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史上最悪のKY
空気の読めない人間というのは必ずどこにでもいるもので、さまざまなタイプのKYに幾度となく遭遇してきた。
とは言え、自分自身もわりとその気質があり、空気を白けさせり激怒させてきた経験があるので気を付けるようにしている。
タチが悪いのは、いくら気を付けていても、ふっと油断した際に限って失礼な発言をしてしまうことだ。
指摘されて初めて気付いたり、後になってまずかったと反省することもあるが、
中には、なぜそこまで相手が怒ったのかいまだに不明な出来事もある。
昔からよく「相手の立場に立って考えて!」とか「自分がされて嫌なことはするな!」とか諌められたり怒られたりしてきた。
そんなこと重々承知である。
耳タコぐらい聞かされてきたのだから。
ただ理屈としては分かっていても、不快ポイントは人によって全く違うし、してしまったことが自分がされて嫌なことじゃない場合がほとんどだった。
きっともうこれは気質だから、都度都度注意していくしかないのだろう。
え?
「自分をKYだと自覚している人はそこまでKYじゃないから大丈夫だよ」って?
ありがとう!
さて、前置きが長くなったが、
そんな自分でも忘れられない史上最悪のKYを見た時の話をしよう。
昔、好きな犬種を通じてネット上で知り合った人のブログに度々お邪魔していた。
その人の飼い犬はとてもキュートで、ブログに写真が上がるたびに「今日も可愛いですね〜☆」などとコメントしてお互い仲良くなっていった。
ところが、ある時期からそのワンちゃんの体調が悪化していった。
飼い主さんが連日容態を報告しているのだが、どうやら重い病気にかかったらしい。
他人事とは思えず、快方に向かうよう自分も祈りながら日々動向を見ていた。
だが、闘病も虚しく犬は亡くなった。
命日は、ワンちゃんの誕生日の前日だった。
飼い主さんの悲痛な報告に、会ったことのない自分も涙してしまった。
いつもコメントしているブログ常連の人たちも、さすがにかける言葉が見つからないようだった。
次の日、見てみるとコメントが1件ついている。
誰のコメントだろう?
見てみると………
「初めまして!突然のコメント失礼します☆
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………………
………………
お前……………。
KYすぎて絶句した。
そもそもどんな記事にも相応しくないコメントだし、よりによってこの記事につけたらイカンだろ。
おそらく色んな記事に無差別に貼りまくっているコピペなんだろうが、
コメントをつける作業は手動のはずである。
これを貼った業者も、記事のタイトルや内容ぐらいは見ているはずだ。
その上でこれって……
人の心がないのかァッ!!!
当然のようにそのコメントは飼い主さんにより削除されたが、
傷心中の飼い主さんがそれを見てしまった事実がもう辛い。
普段ですら迷惑な宣伝コピペ(こともあろうにエロ系)を、なぜこのタイミングで…?
アフィリエイトが全部悪いとは言わない。
それでも……
それでも……
この記事には自重しろよ!!!
悲しみと失望と怒りが混じり合い、飼い主さんでもないのに感情が溢れ出した出来事だった。
幸い、数日経つと少しずつ飼い主さんも立ち直ってきて
ワンちゃんとの思い出をしみじみ振り返るブログになっていったのだが、
あの許されざるKYはいまだに衝撃で忘れられない。
深い悲しみに暮れている人がいたら、言葉は少なく、ただそっと寄り添ってあげたいと改めて感じたのだった。
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