番を歌い切り、2番から幕が開いてバンドサウンドが重なる。
この瞬間、顔が歪んで涙が出てどうしようもなかった。生きてる…生きてる…ライブをやるという決断をしてくれて本当にありがとう…
わたしの周りの人達も静かに涙を流していた。
1曲目が終わると、聴き慣れた貴雄のドラムから2曲目が始まる。フルカラープログラム!
「ふざけろ!いつか終わる、悲しみは」
この歌詞でまた涙が溢れた。この曲って底抜けにポップで明るいのになんでこんなに泣かせるんだろう。
そこから短いセッションを挟んで「お?これは?」という予想がバッチリ当たり、3曲目はフィクションフリーククライシス。
この曲はヘンテコサウンドなんだけど歌詞が地味に刺さって大好き。
「結局世界は僕が救うしかない」
この歌詞が何だか昨日は凄く響いた。
今回は声出せない立てないという縛りだったから、音源に入ってるクラップくらいはしてもいいかなと思ってビビりながら落ちサビでそーっと両手をあげたら周りのみなさんも同じ挙動で笑った。
後で書くけど、新潟のお客さん、ちょっとシャイだけど愛があって好きだな。ここで生まれたことを誇りに思う。
4曲目はやっと来ました!001!
オンラインライブでも、やらないのかなー今回こそやらないかなーと心待ちにしていたのでめちゃくちゃ踊っちゃった。
フロアのみなさんもイントロでスイッチが入ったように揺れ始める。31列目からの景色最高だな。毎回一般で取って後ろから観たいな……
「愛してる それだけ」
5曲目の印象的なイントロを聴いたとき、コレめちゃくちゃ聴いたことあるんだけど何だっけ?あれ?待って?何?という感覚に襲われて一瞬焦った。
セレナーデだ!
この曲、間奏とサビ頭の「触れたはずの手が」の歌い方大好き。
曲全体を通してめちゃくちゃな手数の演奏してるんだろうけど何故か絶妙な間を感じるところも好き。
6曲目は新アルバムから世界はファンシー!
新曲なのに歌詞完璧なの純粋に凄い。
2Aのところでベースおじさんとギタボおじさんがわちゃわちゃしててニコニコしてしまった。多分田淵さんは斎藤さんがこの歌詞歌うのが好きなんだろうな。作詞者の専売特許〜
例のバケツパートではちゃんと貴雄さんが頭叩いてた。かわいい。
7曲目、貴雄さんがヘッドホンつけてたから「え?このタイミングでシュガー?」って思ったらまさかの君はともだち。
私はこの曲をずっと待ちわびてたのでじーんとしちゃった。
何が好きって、斎藤さんの繊細なボーカルとリズム隊のバケモノコーラスがとてつもなく綺麗にハモるところ。
ラストの「ラララ」のところもめちゃくちゃよかった。最初はリズム隊2人だけで、その後斎藤さんが入って。好きだ〜
歌詞もメロディも優しい曲。
「何も知らないやつに 君のこと決めつけられてたまるか」
MCを挟んで、8曲目は新アルバムから夏影テールライト。
これもまたコーラスが最高で………
ユニゾンの曲の引き出しが多いのはリズム隊のコーラスの上手さも絶対に関係していると思う。
ミドルテンポの爽やか切ない曲は斎藤さんの声の透明感にぴったりな一方で、この声に乗せられるコーラスが無いとライブでは上手く聴かせられない気がする。
あと、この曲のドラムは特に細かいところまで心揺さぶってきて本当に好きだな。ブックレットのコメントがよく伝わってくるよ。気合入ってる。
「幻が消えたなら ジョークってことにしといて。」から期待通り9曲目はPhantom Joke!
2月に新木場で初めて聴いて、7月、8月、9月と配信ライブでもやってたけど、今回高音完璧でしたね!裏声があそこまで抜けるの凄いなあ。
あとドラムの手数多すぎて意味分からない。イカドラマーはもはやアスリート。
10曲目は(多分)舞洲以来の徹頭徹尾夜な夜なドライブ。
会場全体が揺れそうなほど上半身を揺らす観客を観ながら私も踊っていた。
ロックバンドは座っても観られるよ!両隣がいないからむしろいつもより大きく踊れて最高!
今までは腕を上げることで高揚感を表していた観客が全身で踊ることに切り替わったのがこの曲だったなあと。凄い力を持つナンバーだ。
いやあ、そろそろ終わりかなと汗ばみながら油断してたら容赦ない11曲目、ライドオンタイム!やめて!これ以上踊らせるつもりなの〜〜〜?????(それでも踊る)
もう客席はダンスフロア!座ってるのに!何で?わかんないけどめちゃくちゃ楽しい!
1.5人分の客席と全身を使って演奏者と一緒にリズムになる新潟のお客さん、楽しそう!
開演前と曲間の誠実な大人しさとのギャップでグッと来ちゃった。新潟のお客さん、好き。
そしてラストの12曲目のピアノのイントロが聴こえた時に、やっぱりこのバンドは完璧だと思った。この60分をharmonized finaleで締めるのか。
さっきまで踊り狂っていたお客さんも、最後の曲という確信があるからか噛み締めるようにステージを目に焼き付ける。
「UNISON SQUARE GARDENでした」とか「ありがとうございました」とか言ったわけじゃないけど、みんな最後だと分かっていた。アンコールが無いことも多分分かってた。
ラスサビ後に斎藤さんにスポットライトが当たり、ギターと歌だけでラストのAメロを演奏する。
「君を追いかけるよ その未来まで」
そのあとステージ全体に淡い照明が点くと、ステージには斎藤さん以外の姿は無かった。
丁寧に弦を止めると、暖かい拍手が沸き起こる。斎藤さんは少しお辞儀をして(多分)何も言わずにステージを去っていく。ステージに誰も居なくなっても拍手は鳴り止まない。でもそれはアンコールを待ちわびる手拍子では無いことが直感的に分かった。来てくれてありがとう。めちゃくちゃよかった。楽しかった。また来てね。元気で回りきってね。大好きだよ。ロックバンド最高だよ。そんな気持ちを伝える拍手だったと私は感じた。
客電が点くと、ステージにはバンドロゴと「SEE YOU NEXT LIVE!」の文字が掲げられていた。
そしてアナウンスがかかり、規制退場が始まる。その後ろで流れている音楽には聞き覚えがあった。
絵の具だ。
ずるいな、このバンドは。
余韻に浸る暇もなくバスに乗るための帰路に着く。
お客さん達は一人で涙を流したり、同行者と手を取りあったりと感動を表しながらも、静かにスムーズに退場していた。友人同士で写真撮影をする人ももちろんいたが、非常にスマートに、邪魔にならないように済ませていた。
凄い。
お客さんそれぞれの思いやりが、こんなにもいいライブを作ったんだろうなと感動してやまなかった。
新潟駅でバスを降りた後も、バラバラに帰路に着いていた。あんなに沢山の人をバスに乗せていたのに、打ち上げをするであろう集団は全く見当たらなかった。
開演前から新潟のお客さんの真摯さは感じていた。
会場前で入場待ちをしているときも、集団になって盛り上がってるグループは全くない。同行者と入場しても、待ち時間に過度なおしゃべりをすることなく静かに待っている。演奏が終わるまでは拍手をしない。無駄に手拍子をすることもない。だけれども、歓迎と感謝の拍手は鳴り止まない。一人ひとりの暖かさと高い意識が胸に染みた。
今後のツアーも、素敵なお客さんと素敵なライブが安全に作れることを祈っています。
最高でした!生きていてくれてありがとう!
SEE YOU NEXT LIVE!
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