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変化の激しい環境に順応するための「4つの次元」とは?

現在、占い師占い講師をやりながら、派遣事務員として働いている私ですが、これまで様々な職場で、多くの業界や職種を経験してきました。新卒就職で失敗して以降、多くの就労先を渡り歩いてきた人生だったからです。

それでも、こんなに行き当たりばったりにもかかわらず、行く先々で幸運人脈に恵まれてきて、今は自分がやりたいことだけをやれている。派遣社員をやりながらの占い師と占い講師なんて、怪しさ満載ですが、実は私にとって現状は、私史上最高に幸福な状態なのです。

さて、私がこれまでなんとかうまくやってきて、今に至ることができている理由、それはおそらく、私が「キャリア・アダプタビリティ」を育むことができたからなのではなかろうか、と最近よく考えます。

キャリア・アダプタビリティとは、キャリア理論の第一人者といわれる心理学者ドナルド・E・スーパーによって提唱され、その後、21世紀を代表するキャリア理論家のマーク・L・サビカスによって体系化された概念です。

直訳すると「キャリアの適応性」ですが、もっとかみ砕いて言うと、環境がどれだけ変化しようとも、自身の働き方ひいては生き方を、環境に適応させていく力のことです。そして、変化の多い環境の中で、自分自身も適応を繰り返しながら、自身の可能性を拡大させていく力とも言えるでしょう。

さて、キャリア・アダプタビリティには、以下の「4つの次元」というものがあります。それは①関心(Concern)、②統制(Control)、③好奇心(Curiosity)、④自信(Confidence)です。

それらの頭文字を取って4Cとも言われる、このキャリア・アダプタビリティの4次元を向上させていくことこそ、「ありたい自分になる」ということです。

もともと人生に変化はつきものです。それに加えて最近は特に変化の激しい世の中になり、私たちの置かれている環境も、いつどうなるか分からなくなってきました。

だからこそ、この「4つの次元」を持ち、変化に対応できる自分になっておけば、不安定な世の中を生き抜く上では、有利になると言えます。

占いの現場でも、様々なご相談者さんのキャリア相談をお受けしていますが、前向きな解決に至るまでがスピーディな人は、これらの視点がある場合が多いと思います。

それでは今回は、この4Cについて、私なりの占い的観点も絡めながら見ていきたいと思います。


① 関心(Concern):自分の将来に関心を持ち、計画すること

未来に不安しかないと、投げやりにもなりたくなるものですよね。

「今の仕事、つまらないなあ。
 でも、他にいく場所もないし、景気も悪いままだし。
 だったら別にこのままでいいや…」

なんて諦めモードの人は、今の世の中にたくさんいるかもしれません。

キャリアアップしたい気持ちはどこかにあるものの、景気や家族など外的要因の制約がありすぎて、自分の将来に関しては無意識のうちに考えるのをやめてしまっている人も多いと思います。

でも、自分の人生は、自分だけのもの。
自分の将来に本当の意味で関心を持てるのは、自分自身しかいません。

そんな時に西洋占星術的な視点があると、視界が一気に広がります。あなたのホロスコープは、あなただけの青写真。ですから、自分の星に向き合っている限り、外的要因のことはいったん客観視できます。

さらには、を見ながら、中長期的な運気予測も可能です。例えば、「あと5年後に、自分の活動が社会的に目立つ絶好のチャンスが訪れる」と分かっていれば、その5年間を逆算し、1年ごとに何をすべきかTo Doリストを作って、5ヵ年計画を立てることができるわけです。

このように、プロアクティブに計画を立てるのと、無為に時間の流れに身を任せるのとでは、5年後に到達できる場所が確実に違ってくるのは、火を見るよりも明らかです。

また、前向きなプランニングだけでなく、今非常に辛い状況にいる人が、いつになったら楽になるのかを知るために運気を読む、というのも非常に意味があると思います。

例えばご相談者さんで、どん底の運気で苦しむ、エンタメ業界の女性がいらっしゃいました。私から見ても、この星の配置は相当辛いだろうな、と心配になるほど。でも、その暗いトンネルを抜ける時期、そしてこれから先にやってくる、自分らしさを外に打ち出せるタイミングをお伝えました。

辛さに支配された日々を送るのではなく、来るべき運気の転換期に向け、あれこれとイベントの企画をしたり、発信方法を前向きに考えたりと、とてもイキイキ頑張り始めた彼女。そして、トンネルを抜ける時期には本当に調子が戻ってきて、いいスタートダッシュを切っておられたのが非常に印象的でした。

未来の計画を立てることは、自分の未来に関心を持っているからこそできる、ということですね。

② 統制(Control):自分の人生を主体的に構築すること

「自己決定領域を広げることが、幸福感をつくりだす」

これは、「幸福感と自己決定ーー日本における実証研究(西村和雄, 八木 匡)」という研究によって証明されたものです。自分でコントロールできる状況下においてこそ、人は幸福感を覚える。その調査結果を始めて目にした時、私は深い納得感を覚えました。

私は大手外資系IT企業で正社員をしていた時、自分の裁量では全く仕事を進めることができませんでした。お客様やプロジェクトチーム、直属の上司からの途切れない要望に、際限なく応え続ける日々。自分からプロアクティブに動いているのではなく、動かされているという感覚しかありませんでした。その時いつも思っていたのです。「お金は過去最高に稼げているし、やりがいもある仕事のはず。なのに、どうしてこんなにも幸せを感じられないんだろう?」と。

ところが、金払いの良かったその会社の正社員を辞め、派遣事務員をやりながら、副業占い師や占い講師をやっている今は、とにかく幸福感が高いのです。

この事について、理由を常に考えていたのですが、先の研究結果を知り、目からウロコでした。つまり私が現在、高い幸福感を感じているのは、仕事もプライベートも、すべてにおいて自分が決定権を握っている状態だから、ということだったわけです。

幸福感が高ければ、どんな仕事においても生産性は上がるもの。そうなれば、どんな変化にも柔軟に対応できる力に、ならないわけがありません。

③ 好奇心(Curiosity):自分の可能性を探求する好奇心を持つこと

変化の激しい今の世の中、突然会社の方針が180度変わることも、人事異動で全く未知の業務を任されることも、普通に起こります。

そんな不意打ちを食らっても、「面白そう!やってみたい!」と思える人は、思わぬチャンスを掴み取る力が非常に強いといえます。

「幸運の女神は前髪しかない」とはよく聞きますが、女神の前髪を掴むには瞬発力が必要。変化に恨みつらみを言いながら重い腰を上げないでいると、チャンスが通り過ぎたことにすら気づかない、ということも起こるのです。

例えば、化粧品業界で働く50代のバリキャリ女性がいました。ところが彼女のお母様が急病になり、介護が必要になったのです。彼女はそれまでのキャリアをすべて捨てて、田舎に戻らざるをえなくなりました。

一見ネガティブな要素ばかりのように思えるその変化ですが、彼女はもともと変化を好む星を持つ人。久しぶりの田舎での生活にも前向きに、好奇心を忘れずに飛び込んでいかれました。

結果的には、お母様はほどなくして亡くなられたのですが、一緒に過ごした時間と、最後まで看取れたという事実は、なにものにも代え難かったといいます。

そして、やはりそういう人はどこに行っても放っておかれないもの。半年ぐらいは仕事せずにのんびりしたいとおっしゃっていたのに、生命保険会社の複数の知人からひっきりなしに「うちの会社に入らない?」とのお誘いが殺到したとのことでした。

組織の若返りを露骨に進めていた前の会社に嫌気がさしていたのも事実。そして、明るく軽快なコミュニケーションが特徴的なを持つ彼女には、お客さんの人生に寄り添いながらたくさん会話ができる生保営業は向いているのでは?とお伝えしました。

新しい仕事にワクワク感を覚えた彼女は、ほどなくして生保営業となりました。東京にいた時には考えたこともなかった業界でしたが、地元に戻ってきたからこそ、華麗なる転身を実現させ、毎日イキイキと飛び回っています。

④ 自信(Confidence):「私ならやれる」と考え、自己効力感を持つこと


自信
、そして自己効力感を持つこともまた、幸福感につながり、ひいては自らを成長させていきます。「私ならやれる」と自分自身を肯定できる人は、どんな変化にも対応できるでしょう。この態度は、しっかり自己分析できている人によく見られると感じます。「私にはこういう適性があることを自分で分かっている。だからチャレンジしてみよう」と、自然と意識がシフトするのでしょうね。

西洋占星術を使って占い鑑定をするとき、キャリア相談であっても、私はいきなり仕事の話からは入らず、まずはその人の持って生まれた様々な資質をホロスコープから言語化し、ご本人とすり合わせていきます。

不思議なことに、資質を言語化されると、チャレンジ精神に火が付く人が非常に多いのです。自分では意識の上にものぼっていなかった強みや、あるいは自分では分かっていたものの恥ずかしくて人には言えなかった適性を第三者から伝えられると、自分の人生の主導権を取り戻す力になるのでしょうか。

例えば、工場で単純作業のパートをしていたご相談者さんがいました。でも、その人のホロスコープを見ると、どう考えても工場の単純作業という感じではないのです。どちらかというと、困っている人の力になっているときに水を得た魚のようになる、そんな星の持ち主でした。

その事実をお伝えしたところ、実はもともと福祉業界に興味があり、大学も福祉科を専攻していたとのことでした。でも、家庭の事情でやむなく工場でのパートを長年していらっしゃったのです。

私は、手を変え品を変え、その方の強みをお伝えし続けました。そして、家庭を大切にするためには、今の働き方以外にもたくさんの選択肢があることもお伝えしました。自信もなく、視野も狭まっていた彼女は自信を取り戻し、未来が明るく感じるとおっしゃいました。今はベストな環境を手に入れるべく、福祉業界への転職活動に積極的に取り組んでいます。



このように、4つの「C」を意識することは、変化の激しい今の世の中を生き抜くための、キャリアコンサルティング的視点です。

さらにそこに、あなただけの星を見ながらキャリアに向き合うことで、唯一無二のユニークな働き方、そして生き方を見つけていけるのではないか、と私は思います。

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